CO2排出ゼロ! 水素を燃料として走る究極のクリーンモビリティ

アスキー 10月21日(金)11時00分配信
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水素燃料電池自動車を体験!

 10月8日から10日、お台場を中心に開催された東京モーターフェス。特にお台場会場では自動車メーカー各社が出展し、実際にそのクルマが体験できるというイベントとなっています。そのお台場会場では現在発売されている最新の市販車にも乗ることができました。それも会場を飛び出し公道で。

 最新の国産スーパーカーなども並ぶ中で今回試乗したのは水素を使った燃料電池自動車、ホンダ<7267>の「クラリティ フューエルセル」とトヨタの「MIRAI」です。

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ホンダ<7267> クラリティ フューエルセル
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トヨタMIRAI

CO2を排出しない

 最先端のパワーソースである水素燃料電池で発電し、その電力で駆動するのが特徴のこの2台。フューエルセルは水素を燃焼させるのではなく、すごく簡単に言ってしまえばタンクに搭載した水素(H)を空気中の酸素(O)と反応させ水(H2O)を作り出す過程で発生する電気をエネルギーにするもの。その仕組みのために排出するものは水だけとなるので、理論的な発電過程においては有害物質を一切排出しないのです。

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 左はホンダ<7267> クラリティ フューエルセル、右はトヨタMIRAI。ともにボンネットの中には当然ながらエンジンは入っておらず、ここにあるのは走行用モーターとそれを制御するインバーター。水素燃料電池はキャビンの床下に収まっています。

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ボンネットにはエンジンがない

 ホンダ<7267> クラリティ フューエルセルは見た感じオーソドックスなセダンのイメージな外観です。未来的な尖った印象は皆無で、街に溶け込むデザインといったところでしょうか。

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クラリティ フューエルセルは一見するとオーソドックスなセダン

 実際、よほどクルマに詳しい人でもない限りサイドとリアのFUEL CELLの文字が無ければ水素燃料電池を使ったクルマであることは判別できないかもしれません。

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FUEL CELLの文字が入っている

 今回、ホンダ<7267> クラリティ フューエルセルの試乗は助手席と後部座席のみの試乗ということで、運転はホンダ<7267>の方にお任せして助手席インプレッションとなります。

 一言で言ってしまえば、電気自動車。水素燃料電池で発電してモーターを回すのですから乗った印象が電気自動車なのは当たり前なのですが、燃料電池からは音は全くしません。エンジンも無いのでエンジン音もありません。インバーターの音とタイヤのノイズだけがかすかに聞こえてきます。かなり静かなだけに、かえって車外の音が目立ちます。試乗時はかなりの大雨であったためにクルマにあたる雨音が一番目立っている、というくらい静かな車内。

 印象的なのは車内がことのほか広いこと。それも前後方向に。特に後席は足元が広々としており、そこいらの大型セダンにも引けをとらないほど。運転を担当してくださったホンダ<7267>の方によると「キャビンをかなり前寄りにしてある」とのこと。クラリティは、世界初、燃料電池パワートレインがボンネット内に全て収まるほどコンパクト化されているので、同サイズのセダンに引けをとらない広々とした室内空間が実現できたということですね。乗車定員も5名きちんとあり、リアシート後方に大きな水素タンクを積むわりには十分なトランク容量を確保しています。

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 ホンダ<7267> クラリティ フューエルセルが実際に走る姿を見ていると、特別なものとして水素燃料電池車をとらえるのではなく、ごく普通に走るクルマの中でこれから先の未来を考えていこうという姿勢が垣間見えるような気がします。

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未来的なデザインのMIRAI

 続いてトヨタMIRAI。ホンダ<7267> クラリティ フューエルセルがオーソドックスなスタイルであるのに対し、先行のMIRAIは自己主張が強い。水素と反応させるための空気を思いっきり取り込んでやろう、というように見える開口部の大きいフロントは特に目を引きます。そういった意味ではMIRAIは「燃料電池自動車に乗っている」という満足感が、周囲の人々にかなり発信できるスタイル

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 MIRAIは自分で運転できるということで運転をさせていただきました。

 実はMIRAIに乗るのは初めてではないのですが、以前に乗ったMIRAIはWRCや全日本ラリーに参加した競技用のラリー車で、ノーマルの市販型は初乗車となります。しかし、サスペンションの固さや内装などの違いを除けば、乗った印象が競技車両とあまり変わらない。その印象とは重心の低さと力強さ。

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公道で試乗した

 MIRAIもやはり乗った印象としては電気自動車です。だからこそアクセルの踏みはじめから感じる力強さ、いわゆるトルク感はどんなハイパワーのガソリン車よりも大きいのです。性能曲線で見れば、ガソリンエンジンはアイドリング状態からの低回転域ではトルクは少ないのですが、電気モーターは動き出せばMAXトルク。インバーターで制御してあるとは言っても力強いトルクはガソリン車などでは及びません。

 そんな力強いトルクと重いものを分散して床下配置できる上にゼロエミッションな電気自動車の利点を活かしながら、電気自動車の弱点である航続距離をこれまたゼロエミッションな燃料電池で増大させるというのが燃料電池自動車の本懐かと思います。

 FCスタックや高圧水素タンクなどの重量のあるパワーユニットを床下に配置し、重心を下げることにより優れた操縦安定性を確保し、コーナーリング時のフロントの入り方がスムーズであるというところも特徴的で、この部分はキャビンに広さを持たせたホンダ<7267> クラリティ フューエルセルとコーナーリングなどの運動特性に若干振ってみたトヨタMIRAIのアプローチの違いといえそうです。

 量産型として世界初のセダン型燃料電池自動車であるMIRAIは、燃料電池自動車であることがアイデンティティーとなります。だから街で見かけても思いっきり目立ちます。これは燃料電池自動車はもう実用化されていますよ、というアイコン的な役割を果たしているのではないかと思います。

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 トヨタMIRAIもホンダ<7267> クラリティ フューエルセルも、水素ステーションなどのインフラはまだまだ充分とはいえません。しかし実用的な量産型燃料電池自動車として、ごく普通に乗りながらも燃料電池自動車としてのそれぞれの特徴を具現化する魅力的なクルマである事は間違いありません。

 いまこれらに乗ることは、環境意識を抜きに考えても、未来に乗っているんだという実感を得ることだ、と考えられるのです。

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    最終更新: 10月21日(金)11時00分

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