日本企業の変革を象徴、世界最大規模の「Office 365」大型導入

アスキー 10月21日(金)10時00分配信
日本企業の変革を象徴、世界最大規模の「Office 365」大型導入

 日本の電機大手2社が、相次いでOffice 365の大型導入を発表した。

 富士通<6702>は、同社グループ16万人を対象に「Office 365」を導入。2017年3月にも、グローバルコミュニケーション基盤として活用する。これは、Office 365の導入としては世界最大規模だという。そして三菱電機<6503>では、Office 365を活用したグローバルIT基盤を2016年10月1日から稼働。2018年3月には、約14万人の社員を対象に全世界300拠点への導入を完了する計画だ。富士通<6702>に匹敵するような規模だ。

 両社に共通しているのは、統一したコミュニケーション基盤の導入によりグループ全体のコミュニケーションを活性化し、成長戦略を下支えする基盤に位置づけている点だ。

 富士通<6702>はこれまで、プライベートクラウドにより、グローバルコミュニケーション基盤を構築していたが、富士通<6702>のクラウド基盤を中核とするデジタルビジネスプラットフォームである「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc」と、マイクロソフトの統合型情報共有クラウドサービス「Office 365」、クラウド認証基盤「Azure Active Directory Premium 」を連携させ、マルチクラウド型に刷新する。

日本企業の変革を象徴、世界最大規模の「Office 365」大型導入
富士通<6702>のクラウド基盤を中核とするデジタルビジネスプラットフォームである「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc」と、マイクロソフトの統合型情報共有クラウドサービス「Office 365」、クラウド認証基盤「Azure Active Directory Premium 」を連携させ、マルチクラウド型に刷新する

 「Office 365の活用により、富士通<6702>は常に最新のコミュニケーションシステムのサービスが利用できるようになり、各部門の業務効率化や変化への対応力を備えたワークスタイルを実現できる。電話とネットワークの統合利用環境の実現のほか、社内向けSNSであるYammerの採用により、グローバル規模で部門間のコミュニケーション強化に加え、知の共有を一層促進でき、継続的な共創力強化を図れる」とする。

 また、Azure ADPの採用により、2000を超える他社クラウドサービスと連携。マルチクラウド環境でのシングルサインオンや多要素認証を実現するという。

 セキュリティ面でも強化を図る。機会学習を活用した高度なサイバー攻撃検知の実現とともに、富士通独自の手のひら静脈認証などの生体認証機能とを組み合わせ、高い利便性と堅牢なセキュリティを実現するという。

 富士通<6702>グローバルマーケティング部門長の阪井洋之執行役員常務は、「すでに全従業員の95%がウェブ会議を利用。年間130万回もの利用実績がある。また、社内SNSのコミュニティ数は3600件に達し、コミュニティの中から20件の特許出願が出ている」と、コミュニケーションの強化による成果を強調した。

日本企業の変革を象徴、世界最大規模の「Office 365」大型導入
すでに全従業員の95%がウェブ会議を利用。年間130万回もの利用実績がある
日本企業の変革を象徴、世界最大規模の「Office 365」大型導入
社内SNSのコミュニティ数は3600件に達し、コミュニティの中から20件の特許出願が出ている

 富士通<6702>は、マイクロソフト製品をベースとしたコミュニケーションシステム分野のソリューションを提供するベンダーとしては、国内トップの実績を持つ。現在、国内最大規模となる約120万人のユーザーをサポートしているという。今回の社内導入で得た知見やノウハウは、顧客へのワークスタイル変革を支援するソリューションに反映。富士通<6702>のFUJITSU Digital Transformation Centerと、日本マイクロソフトのマイクロソフトテクノロジーセンターを活用した導入促進に向けた連携を強化。Office 365とAzure ADPをベースとした新たなサービスビジネスによって、年間200件以上の商談を展開。2018年度までに年間500億円にまで拡大するという。

日本企業の変革を象徴、世界最大規模の「Office 365」大型導入
Office 365とAzure ADPをベースとした新たなサービスビジネスによって、年間200件以上の商談を展開。2018年度までに年間500億円にまで拡大するという

Office 365と独自プライベートクラウドを組み合わせたハイブリッドクラウド環境

 一方、三菱電機<6503>は、Office 365と、三菱電機独自のプライベートクラウド環境を組み合わせたハイブリッドクラウド環境を実現。効率的なコミュニケーションとセキュリティの強化を両立するという。

日本企業の変革を象徴、世界最大規模の「Office 365」大型導入
三菱電機<6503>は、Office 365と、三菱電機独自のプライベートクラウド環境を組み合わせたハイブリッドクラウド環境を実現

 2020年度に創立100周年を迎える三菱電機<6503>は、その時点の売上高5兆円以上、営業利益率8%以上を目指す長期経営計画を打ち出している。

日本企業の変革を象徴、世界最大規模の「Office 365」大型導入
2020年度に創立100周年を迎える三菱電機<6503>は、その時点の売上高5兆円以上、営業利益率8%以上を目指す長期経営計画を打ち出している

 その成長に向けたコミュニケーションプラットフォームが、Office 365を活用した「グローバルIT基盤」となる。

 グローバルIT基盤では、「サイバー攻撃対策の強化」「情報共有/コミュニケーションの効率化」「IT基盤提供の迅速化」の3点がポイントだ。

日本企業の変革を象徴、世界最大規模の「Office 365」大型導入
「サイバー攻撃対策の強化」「情報共有/コミュニケーションの効率化」「IT基盤提供の迅速化」の3点がポイント

 国内外300拠点で利用されている19万台の端末を一元管理。さらに、自動暗号化技術によって重要情報の管理を実施。Office 365の導入により、情報共有にはSharePoint、メールや予定表にはExchange、コミュニケーションにはSkype for Businessをそれぞれ採用。これらのコミュニケーション基盤に対して、三菱電機独自の機能として、上長承認機能やファイル持ち出し時のファイル暗号化機能などを実装。これをMicrosoft Azure上で稼働させるという。

日本企業の変革を象徴、世界最大規模の「Office 365」大型導入
国内外300拠点で利用されている19万台の端末を一元管理。さらに、自動暗号化技術によって重要情報の管理を実施

 「三菱電機<6503>グループでは、メールサーバーを工場ごとやグループ会社ごとに設置していたという背景もあり、高い水準でセキュリティレベルを保てていないという課題があった。また、異なるコミュニケーションシステムが導入されていたため、これが結果として部門間のコミュニケーションを阻害する要因になっていた。コミュニケーションツールの統一がコミュニケーションを活発することにつながるほか、Office 365の導入により、24時間365日のサービス提供、段階的な導入、コストダウン効果も期待できる」(三菱電機<6503> IT戦略室長の木槻純一執行役員)とする。

 さらに、今後の成長において重要な取り組みとなるグローバル展開の拡大においても、業務プロセスやシステムを定型化および標準化することで、初期投資を抑えながら、スケーラビリティの高いクラウドサービスを迅速に活用できるという。

日本の大手電機2社が示す、日本企業の変革

 両社がOffice 365をコミュニケーション基盤として採用した背景には、グローバルで標準化したクラウドサービスであること、セキュリティ対策に優れ、堅牢性が高いこと、そしてすでにOfficeを活用しており、数多くの社内資産があった点も見逃せない。

 しかし、SaaSであるOffice 365の場合、随時機能が強化されるため、それにあわせてシステムや運用も変化しなくてはならないという課題もある。また、これまでユーザー部門の要求を聞いて、細かく対応していたものが、今後はユーザー部門がOffice 365の基本機能にあわせて業務を行なう必要もある。いわば、情報システム部門だけでなく、ユーザー部門にも意識の変化を促すものになる。

 日本で相次いで大型導入が決定したOffice 365だが、これまで独自機能を搭載し、それぞれの企業に最適化したカスタマイズを行なってきた日本の大手電機2社が、Office 365を選択し、それをコミュニケーシヨン基盤として世界最大規模で導入するというのは、日本企業の変革を象徴するものだといっていい。その成果が注目される。


アスキー
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    最終更新: 10月21日(金)10時00分

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