そろそろヤバイ5年前のPC、最新の第7世代Core搭載PCとの埋められない差

アスキー 10月21日(金)11時00分配信
7th Gen Core
今回使用したのは第7世代Coreを搭載する、NEC<6701>パーソナルコンピュータのA4ノートPC「LAVIE Note Standard NS550/FA」。

 どもどもジサトライッペイです。今年8月末に発表されたインテルの最新CPU、第7世代Core(開発コードネーム:Kaby Lake)ですが、9月の家電ショー「IFA」が過ぎ、年末商戦に向けて各社がどんどんと搭載PCを市場に投入しています。UltrabookでモバイルノートPC人気に火をつけた、第2世代Core(開発コードネーム:Sandy Bridge)から早5年。そろそろPCを買い替えようと思ってらっしゃる方が多いのではないでしょうか? そこで今回は発売したばかりの第7世代Core搭載PCと昔のPCの性能を比べてみましたので、買い替え時の参考になれば幸いです。

 今回用意した第7世代Core搭載PCは、NEC<6701>パーソナルコンピュータの「LAVIE Note Standard NS550/FA」。Core i5-7200U(2コア/4スレッド)、メモリー4GB、1TB HDDを備える15.6インチフルHD液晶のA4ノートPCです。BDドライブを備える、いまどきのスタンダードなラインですね。

 比較PCとして用意したのは、第2世代CoreにあたるCore i5-2467M(2コア/4スレッド)、メモリー4GB、128GB SSD、13.3インチ液晶(1366×768ドット)を搭載する5年前のUltrabook。そして、第6世代Core(開発コードネーム:Skylake)にあたるCore i5-6200U、メモリー4GB、128GB SSD、13.3インチ液晶(2560×1440ドット)を備えるモバイルノートPCの2機種です。本当は第7世代Core搭載PCもモバイルタイプで用意したかったんですが、検証期間に間に合わず……でした。なので、今回はバッテリー駆動時間のもちなどそのへんは抜きにして、純粋なパワー勝負をご覧いただこうと思っております。

CPUの地力をCINEBENCH R15で比べる

7th Gen Core
3DCGレンダリングでCPUの地力性能を計測する、定番ベンチマークソフト「CINEBENCH R15」。

 まずはなにはともあれ、もはやCPUベンチマークの定番になっているCINEBENCH R15で比較してみました。世代をまたいだCore i5どうしの地力対決になります。

7th Gen Core
CINEBENCH R15の結果。テストは3回行ない、実行時の処理熱の影響を考え、なるべく時間を空けて測定した値での最高値を掲載しています。

 CPU使用率が100%になるマルチスレッドテストでは、第7世代Core搭載PCは第2世代Core搭載PCに対し、約86%増と倍近い差がつきました。いやはや時の流れとは恐ろしいものです。なお、第6世代Core搭載PCに対しては約14%増ですが、これは動作クロックの差でしょう。というのも、第7世代CoreのCPU部は第6世代Coreと同じプロセスルールで作られており、コア/スレッド数が同じなら仕様的な差はほぼないからです。

 PC自体の熱処理機構もやや影響していると思いますが、テスト中の温度モニター(「HWiNFO64」を使用)を見ていた限りでは、CINEBENCH R15の1回施行程度では動作クロックがガクッと落ちることはありませんでした。

 なお、シングルスレッドテストでも、第7世代Core搭載PCは第2世代Core搭載PCに対して約66%増、第6世代Core搭載PCに対しては約14%増と、堅調に優位性を見せています。

3DMarkで3D描画性能をテスト

7th Gen Core
3D描画性能計測の定番「3DMark」。負荷の異なるIce Storm Extreme、Cloud Gate、Sky Diverの3つをテスト。

 続いて、CPU内蔵GPUの3D描画性能を比べるため、3DMarkでテスト。第2世代Core搭載PCは熱処理に問題があるせいか、何回やってもCloud GateとSky Diverが回らなかったので、いまどきのPCではなかなかやらないIce Storm Extremeも施行しました。

7th Gen Core
3DMarkの結果。テストは3回行ない、実行時の処理熱の影響を考え、なるべく時間を空けて測定した値での最高値を掲載しています。

 各PCのCPU内蔵GPUを説明すると、第2世代CoreはEU数12基のIntel HD Graphics 3000(350MHz、最大1.15GHz)、第6世代CoreはEU数24基のIntel HD Graphics 520(300MHz、最大1GHz)、第7世代CoreはEU数24基のIntel HD Graphics 620(300MHz、最大1GHz)です。CPU内蔵GPUの性能はEU数がものを言うんですが、第7世代Core搭載PCはEU数半分の第2世代Core搭載PCに対し、約102%増の差をつけました。

 A4ノートPCで冷却効率が良い第7世代Core搭載PCは、テスト開始時からテスト終了時まで熱限界に達さずに完走。その結果、ポテンシャルがそこまで変わらない第6世代Core搭載PCに対し、最大で約36%増という結果になりました。第6世代Core搭載PCも第2世代Core搭載PCも、テストの途中で熱限界に達して、動作クロックが著しく下がる場面があったので、今回のテストではPC自体の熱処理機構の差が大きかったんですね。

 とはいえ、第6世代Core搭載PCでも第2世代Core搭載PCに、約48%増という差をつけているので、おそらく第7世代Coreを搭載するモバイルPCでもそのぐらいの差はつくはず。Ultrabookじゃ遊べなかったPCゲームでも第7世代Core搭載PCなら遊べるようになるかもしれませんね。

PCMark 8で総合性能をテスト

7th Gen Core
総合性能ベンチマークソフト「PCMark 8」。Home accelerated 3.0テストを実行。

 PCMark 8のHomeテストでは、主にCPU、GPU、ストレージの性能が試されますが、スコアーに大きく影響するのは中でもCPUとGPUです。では、早速結果を見てみましょう。

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PCMark 8の結果。テストは3回行ない、実行時の処理熱の影響を考え、なるべく時間を空けて測定した値での最高値を掲載しています。

 第7世代Core搭載PCは第2世代Core搭載PCに対しては約67%増、第6世代Core搭載PCに対しては約13%増でした。テストの詳細で“Casual Gaming”という項目があるんですが、第7世代Core搭載PCは26.6fpsと、ゲームの快適プレイ指標である30fpsには届かないものの、14.7fpsだった第2世代Core搭載PCと比べればはるかに性能が向上していました。

 なお、第6世代Core搭載PCは、3DMarkほど露骨ではありませんが、やはりCPU内蔵GPU使用時の熱問題が影響してスコアーを落としている感がありますね。

Zip圧縮・解凍の速度を比較

7th Gen Core
マルチスレッド処理に対応した高速圧縮・解凍ソフト「7-Zip」を使用。

 さて、ベンチマークソフトの結果が出揃ったところで、今度は日常的によくあるシチュエーションを想定したテストも行なおうと思い、Zipファイルの圧縮・解凍時間を比べてみました。

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7-Zipによる圧縮・解凍の結果。35枚のJPEG(合計113MB)を7zip形式で圧縮・解凍をそれぞれ3回行ない、最速値を掲載しています。

 このテストは特にどの機種も熱限界に達することなく、順当に性能差が出ました。特に圧縮作業はCPU使用率が100%に上がっていたので、CPUの地力の差が素直に出ています。圧縮ファイルの容量が大きくなれば、この差はさらに広がるはずです。ファイル圧縮は1回1回は短い作業ですが、積み重なれば結構時間がかかっているもの。コツコツと作業効率を高めて、余暇の時間を増やしたいという人は、少しでも高性能なCPUが載っているPCを使うことをお勧めします。

動画エンコード時間を比較

7th Gen Core
動画編集ソフト「TMPGEnc Video Mastering Works 6」を使用し、動画エンコードにかかった時間を比較。

 ここまでは第7世代Coreの動作クロックの高さが目立ったテストでしたが、第7世代Coreの魅力はそればかりじゃありません。第7世代Coreには、第6世代Coreにはなかった10bit H.265/HEVCのデコード/エンコード、VP9のデコードに対応といった動画処理に関する機能が追加されています。10bit H.265/HEVCもVP9も次世代の4K動画を見越したコーデックです。

 つまり、10bit H.265/HEVC対応動画編集ソフトならその出力作業にインテルの動画エンコード支援機能“クイック・シンク・ビデオ”が使えるし、対応再生プレーヤーなら10bit HEVCもVP9も再生支援が利き、低いCPU使用率で視聴できるということです。CPU使用率が低ければ余ったリソースで違う作業を並行で行なえるので、時間の節約になります。

 というわけで、早速10bit H.265/HEVC対応動画編集ソフトを探したんですが、そもそも対応ソフトが少なすぎてあまり一般的ではないことがわかりました。まあ、そもそもその形式で撮影できる映像機材がほとんどない感じなんですが……。そこで、今回は従来のH.264/MPEG-4 AVCで撮影した4K動画を10bitではないH.265/HEVCに変換し、動画容量を減らすという作業を想定したテストにしました。

7th Gen Core
TMPGEnc Video Mastering Works 6を使って、4KのH.264/MPEG-4 AVCの動画(再生時間:1分39秒)をH.265/HEVC(MP4、Level6.2)に変換したときの時間を計測。3回計測し、最速値を掲載しています。

 まずはクイック・シンク・ビデオ(Intel Media SDK Hardware)を使った場合で計測。第7世代Core搭載PCも第6世代Core搭載PCもH.265/HEVCのエンコード支援が利くので、3~4分で作業が終わりました。第7世代Core搭載PCのほうが15秒早く処理が終わってますが、この差はCPU動作クロックの差だと思われます。そして、もちろん再生時間の長い動画になればなるほどこの差は広がります。長めの動画を編集するときは少しでもCPU性能が高いほうを選んでおきたいですね。

 一方で、第2世代Core搭載PCは、H.265/HEVCのエンコード支援に対応していないのでそもそもIntel Media SDK Hardwareによるエンコードができませんでした。というわけで、エンコード支援が利かないx264でエンコードしてみると、1時間32分43秒もかかりました。再生時間1分39秒の動画でこのありさまなので、いかにエンコード支援が有用なのかおわかりいただけたかと思います。ちなみに、x264エンコードでも第7世代&第6世代Core搭載PCは30分台と超優秀です。

YouTube 4K(VP9)再生時のCPU使用率は?

7th Gen Core
YouTube 4K再生時のCPU使用率を監視しました。

 先ほどの続きですが、第7世代Coreの動画まわりの新機能でVP9のデコードというものがありました。聞きなれないコーデックだと思いますが、Googleが開発した動画圧縮コーデックで、身近なところだとYouTubeで用いられています。H.265/HEVCの対抗馬で、4K動画時代を見据えた形式です。このVP9のデコードに対応しているということは動画再生支援が働き、YouTube 4Kを見たときでもカクつくことなく、低いCPU使用率で視聴できるって寸法なのですが……、試してみた結果はこちら。

7th Gen Core
第7世代Core搭載PCのタスクマネジャー。YouTube動画の4K再生を終了した時点でのスクリーンショットなので、最後は4%と下がってますが、再生中は70~100%で推移してました。

 まずは、それぞれPC本体の液晶で再生させてみましたが、確かに第7世代Core搭載PCではドロップフレームが4107フレーム中78フレームと少なく、比較的なめらかに視聴できました。しかしながら、CPU使用率は70~100%と決して低めではありません。対する第6世代Core搭載PCのCPU使用率は90~100%、ドロップフレームは4149フレーム中1011枚と多く、視聴感はカクつきが目立ってました。また、第2世代Core搭載PCのCPU使用率は80~100%、4149フレーム中1137フレームドロップと傾向は第6世代Coreプロセッサー搭載PCに近い印象。

 また、HDMI出力で4K液晶をつないでドットバイドットの4K表示でも確認してみましたが、負荷はさらに増大し、第7世代Core搭載PCでCPU使用率は90~100%、ドロップフレームは4130フレーム中1137フレームに増えました。それでも、第6世代Core搭載PCの4140フレーム中1533フレームよりはまし、とは言えるんですが……、うーん、動画再生支援と言うにはかなり厳しい結果です。本来は、CPU使用率が20~30%まで落ちてドロップフレームがまったく出ない、というラインを超えてはじめて“動画再生支援”、のはず。

 念のため、ウェブブラウザーを変えても検証しましたが、一番動作が安定していたChromeでのテストがこんな感じなので、グラフィックドライバーのアップデートとか、ウェブブラウザー側の最適化という意味で「まだ時期尚早だったのかなー」というのが率直な感想です。もちろん、一口にYouTubeの4K動画といっても、さまざまなものがありますから一概には言えませんが、少なくとも僕が確認した範囲ではまだ発展途上な気がします。いや、確かに第2世代Core搭載PCと比べるとかなりスムーズなんですけどね。

PCは5年もてば引退勧告、第7世代Coreプロセッサー搭載PCに乗り換えよう

 まとめますと、第7世代Core搭載PCは第6世代Core搭載PCと比べれば、次世代コーデックへの対応と動作クロックの高さ、この2点がはっきりとした優位点です。しかし、パワーの差は1世代しか違わないので、買い替えが必要なレベルではありません。対して、第2世代Core搭載PCはパワーでも機能でも圧倒的な差がついておりました。また、第2世代Core搭載PCは5年前のPCということもあり、ストレージまわりもそろそろ動作が怪しい状態のモデルが多いのではないでしょうか。

 思い返せば、2011年に登場した第2世代Coreは数多くのUltrabookを生み出し、H.264/MPEG4-AVC対応のクイック・シンク・ビデオ機能など、モバイルノートPC業界に旋風を巻き起こしました。というのも、それまで動画編集などはデスクトップPCの専売特許で、ノートPCでできる作業と言えば、メール閲覧にウェブブラウジングといった軽負荷な作業が関の山。しかし、動画まわりの機能を進化したCPU内蔵GPUに肩代りさせ、ノートPC向けCPUの価値をぐんと引き上げたんですね。

 また、発表当時はなかなかH.264/MPEG4-AVCのクイック・シンク・ビデオ対応のソフトがなかったりと、テストに苦労した思い出があります。しかし、その後、対応ソフトが多数登場し、「一体今までのエンコードの苦労はなんだったんだ?」ってぐらい簡単にH.264/MPEG4-AVC動画を万人がサクッと扱えるようになりました。

 そう思うと、今回の10bit H.265/HEVCのデコード/エンコード、VP9のデコードもやや先走り感があるものの、今後5年は使うPCにとっては必須となる機能になるやもしれません。つまり、時代が次第に第7世代Coreプロセッサーに追いつくはずです。どんなに品質の良いPCでも5年も使えば、ガタがきて、サポートが切れ、時代に取り残されます。5年付き合った相棒が完全に息を引き取る前に、最新の第7世代Core搭載PCに乗り換えて、次の5年に備えてみてはいかがでしょう?

■関連サイト
インテル
121ware.com

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    最終更新: 10月21日(金)11時00分

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