ジャスティン・リン監督インタビュー、スター・トレックとワイルド・スピードのDNAは同じ

アスキー 2016年10月24日(月)17時00分配信
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ジャスティン・リン監督にインタビュー!

 10月21日に、「スター・トレック BEYOND」(IMAX 3D、DIGITAL 3D、2D)が全国公開となった。スター・トレック BEYONDは、人気SFシリーズ「スター・トレック」をJ.J. エイブラムス監督がリブートしたスター・トレック新シリーズの3作目。本作では、J.Jエイブラムス監督はプロデューサーを務め、新たに「ワイルド・スピード」シリーズのジャスティン・リン監督がメガホンをとった。脚本は、スコッティ役として本作にも登場するサイモン・ペッグさんとタグ・ユング氏が務める。

 前作「スター・トレック イントゥ・ダークネス」に出演したクリス・パインさん、ザカリ ー・クイントさん、ゾーイ・サルダナさん、カール・アーバンさん、アントン・イェルチンさんなどおなじみのメンバーが再集結するほか、イドリス・エルバさんやソフィア<6942>・ブテラさんなどが新キャストとして登場する。

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スター・トレック BEYOND

 本作では、エンタープライズ号のクルーが宇宙の最果にある未知の領域を探索し、そこで彼らや惑星連邦の存在意義の真価を問う新たな謎の敵と遭遇する。ジャスティン・リン監督によるスピード感あふれる映像と、監督、脚本などスター・トレックを愛する制作陣が手掛ける新たな物語は、トレッキーもそうでない人も要注目な作品だ。

 そして今回、ジャスティン・リン監督に直接インタビューすることができた。インタビューでは、ジャスティン・リン監督に本作についてやスター・トレックとの出会いなど、いろいろ話を聞くことができた。

スター・トレックは、家族と過ごす大事な時間

ーー本編の話を伺う前に、監督とスター・トレックとの出会いについて教えてください。

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ジャスティン・リン監督(以下、リン監督):私が8歳のころに両親と移民したのですが、そのころスター・トレックは21時から再放送されていました。遅い時間でしたが両親を説得して観ていました。繰り返し再放送されていたので、10年間ずっと観ていたんです。スター・トレックを観る時間は、家族との時間の1つでした。

ーースター・トレックを観る時間は大切な時間だったんですね。

リン監督:移民したときに、世界を半分わたってアメリカに移り住んだのですが、家族5人しかいなかったので、怖いという気持ちがありました。スター・トレックを観ていると、この自分たちの旅を思い出させたんです。そして、家族というのは血のつながりではなく、同じ旅を共にすることで家族になるということをスター・トレックから教わりました。なので、私には7歳の息子がいるんですけど、彼にとって私の友達はいいおじさんおばさんになっています。

ーースター・トレックの世界と自分の世界が重なってみえたんですね。

リン監督:彼らの場合は宇宙ですけど、私にとっては英語を学んだり、アメリカの文化に親しんだりと探検という感覚がありました。そういう意味で私とスター・トレックの世界は平行していた気がします。

スター・トレックのリブートは不可能だと思っていた

ーーそんな昔からファンだったスター・トレックの映画のメガホンを取ることが決まったとき、どんな気持ちでしたか?

リン監督:まったく予想していなかったのでショックでした。実はほかの映画の準備をしているときにJ.J.から電話をもらったので、3日間ほど悩みました。J.J.がスター・トレックをリブートするということを聞いたときに不可能だろうと思っていたんですが、彼は新しいキャストであたらしい時系列を使って見事にやってのけました。そういう映画からオファーをもらったということで光栄に思ったし、すごく責任も感じたんですね。それでもやってみようと思ったのは個人的な選択だったと思います。

ーー個人的な選択とは、スター・トレックへの愛ということでしょうか。

リン監督:そうですね。今回、物理的に作るということに関して非常に短い期間でしたので大変なチャレンジだったんです。というのも、電話を受けた時には全くアイディアがない状態で、18ヵ月以内に仕上げないといけないという、この規模の映画では今までなかった(製作期間の)短さだったんです。

 (スター・トレックへの)情熱がないと完成しなかったと思っています。でも、面白くもありました。毎日映画の中で生きているという感じで、今になってみるといい思い出ですが、情熱がなければ乗り越えられなかったチャレンジだったと思います。加えて、50周年ということでファンと一緒に分かち合いたいという気持ちもあったので、大変でした。

ーースター・トレックという作品は多くのファンがいますが、観たことない人もいると思います。本作を作るうえでファンとそうでない人のバランスは考えられましたか?

リン監督:スター・トレックは、50年続いているシリーズなので、そこにあるエッセンスというものは、『共通した体験を共有する』とか『探検の感覚がある』ということだと思っています。でも、ただそれを繰り返しているとつまらないので、前進して新しいことをつき進めていくということも出したいと思いました。前進して新しいものを求めつつも、スター・トレックのエッセンスである『同じ経験をしてそれを大切にする』というところも大事にしたかったんです。

 なので、ファンにとっては何か新しいものを観せたいと思いましたし、本作でスター・トレックの世界を体感し、面白いと感じてくれた人には、50年分さかのぼってさらに楽しんでもらいたいという思いでつくりました。

ーーストーリーはどのように考えられたのですか?

リン監督:もともとアイディアしかなくストーリーはなかったんです。私のアイディアは、50年分の蓄積がある当たり前とされていたもの、例えば連邦軍というアイディアや哲学などをバラバラにするということだったんですね。エンタープライズも文字通りバラバラになりますし。そしてそれを最後に再構築するということを試したかったんです。そういうことをするには、偉大な人々と情熱を持った人々が必要でした。

 また今回は、映画の準備をしながら脚本をつくっていくという普通ではない作り方だったんです。非常に大変なチャレンジだったので、そのチャレンジに対する不平不満を言うのではなく、エネルギーにかえて障害を克服しようと考えていました。

現場の雰囲気はインディー映画の撮影時のようだった

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ーー現場の雰囲気はどんな感じでしたか?

リン監督:私にとってはすごく大好きな雰囲気でした。キャストの人は前作も経験されている人が多く、私が新たに参加した形だったのですが、クルーの中には私が長く知っている人もいました。キャストにしてもクルーにしても背景はバラバラなんですが、控えているチャレンジは同じという意識はあったと思います。意見が違うことがたびたびありましたが、それはみな映画への愛と情熱から出たものであって、意見が違うなかでやりとりをすることで短期間でお互いのことを知り、信頼が築かれていったと思います。

 ワイルド・スピードに関しては8年間やっていたので、本当の家族みたいな感じですが、今回は短期間でエネルギー的には(ワイルド・スピードとは)違う感じでしたね。今回、私が昔作っていたインディー映画を思い出したんです。普通これくらいの大作だと不必要なエゴが介在してきたりすることもあるのですが、今回はまったくそれがなく、みんな愛と情熱をもって作り上げていきました。とても貴重な現場だったと思っています。

ーーなんだか現場がスター・トレックのエンタープライズの中みたいな雰囲気だったんですね。

リン監督:そうですね(笑)。大変な現場ではあったのですが、毎日セットにキャストの人たちが出てきて、誰かが歌っていたり、からかっていたりして、本当に兄弟みたいな感じでしたよ。クリスもジョンも映画にとって何が大事かを考えて行動していたように感じました。とてもいい関係だったと思います。

スター・トレック BEYONDワイルド・スピードのDNAは共通

ーーでは、映画を楽しみにしているトレッキーたちにメッセージをお願いします。

リン監督:今回の作品は、これまでなされてきたスター・トレックに敬意を払いつつ、映画のミッションとして常にあたらしい世界に乗り込んでいくチャレンジがありました。私はそのチャレンジに飛び込んでいったのを誇りに思っていますし、自分のことを昔ながらのスター・トレックファンだと思っているので、そういうところも楽しんでもらえると思います。

ーーまだスター・トレックの世界を知らない人へメッセージをお願いします。

リン監督:世の中のニュースを見ると、あまりいいニュースがないと思います。スター・トレックが教えてくれるのは、人間1人は不完全だけど、集まると力強いものであるし、希望が生まれます。希望というのが、人類にとってとても必要なものだと思います。そういう意味で、あまりいいニュースがない今非常にタイムリーな映画がと思っています。

 でも、単に楽しむだけでもいいと思います。サイモンたちと考えて色々なものが組み込まれているので、その部分も楽しんでもらえればと思います。また、映画を楽しんでもらえたら、そこから50年分さかのぼってスター・トレックの世界を楽しんでほしいです。

ーー最後に、ジャスティン・リン監督のファン、ワイルド・スピードのファンに向けてメッセージをお願いします。

リン監督:ワイルド・スピードを観てない人にとって、ワイルド・スピードはカッコいい人たちがカッコいい車に乗っているだけの映画にみえるかもしれませんが、実は、キャラクターが一番の魅力なんです。キャラクターの魅力があるからこそ、観ている人が感情的なつながりを感じてくれると思うんです。今考えると、自分がスター・トレックから学んだキャラクター間の共通した経験や家族的な絆という要素を、ワイルド・スピードに盛り込んだんだなと思っています。

 なので、本作とワイルド・スピードはDNAが共通していると思います。ワイルド・スピードを楽しんでくれた方は、そういう意味でも楽しんでもらえると思います。また、ワイルド・スピードとは違った宇宙でのアクションシーンも存分に楽しんでもらいたいです。

ーーありがとうございました

作品情報
タイトル:スター・トレック BEYOND
公開日:10月21日(金)
時間:123分
配給:東和ピクチャーズ

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アスキー
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    最終更新: 2016年10月24日(月)17時00分

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