「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーの財布をこじ開けるか?

アスキー 10月25日(火)22時00分配信

 10月18日、NVIDIAはPascal世代のエントリーミドルGPU「GeForce GTX 1050」(以下、GTX 1050」およびその上位モデル「GeForce GTX 1050Ti」(以下、GTX 1050Ti)を発表。10月25日22時よりGTX 1050Tiの販売が開始された。

 ちなみにGTX 1050は微妙に出足が遅く、発売は25日以降、11月8日までに順次発売されるとのことだ。

「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーの財布をこじ開けるか?
GeForce GTX 1050TiとGeForce GTX 1050

 GTX 1050/1050Ti登場の背景として、ここ数年でPC向けゲームの開発数の伸びと、PC用ゲームの重量化が加速しつつある点をNVIDIAがあげている。

 先代のミドルレンジGPU「GeForce GTX 950」は、eスポーツゲーマーの買い替えを喚起しようとした製品だったが、今回のGTX 1050/1050TiはそれをPCゲーマー全体に拡大しようという製品なのだ。

 スペックは後で解説するが、どちらのGPUも補助電源なしで動かせるよう設計されており、PCに詳しくないユーザーであってもカードを交換しドライバーを導入するだけでゲーム環境を一新させることができるのだ。

Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
PC向けゲームの開発数は2014年ごろから急増しており、現在は家庭用ゲーム機の開発規模をはるかに超えている
Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
“トゥームレイダー”“GTA”“ウイッチャー”の過去作において、60fpsを得るために必要なマシンパワー比を示したもの。GTAVあたりを境に、ゲームの重量化が急激に加速した
Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
補助電源なしのGTX 1050/GTX 1050Tiなら、既存のシステムにカードを差し、GeForce Experienceで最新ドライバーに更新するだけで、ゲームが一気に快適になる! という図。NVIDIAは基本的にショート基板を想定しているらしい
Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
NVIDIAはGTX 1050の性能をGTX 650の約3倍、GTX 750Tiの約2倍であるとアピール。後ほどこの評価が適切であるか否かじっくり検証したい

 北米での希望小売価格はGTX 1050TiのOCモデルが139.99ドル、GTX 1050のOCモデルが109.99モデルとなるが、これは1世代前のエントリーミドル「GTX 950」が約159ドルだったことを考えると、かなり大胆に値下げをした感がある。

 すでにライバルのAMDは、NVIDIAに先んじてエントリーミドル~ミドルレンジの掘り起こしを Radeon RX 460/470/480で行ない、市場からも良好な反応を得ている。GTX 1050/1050Tiの価格が下がったのは低予算ゲーマーへのアピールを余儀なくされた結果と考えられる。

 日本国内での正確な価格情報は本稿執筆時点では入手できていないが、噂ではGTX 1050が税抜1万5000円前後、GTX 1050Tiが税抜2万円前後と、非常に手の出しやすい価格帯に落ち着く見込みだ。

 今回はGTX 1050および1050Tiの実際の製品をテストする機会に恵まれた(GTX 1060までのようにFounders Editionは存在しない)。新しき低価格ミドルレンジGPUは、最新ゲームにどの程度立ち向かえるのか? そして低予算ゲーマーの財布をこじ開ける実力はあるのか? ベンチマークを通じて検証してみたい。

「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーの財布をこじ開けるか?
今回入手したGTX 1050/1050Tiカード達。上2枚がZOTAC製GTX 1050およびGTX 1050Ti(いずれも非OC版)、下がMSI製のOC版GTX 1050Ti

GTX 950をPascal化してテコ入れ

 ではGTX 1050/1050Tiのスペックを確認しよう。コア名はGP107となっており、1つ上のGTX 1060とはアーキテクチャーは一緒でも系統的に別モノ。最初からエントリーミドル向けに設計されたものであることを示している。

Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?

 注目すべきポイントはTDPがPCI Expressスロットからの給電だけで賄える75Wに抑えてあるため、補助電源コネクターが不要という点(ただOC版は補助電源を持つものもある)。

 またCUDAコア数などのスペック周りは、GTX 950によく似ているが、クロックが若干早くなっている。GTX 1060~1080に比べ、クロックの攻め方がえらく控えめとはいえ、スペックをアップして消費電力が減っているからこそTDPは75Wなわけで、このあたりはさすがPascalと言うべきだろう。

 ただPascal世代ということは、同時マルチプロジェクションやシングルパスステレオ、レンズマッチドシェーディングといったVR向けの機能を備ているが、スペック的にGTX 1050/1050TiはVR向けとは言い難い。あくまで従来型のPCゲームを快適にするための製品、と考えるべきだろう。

 それでは以下に、今回入手したZOTAC/MSI製カードを簡単に紹介するとしよう。

「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーの財布をこじ開けるか?
「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーの財布をこじ開けるか?
ZOTAC「ZT-P10510A-10L」(GeForce GTX 1050Ti)。GeForce GTX 1050搭載の「ZT-P10500A-10L」も、見た目は同じだ

 ZOTACからはリファレンス仕様のGTX 1050およびGTX 1050Tiカードをお借りできた。リファレンス仕様ということはどちらも補助電源なし、かつショート基板の扱いやすい構成。IOパネル側のブラケットは1スロット仕様だが、クーラー自体は2スロット厚な点に注意だ。

「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーの財布をこじ開けるか?
補助電源のパターンは残されているが、電源コネクタはない
Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
GTX 1050版(左)、GTX 1050Ti版(右)の情報を「GPU-Z」でチェックしてみた
Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーの財布をこじ開けるか?
「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーの財布をこじ開けるか?
MSI「GeForce GTX 1050Ti GAMING X 4G」(GeForce GTX 1050Ti)

 MSIからはGTX 1050TiのOC版をお借りした。デフォルト時のGaming Modeにおけるブーストクロックは1417MHz(127MHz増し)となっている。電力供給を安定させるため本製品は補助電源が搭載されているが、6ピン1系統で済むため(ビデオカードの交換・増設経験があれば)扱いやすさはさほど悪化していない。

「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーの財布をこじ開けるか?
MSI「GeForce GTX 1050Ti GAMING X 4G」には6ピンの補助電源が装備されている

 低温時はファンが停止する準ファンレス仕様の高性能クーラーを搭載しているため、小さくても冷却にこだわりたいユーザー向けの製品といえる。

Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
「GPU-Z」による情報表示
「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーの財布をこじ開けるか?
GTX 1050/1050Tiのディスプレー出力はDVI/HDMI/Displayportの3系統が標準になった(左ZOTAC/中MSI)。最近流行りのリフレッシュレート165Hz以上のゲーミング液晶を使うにはDisplayPortがないと詰むがGTX 750Tiリファレンス(右)だとDisplayPortはオプション扱い。こういう規格の底上げは非常にうれしい

検証環境は?

 では今回のベンチマーク環境を紹介しよう。旧世代のお買い得ミドルレンジを中心にそえた。GTX 950とGTX 750Tiは補助電源なしモデルをチョイスしたので、各世代における補助電源なしモデルの実力を比較したい。

 ただ時間の制約から、かつての2万円台ミドルレンジの王者GTX 960が確保できなかった点はご容赦いただきたい。

 今回は1ランク上のGTX 1060とどの程度性能が開いているかを観察したかったので、より安価なVRAM 3GB版を準備した。予算2万8000円前後のGTX 1060 3GB版にするか、2万円強のGTX 1050Tiにするか悩んだ時は、これ以降で紹介するベンチ結果を見て判断してほしい。

一部予想を上回る結果も出現

 それでは定番「3DMark」のスコアー比較から始めよう。テストは“Time Spy”“Fire Strike”“Fire Strike Ultra”の3種類を使用する。GTX 650の3倍、GTX 750Tiの2倍というNVIDIAの主張は本当なのだろうか?

Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
「3DMark」のスコアー

 まずGTX 1050がGTX 650の3倍という点は確認できた。GTX 750Ti比2倍は外れたが、それほど大きく外れていない。また1世代前の補助電源なしモデルGTX 950に対してもGTX 1050はアドバンテージを確保できているが、スコアー上では1割増にも満たない。

 GTX 650や750Tiといった旧世代ミドルからの乗り換えにはGTX 1050は十分なパワーを提供してくれるが、GTX 760や950といった直近の人気ミドルから乗り換えは、GTX 1050Tiでもやや微妙なところだ。

 GTX 760/950から卒業したいならVR対応というPascalの一番美味しい部分が味わえるGTX 1060より上のGPUをターゲットにすべきだろう。

 とはいえ、補助電源の不要なGPUとして、GTX 1050Tiはまた最速記録を塗り替えてしまったわけで、これは即ちPascalアーキテクチャーの凄さである、といって良いだろう。

 ただしGTX 1060と比較すると、CUDAコア数が少なく性能が抑え気味のVRAM 3GBですら、GTX 1050/1050Tiのほぼ2倍のスコアーを出している。

 1世代前のGTX 970と960の関係が、GTX 10シリーズではGTX 1060とGTX 1050で再現されたというべきだろう(と、こう書いた時点でどういうゲーマーがGTX 1050/1050Tiを買うべきか、結論に書くべき答えがわかってしまうのだが……)。

 ではここで消費電力を比較してみる。ラトックシステムの電力計「REX-BTWATTCH1」を使用し、システム起動10分後を“アイドル時”、3DMark“Time Spy”デモ中の最大値を“高負荷時”としている。

Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
システム全体の消費電力

 まず注目したいのは3DMarkのスコアーではGTX 950の3割以上上回るにもかかわらず、消費電力はGTX 950のほうが高いこと。

 次にKepler世代の人気ミドルGTX 760とGTX 1050TiのOCモデルに至っては、高負荷時の消費電力が50Wも少ないGTX 1050Tiが、スコアーでGTX 760を圧倒している。Pascalの地力の凄さが再確認できた。

実ゲームでも傾向はほぼ同じ

 では実ゲームを利用したベンチマークに入る。今回は検証期間が非常に限られていたため、計測・集計に手がかかるDirectX12やVulkanは基本的に使用しない方針で実施した。ただし解像度はフルHD(1920×1080)、WQHD(2560×1440)、4K(3840×2160)の3通りで実施した。

 まず最初は「Rise of the Tomb Raider」のDirectX12モードを使う。このゲームはベンチマーク機能が搭載されているうえに、描画負荷が非常に高いためGPUの馬力を見るには最適なのだ。

 画質はプリセットの“FXAA”に、アンチエイリアスは“FXAA”を組み合わせている。内蔵ベンチマークで計測できる3つのシーンの最後に再生される“地熱谷”のフレームレートを比較する。

Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
「Rise of the Tomb Raider」DX12モード、1920×1080ドット時のフレームレート
Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
「Rise of the Tomb Raider」DX12モード、2560×1440ドット時のフレームレート
Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
「Rise of the Tomb Raider」DX12モード、3840×2160ドット時のフレームレート

 このゲームの負荷の前では、いろいろとスケールダウンされたGTX 1050で最高画質で遊ぶのは難しい。最低でも2~3段下げは必要だろう。

 GTX 1050Tiでようやく平均30fps出るが、最低fpsが20fps台に落ち込むためカクつきが酷い。重量級ゲームをフルHD&高画質で楽しむためには、GTX 1060より上を狙うべきなのだ。

 では発売されたばかりの話題作「Battlefield 1」はどうだろうか? 最新ゲームのわりには推奨GPUはGTX 660と、比較的GPUハードルの低いゲームに仕上がっている。

 テストはDirectX11モード、画質はプリセットの“最高”、スケーリングは100%(つまりドット等倍)に設定。キャンペーン「OVER THE TOP」開始時点からおよそ3分間のフレームレートを「Fraps」で計測した。

Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
「Battlefield 1」DX11モード、1920×1080ドット時のフレームレート
Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
「Battlefield 1」DX11モード、2560×1440ドット時のフレームレート
Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
「Battlefield 1」DX11モード、3840×2160ドット時のフレームレート

 RoTTRとうってかわって、GTX 1050TiであればフルHD&最高画質設定で平均60fps前後出せる。設定を一部落としたり、DirectX12で描画させるなどの工夫を施せば、もう少しフレームレートを押し上げられるだろう(テストはベータ版ドライバーを使用したため、今後の熟成でもっと性能が出る可能性もある)。

 ただマルチプレーでエフェクトが飛び交うようなシーンではもう少しフレームレートが落ちる可能性もある。

 GTX 1050は1050Tiよりもやや劣るものの、こちらも補助電源なし&予想価格で1万円台中後半のGPUとしては非常によい性能を発揮できている。GTX 650に対しては3倍以上、GTX 750Tiに対しては1.6倍という結果も、3DMarkのスコアー比に傾向が似ている。

 BF1で中~やや重めのゲームでの傾向が見えてきたので、似た重さのゲームではどうなのか検証してみよう。まずは超人気作「Overwatch」を使用する。

 画質はプリセットの“エピック”、さらにレンダー・スケールを100%、テクスチャー品質を“高”(この2設定はGPUにより初期設定値が変わるため)に設定した。マップ“King's Low”でのカスタムゲーム中におけるフレームレートを「Fraps」で計測した。

Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
「Overwatch」1920×1080ドット時のフレームレート
Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
「Overwatch」2560×1440ドット時のフレームレート
Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
「Overwatch」3840×2160ドット時のフレームレート

 乱戦になることの多いテストであるためか、最低fpsはBF1よりも辛い結果になっているが、平均fpsの傾向はBF1とほぼ同じ。GTX 750TiでもなんとかフルHDならエピック画質プレーは可能だが、GTX 1050ならほぼ1.6倍のフレームレートが出せるという点まで似ているから驚きだ。

 今回は解像度を3通りで試してみたが、最高品質を目指すなら解像度の上限はフルHDまで、解像度を上げるには画質の犠牲が必須というエントリーミドルの宿命というべきパフォーマンス推移もみてとれる。

 最後にOpenGL版「DOOM」で検証する。画質はプリセット“ウルトラ”に異方性フィルタリング16xを追加している。キャンペーンマップ「ファウンドリー」移動時におけるフレームレートを「Fraps」で計測した。

Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
「DOOM」OpenGLモード、1920×1080ドット時のフレームレート
Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
「DOOM」OpenGLモード、2560×1440ドット時のフレームレート
Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
「DOOM」OpenGLモード、3840×2160ドット時のフレームレート

 BF1やOverWatchよりもフレームレートが高めに出た。GTX 1050Tiなら余裕どころか、WQHDでのプレーも見えてくる程度、GTX 1050でも平均60fpsに近い性能が出ている。

 ただこのゲームの場合、GTX 750Tiもそこそこのフレームレートを出しているため、GTX 1050のアドバンテージは相対的に低くなってしまっている。

 今回は締め切りの関係から旧機種との比較はできなかったが、今回入手したGTX 1050/1050Tiカード3枚が「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド」公式ベンチでどの程度のスコアーを出せるかもチェックしてみた。画質は“最高品質”、解像度はフルHDとWQHDのみで計測している。

Pascal版エントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーに何をもたらすのか?
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド」公式ベンチマーク、DX11モードのスコアー

「補助電源なしなら最速」がもたらす意味

 以上、大急ぎでGTX 1050/1050Tiをテストしたが、今回の結果は見る者によって2つの印象に分かれるはずだ。ビデオカードの変遷、特にFermi&KeplerといったワットパフォーマンスがイマイチなGeForceを見てきた者にとって、Pascalアーキテクチャーの優秀さと、補助電源なしで動くGPUがさらに進歩したことに感銘を覚えるだろう。

 しかしスペックの話に疎いユーザー、特に補助電源って何? というレベルのユーザーから見ればGTX 950と大差ないという印象のほうが強い。過去のGPUよりも速いことは確かだが、これが補助電源なしで達成できる凄さに気づけない。

「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーの財布をこじ開けるか?
GTX 1050/1050Tiは、補助電源なしでGTX 950と大差ない性能。これをどう捉えるかはユーザーによって変わるはずだ

 なぜこんなことを書くかといえば、現在2万円ちょっと出せば、Radeon RX 470の低価格モデルが射程に入るからだ。

 RX 470は先日値下げが発表されたが、これが国内価格に反映されれば価格で競合するGTX 1050Tiはさらに苦境に立たされる。とりわけ今回試した補助電源が必須のGTX 1050Tiカードの中途半端さが際だってしまう。

 だがBF1クラスのビッグタイトルがフルHDの高~やや高画質で遊べて、補助電源なしで動くというのはPCハードの扱いに詳しくないゲーマーにとっては朗報であることも確か。NVIDIAが訴えるように、既存のシステムにポン付けで性能が上がる、というのは非常に大きい。

 となればGTX 1050/1050Tiが戦いを挑んでいるのはRX 460や470ではなく、NVIDIAの過去の亡霊(GTX 500~700番台の低価格ミドル)と、CPU内蔵GPUなのだ。

 補助電源なしに食いつく層は、黙っていてもGTX 1050/1050Tiを買い求める(ライバルの補助電源不要なGPUはぐっと性能が落ちるからだ)。

 NVIDIAがエントリーミドル層の需要を掘り起こすには、新しいアピール方法が必要なのではなかろうか。

アスキー
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    最終更新: 10月25日(火)22時00分

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