居酒屋「塚田農場」の女子はなぜ浴衣姿なのか?

アスキー 2016年10月21日(金)10時00分配信
塚田神社

 塚田農場の宮崎取材レポートもいよいよ最終回。今回は10月19日からスタートした鍋メニューを紹介しつつ、みなさんが塚田農場について疑問に感じているであろうことを解き明かしていきます。

宮崎日南業態の鍋は4種類!生つくね鍋がヤバイ

 10月19日から宮崎日南業態の塚田農場では、待望の鍋メニューがスタートしています。今年の鍋は、「生つくね鍋」(1人前1150円)、「ダブル炊き餃子」(1人前1480円)、「贅沢肉ちゃんこ」(1人前1250円)、「宮崎名物辛鍋」(1人前1150円)の4種類。「ダブル炊き餃子」と「宮崎名物辛鍋」は昨年もメニューに入っていたのでご存じの方も多いかと思います。

 といはいえ、ワタクシが塚田農場に行き始めたのは5カ月前の2016年5月中旬。当然、昨年の鍋メニューは食べたことがないので、今回の記事のために見た目のインパクトが強い「宮崎名物辛鍋」を注文しようと考えていました。しかし、ホームである飯田橋東口店のノブ&なおこちゃんに「生つくね鍋」を食べておいたほうがいいと全力で止められ、オーダーを変更。少し待って最初に出てきたのは、みやざき地頭鶏の鶏ガラで作られた「地頭鶏スープ」が入った鍋。このスープは温められるにつれて黄金色に変わります。具材が何も入っていない状態でさっそく味見してみましたが、鶏ガラスープに鰹の出汁がガツンときいたWスープでした。この時点で、ほぼラーメンのスープです。

塚田農場
「生つくね鍋」のスープはここから黄金色になります。水筒に入れて持ち帰りたいレベル

 次に登場したのが「生つくね」。塚だまが上に乗っかった見たこともない状態で出てきます。これをどうするかというと、卓担当のスタッフさんがレンゲで混ぜてくれます。

塚田農場
見たことのないフォルムで登場する生つくね
塚田農場
生つくねは卓担当のスタッフさんが混ぜてくれます

 生つくねを混ぜ終わると鍋の中に投入。まずは、野菜などは入れずに生つくねだけを煮込んでいきます。つくねの大きさにもよりますが、5分程度は待ちましょう。何せ生なので煮込み時間が短いと中まで熱が通らないので注意。まあ、スタッフさんが頃合いを見計らって声を掛けてくれるので食べ頃を逃すことはないはずです。生つくねが煮上がったら野菜を投入。小松菜やネギ、豆苗などすぐに火が通るものは、さっと茹でる感じでOK<3808>です。

塚田農場
生つくね鍋の野菜は、小松菜、ネギ、豆苗、キャベツ。薬味は、ゆずこしょうとネギ、針生姜です
塚田農場
つくねが煮えたら野菜を投入

 出来上がったつくねと野菜と取り分けて食べてみると、つくねがありえないほどふわっふわの食感でした。つくねのつなぎには大和芋が使われているとのことで納得。結構煮込んでも全然固くならず、ずーっとふわっふわのままです。このつくねなら1人で2人前も楽勝かもしれません。

塚田農場
これまで味わったことのないふわっふわ食感のつくね

 2人前だとつくねが14〜16個ぐらい作れると思いますが、スープのウマさとつくねの食感で箸が進みまくります。女性でもペロリといけちゃうでしょう。この時点で、もしお通しの生野菜が残っているなら、特にキャベツは鍋に投入するのがオススメです。スープにくぐらせるだけでバクバク食べられることでしょう。そして最後はシメのラーメン(1人前380円)。こちらは、ラーメンとたっぷりのネギが投入されます。最初に紹介したように、鶏ガラと鰹のダブルスープなので、もちろんラーメンにはバッチリ合いますよ。

塚田農場
ラーメンはもちろん、スープはずっと飲んでいられる味

定番の宮崎名物辛鍋はピリ辛

 「生つくね鍋」はスルスルは入っていく感じさっぱりいただけたので、続けて「宮崎名物辛鍋」もオーダー。唐辛子の量はノーマルのほか、一辛(+50円)から四辛(+200円)まで選べます。もちろん四辛をチョイスしてみました。追加料金はかかりますが、四辛以上もオーダーできます。

塚田農場
「宮崎名物辛鍋」の四辛も注文しました。赤くて辛そうです

 こちらの鍋は、豚バラ肉や豆もやし、キャベツ、豆腐などが最初から入れられており、煮立ってきたら卵でとじます。

塚田農場
卵でとじれば完成

 出来上がった鍋を食べてみると、卵でとじられたことで尖った辛さはなく四辛でもピリ辛程度なまろやかさでした。個人の感想なので激辛に感じる方もいるかもしれませんが、唐辛子は韓国産とのことで日本の唐辛子に比べるとマイルドな味です。

塚田農場
あくまでも個人の感想ですが四辛でも結構マイルドでした

 「生つくね鍋」と同様にこちらもシメはラーメン(1人前380円)です。先ほども書きましたが、もしこの時点でお通しの生野菜が残っているなら迷わず投入しましょう。キャベツを入れるだけでかなりタンメンぽくなるはずです。赤い辛いスープでいただく麺と野菜はかなり美味で、どこかのラーメン屋にいるかのようです。宮崎日南業態の塚田農場にはあまり辛い料理はないので、辛いモノ好きの皆さんは「宮崎名物辛鍋」を一度オーダーすることをオススメします。

塚田農場
シメはこちらもラーメン
塚田農場
ピリ辛のスープが食欲を掻き立ててくれます

がっつり食べたいなら「ダブル炊き餃子」

 腹減りまくりという場合は、前回の記事で紹介した「ダブル炊き餃子」がオススメです。こちらはシメで、チーズリゾットとラーメンがオーダーできるので、かなりの満足感を得られます。

塚田農場メニュー
もっちもちの皮がウマイ「ダブル炊き餃子」
塚田農場メニュー
シメはチーズリゾットとラーメン

チキン南蛮に合う限定焼酎

 鍋メニューとともに、本数限定の芋焼酎「ムラサキの潤平」も登場しています。レギュラーのドリンクメニューにもある芋焼酎「杜氏潤平」を作っている、宮崎県日南市の小玉醸造合同会社のプレミアム焼酎です。なんで「むらさき」という名が付いているかというと、原料に使う芋がムラサキイモ(ムラサキマサリ)だから。スイーツなどで脚光を浴びたことがあるのでご存じの方も多いかと思いますが、この芋は断面も濃い紫色で、ポリフェノールの一種であるアントシアニンを多く含んでいるのが特徴です。ムラサキマサリを使った焼酎としては「赤霧島」が有名ですが、「ムラサキの潤平」は宮崎日南業態の塚田農場とフランチャイズのじとっこ組合でしか飲めない限定品となっています。

塚田神社
小玉醸造合同会社の芋焼酎「ムラサキの潤平」

 実際にロックで飲んでみると、焼酎の瓶に描かれている紫いものモンブランのように甘い香りが口いっぱいに広がります。香りだけで焼酎自体が甘いわけでないのですが、不思議な感じですね。塚田農場では、炭酸で割ってハイボールで飲むのをオススメしているそうです。

 さて、この季節になると温かい料理が好まれるので、ホールスタッフさんの作業も料理をテーブルに運んで終わりではなく、料理にソースやチーズをかけたり、鍋の調理をしたりと忙しくなります。ホールで働くスタッフの多くは浴衣姿だと思いますが、暑さも和らいだ10月に入った今でもなぜ浴衣を着ているのでしょうか。少々強引なつなぎですが、ここからはこのあたりの疑問を解き明かしていきます。

まめ知識1:塚田女子はなぜ浴衣姿なのか?

塚田神社
10月から銀座中央通り店(旧銀座八丁目店)の店舗責任者を務める魚住眞央さん

 この疑問に答えるべく、ワタクシは宮崎県日南市の塚田地区に取材にいって参りました。みなさんご存じかどうかわかりませんが、塚田農場の「塚田」はこの日南市の塚田地区に由来しています。エー・ピーカンパニー<3175>の社長である米山 久氏が自社の養鶏場をこの場所に自らが作ったことが塚田農場の始まりです。

塚田神社
エー・ピーカンパニー<3175>の社長である米山 久氏が自らの手を作り上げた宮崎県日南市の塚田地区にある塚田農場
塚田神社
塚田神社
現在は土壌を休ませる期間のため休止中。3エリアにある直営農場で稼働しているのは西都市にある養鶏場

 塚田農場では、ホールスタッフの女性はそれぞれが異なる色や柄のカラフルな浴衣、男性は黒い作務衣を着ていますね。中には、鯉口やダボと呼ばれる衣装を着ているスタッフも見かけるかと思います。祭り好きの方ならピンとくるかと思いますが、鯉口やダボは神輿を担ぐ人が着用する衣装です。ちなみに、ダボを来ているのは店長です。知ってました?

 もうおわかりかと思いますが、塚田女子が浴衣を着ていたり、店長がダボを着ているのは、村祭りをイメージしているからです。実はこのコンセプトを考えたのは、現在は宮崎県で地頭鶏ランド日南の社長を務める近藤克明氏。

塚田神社
地頭鶏ランド日南の社長を務める近藤克明氏。エー・ピーカンパニー<3175>が最初に作った養鶏場を案内してくれました

 近藤氏によると「当初は巫女さんをイメージした白装束でしたが、オペレーションの問題もあり浴衣に変えた」とのこと。ちなみに普通の浴衣よりも短いのは機動力を高めるためです。普通の浴衣だとあんなに高速に動けませんからね。ちなみに、最初にこのコンセプトを思いついたときは想像上の村祭りだったそうですが、実際に調べてみると塚田地区には塚田神社があり、そこで本当に村祭りが開催されていることを知ったそうです。

塚田神社
塚田神社は本当にあります
塚田神社
急勾配の階段を上ると神社にたどり着きます
塚田神社
取材当日は1週間前に上陸した台風16号の影響で倒れてしまった木々もありました
塚田神社
塚田神社の本堂。塚田農場の各店舗に掲示されている塚田神社の写真は、この本堂の中を撮影したものです
塚田神社
塚田神社
しめ縄や賽銭箱が設置されていました

 「よく行く塚田農場はそんなユニフォームじゃない!」という方もいらっしゃるかと思いますが、それは北海道シントク業態の塚田農場です。現在、北海道シントク業態は浴衣は浴衣でもデニムブランドのLeeとコラボした「デニムミニゆかた」を着用しています。

塚田神社
北海道シントク業態のユニフォームはデニムの浴衣と作務衣です

まめ知識2:鉄骨や運動会のテントが店内あるのはなぜか

 すでにネタバレなんですが、塚田農場が村祭りコンセプトにしているからです。コストダウンのためではありません。祭りのときに出店する露店などは仮組の屋根や運動会で使うようなテントを使っているのをよく見かけますね。まさにそれをイメージしているのです。照明が裸電球というのも露店などのイメージなんですね。全店舗にテントがあるわけではないですが、錦糸町店などにいけばその雰囲気をかなり強く感じることができるでしょう。そのほか、壁のフェンスなどは農場のイメージ。近藤氏によると、「いまはBGMにJ-POPが流れていることが多いですが、当初は村祭りをイメージした祭り囃子をBGMに使っていた」とのこと。

塚田神社
テーブル席の上は裸電球がぶら下がっています
塚田神社
天井よりさらに低いところに鉄パイプむき出しの仮組みもあります
塚田神社
フェンスは養鶏場のイメージです
塚田神社
ちょっと見づらいですが写真の左上に白いテントが見えますね。中央はなべこです

 ちなみにまめ知識1の回答でも出てきた北海道シントク業態の店舗は、デニム浴衣だけなく内装も他業態の塚田農場とは異なります。具体的には、壁面にレンガブロックが埋め込まれているなど、村祭りというよりはバルのイメージが強いインテリアです。特に、八重洲北口店はその雰囲気を色濃く感じられると思います。さらに帰りにもらえるお土産も異なります。宮崎日南業態や鹿児島霧島業態は壺味噌を小分けにしたものですが、北海道シントク業態ではミント味のタブレットです。

塚田神社
宮崎日南業態、鹿児島霧島業態は壺味噌を小分けした容器でもらえます。容器を空にして次回来店時に持っていくと補充してもらえます
塚田神社
店舗によってはレギュラーメニューの「マキシマムポテト」や期間限定メニューの「長茄子ジューシー唐揚げ」に使われていた宮崎発祥のスパイス「マキシマム」を手渡されることもあります
塚田神社
北海道シントク業態はタブレットをもらえます

まめ知識3:賽銭箱やしめ縄が飾ってある店舗がある

 東京・八王子店にある宮崎日南業態の塚田農場は、入口付近に賽銭箱やしめ縄がディスプレイされている異色店舗。実はこの店舗が塚田農場の1号店で、そもそものコンセプトである神社での村祭りの外観を取り入れているわけです。あと、塚田農場の前身は同じく八王子にある「わが家」という居酒屋で、以前は八王子以外にも店舗がありました。現在は塚田農場の業態が大きくなったことで、わが家という名称を使っているのは八王子店だけです。

塚田神社
JR八王子駅北口にある宮崎日南業態の塚田農場のエントランスにはしめ縄が飾ってあります
塚田神社
エントランスの左側には賽銭箱も設置されています

まめ知識4:秘密の役職としてのあるべき姿

 塚田農場にいくと手渡されるのが名刺ですね。主任→課長→部長→専務→社長→会長と昇進していきます。それぞれ、2回、5回、7回、10回、12回、14回来店すれば、次の役職に昇進できます。会長の次は何かというと「秘密の役職」です。塚田農場に50回行けば就任できるわけですね。ちなみに以前は、秘密の役職になると「塚民健康保険証」というものが発行されていました。

塚田神社
写真のいちばん下の青いカードが「塚民健康保険証」です

 実は今回の宮崎取材の2日目に、湯本さんという塚田農場の秘密の役職の方にお会いできました。ワタクシは仕事で取材に来たのですが、湯本さんは東京から自腹で宮崎県に視察に来られたそうです。宮崎県西都市にある地頭鶏ランド日南の加工センターと、同じく西都市にある直営農場を一緒に見学しました。ちなみに湯本さんは前日も、塚田農場(エー・ピーカンパニー<3175>)が出資しているワイナリーを視察していたそうです。ワイナリーのお話はまた後日に。

塚田神社
塚田農場の秘密の役職の湯本さん。加工センター視察のために専用の作業着(食品衛生白衣)を着用されています

 塚田農場に通ううちに農家や加工センターのことも知りたくなって今回の視察に来られたそうです。もう1つ教えてもらったのが、塚田農場に行く際は必ずアルバムを持って行くということ。なんのアルバムかというと、来店時に卓担当のスタッフさんにサインを書いてもらい、それを綴じておくアルバムとのこと。名刺システムは会長でなくなってしまうので、それに代わるものとしてアルバムを持ち歩くことを思い付いたそうです。

塚田神社
すでに200回以上、塚田農場に行かれているそうです。「宮崎日南業態のメニューに飽きたので北海道シントク業態にハマった」という意見に激しく同意。どうやら秘密の役職あるあるのようです

 湯本さんは、長らくは町田店がホームだったそうですが、最近は青葉台店をホームとしてよく行かれているそうです。ワタクシはそれを聞いてちょっと反省しました。これまで土日になると、川口店と赤羽店、新小岩店と錦糸町店、銀座中央通り店と川口店、八重洲北口店と飯田橋店、水道橋店と飯田橋店などなど、塚田農場ハシゴをしていましたが、複数店舗を短時間でハシゴするよりも1店舗にじっくり腰を据えて酒と料理を楽しむべきだと。

 加えて、今回の宮崎取材で痛感したのは「塚田農場に行ったら鶏料理は必ず食べるべき」ということ、エー・ピーカンパニー<3175>の自社の養鶏場は、3拠点のうち2拠点が休止中です。土壌を休ませるという目的もありますが、鶏の需要変動に対応するための生産調整という側面もあります。自社農場で生産調整することで、約20軒ある契約農家の生産(=所得)を減らすことなく持続可能な農業を実現するための施策なのです。秘密の役職になったからには、来店時には必ず「じとっこ炭火焼き」「じとっこたたきネギまみれ」「チキン南蛮」「塚田流ミックス盛り」などの鶏料理を食べてみやざき地頭鶏の需要を増やすべきです。

塚田農場メニュー
じとっこ炭火焼き(中、1220円
塚田農場メニュー
じとっこたたきネギまみれ(650円)
塚田農場メニュー
塚田流ミックス盛り(780円)
アスキー
もっと見る もっと見る

【あわせて読む】

    最終更新: 2016年10月21日(金)10時00分

    【関連ニュース】

    【コメント】

    • ※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

    【あなたにおススメ】