BAとダイナミックを組み合わせたソニーの次世代3万円イヤフォンを聞く!

アスキー 10月13日(木)10時00分配信
ウォークマン特集

 ソニー<6758>のオーディオの新製品を紹介していく本特集。今回はインナーイヤー型の新モデルとなる「XBA-N3」(実売価格 3万5000円前後)を紹介する。前回のヘッドフォン「MDR-1000X」、前々回のウォークマン「NW-A30」シリーズと同じく10月29日発売予定だ。

 今や高級ヘッドフォンやイヤフォンは10万円を超える価格のものが増えており、実売で3万円台というとミドルクラスと言ってしまいがちになるが、ちょっと前なら高級機と呼んでいた価格帯。

 音質にこだわりのある人が選ぶクラスのモデルだし、しっかりと音にこだわったモデルと言える。なお、XBA-N3の下位モデルとして「XBA-N1」(実売価格 2万2000円前後)も同時に発表されている。

BA型とダイナミック型のハイブリッド方式を採用

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「XBA-N3」の外観。2つのユニットを内蔵しているため、ちょっと独特なハウジング形状になっている

 XBA-N3の外観は、ちょっとユニークな形状になっている。イヤーキャップよりも小さな細身のボディーと、後方に太鼓のような円筒形パーツが組み合わされたような形だ。

 これは、「HDハイブリッドドライバーシステム」というBA型とダイナミック型の2種類のドライバーを組み合わせた方式のため。前方の細身の部分にBA型ユニットがあり、後ろの円筒形の部分に9mm口径のダイナミック型ドライバーがある。

 ユニットはどちらも自社開発のもので、BA型はユニットの体積を約30%減少し、振動板の形状の見直しと軽量化で音質を向上した。

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XBA-N3の構造図。ダイナミックドライバーの後ろに空間(水色の部分)があり、音響管(青いパーツ)が通っている。赤いBAドライバーの前にある金色の音導管は真ちゅう製となっている

 ダイナミック型はLCP(液晶ポリマー)振動板を採用し、小口径ながらも磁気回路を外磁型として大型の磁石を搭載して駆動力を向上。さらにユニットの後方に設けた拡張音響空間や、極細の音響管を組み合わせることで、振動板の後ろ側の空気の動きを精密に制御。バランスのよい中音域の再生や広がりのある音場の再現を可能にしている。

 音導管を真ちゅう素材として内径を拡大することで、ユニットから発せられた音をロスなく伝えるなど、さまざまな新しい技術が盛り込まれている。

 このほか、低音域の通気抵抗をコントロールする「ビートレスポンスコントロール」や、グラウンドを独立させた4芯構成の銀コートOFC材ヘッドホンケーブルの採用など、これまでのモデルで採用された技術もしっかりと盛り込まれている。

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ケーブルを取り外した状態。接続部の形状はMMCX規格のため、他社製の交換用ケーブルを使用できる

 そして、接続ケーブルの着脱にも対応する。接続部はMMCX規格となっており、ソニー<6758>からもオプションで発売されているバランス接続ケーブルなどへの交換も可能だ。

新開発のイヤーピースで付け心地バツグン

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トリプルコンフォートイヤーピースを収納したケース。ステッカーで詳しい説明が用意されているし、イヤーピースの厚みもよくわかる。サイズは3種類

 装着してちょっと驚くのが、イヤーピースの感触の良さ。耳に収めてみると、円筒形の部分が少しはみ出す感じだが、軽く手が当たった程度ではズレないし、歩いていて外れそうになるような不安感もない。

 その理由が新開発の「トリプルコンフォートイヤーピース」。2種類の硬さのシリコンゴムと独自のシリコンフォーム素材を組み合わせたもので、イヤーピースがずいぶんと厚みがある。

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従来のイヤーピース(写真右)とトリプルコンフォートイヤーピース(写真左)を並べたところ。イヤーピース表面の質感や厚さが大きく異なっているのがわかる

 ちょうど、ウレタンフォームのイヤーピースとシリコン素材のイヤーピースの中間的な感触で、ぴたっと貼り付くようなフィット<1436>感はシリコン系のものだが、耳に当たる感触が柔らかい。

 装着感が心地いいし、耳当たりが柔らかいのにフィット<1436>感が良く、外れにくいと感じた。これにくわえて、従来のイヤーピースも3サイズ用意されている。

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XBA-N3の付属品一式。携帯用のキャリングケースのほか、2種×3サイズのイヤーピース、ケーブルを束ねるクリップ<4705>などが揃っている

 この2種類のイヤーピースのほか、キャリングケースやクリップ<4705>などが付属しており、内容は充実している。

高解像度だがしなやかで心地良いサウンド
解放的な音の広がりも好印象

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XBA-N3を試聴してみる

 再生周波数帯域は3~40000Hzとなっており、ハイレゾ音源対応となっている。

 さっそく音を聴いてみよう。クラシックのオーケストラ演奏を聴くと、個々の楽器の音を粒立ちよく再現する。

 高解像度指向の音ではあるが、音色が硬く感じるような尖った印象はなく、しなやかで自然な音色になっている。コンパクトなモデルとしては低音も十分にパワフルで、低音弦も胴の鳴りがしっかりと出ているし、朗々とした響きもよく感じられる。

 女性ボーカル曲を聴くと、爽快ですっきりとした音になる。やや細身な印象もあるが、音色がしなやかなので華奢な感じにはならず、声の強弱やエネルギー感もしっかりと出る。鮮明な描写をするタイプと言えるだろう。

 大きな美点と言えるのは、ホールの響きやエコー感など音の響きの広がり方が豊かに描かれること。特に低音の深い響きはなかなか聴き応えがあり、ホールでのライブ録音のような響きを豊かに収録したソフトでは、音場の広がりを気持ち良く楽しめる。

 どちらかというと繊細さやきめ細かな音の再現が特徴的な音と思えるが、エネルギー感が痩せるようなこともなく、非力さを感じないバランスとなっているので、聴き応えも十分にある。

 40kHzまでの超高域にも対応したハイレゾ対応モデルなので、アコースティック楽器主体の演奏やしっとりとした女性ボーカルが好きな人にはよく適したモデルだと思う。

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2万円台で購入できる「XBA-N1」

 なお、下位モデルのXBA-N1の違いは、ダイナミックドライバーの振動版がLCP素材ではないのと、拡張空間が設けられていない点となる。

コスパの高いモデルもちゃんと用意した
ソニー<6758>のポータブルオーディオ

 9月のハイエンドモデル登場で、ソニー<6758>のポータブルオーディオも高級路線へ向かってしまうのか、と思った人も少なくないと思う。

 しかし、手の届く価格帯のモデルでもしっかりと実力を高めたモデルを用意しているのは、さすがはソニー<6758>だ。

 ハイエンドモデルも、手の届くモデルも、いずれもしっかりと作り込まれた製品ばかりなので、まずは実際に自分の耳でその音を確かめてみてほしい。きっと、お気に入りのモデルが見つかるはずだ。

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    最終更新: 10月13日(木)10時00分

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