Core m版スティックPCをファンレス運用! アイドル時でも不安になる熱さ

アスキー 2016年10月26日(水)12時00分配信

 第3回は、Core m版スティックPCこと、「STK2M364CC」(Core m3-6Y30搭載)の基本情報を収集していく。また、各種ベンチマークなども計測している。

 もちろん、油没するための基本的なデータ取りがてら、空冷でどうなるかを見ることが第一目的だ。油没にトライしないにしても、空冷でどこまで使えるのかという情報はあったほうがいい。

Core M版スティックPC油没-【調査編】アイドルでも不安になる熱さ
「STK2M364CC」。パッケージがCPUパッケージに近い大きさになっている

手のひらサイズはそのままでスペックアップ

 Compute Stickの冠を捨てていないため、第1世代同様にちゃんとスティック形状で、かつスティックサイズをキープしている。

 サイズは38mm×114mm×12mmで、少しだけ大型化しているが、搭載するSoCはTDP4.5WのCore m3-6Y30(2コア4スレッド)になるため、冷却を考えると致し方ないところだろうか。

 そのほかのスペックを見てみると、メモリー4GB(DDR3 1866MHz)、SSD 64GB、GPUはIntel HD Graphics 515。ワイヤレスはIEEE 802.acとBluetooth 4.2。

 インターフェースには、USB 3.0×1、microSDカードスロット、USB Type-C×1となっており、USB Type-Cは電源を兼ねつつ、ACアダプター側にあるUSB 3.0×2も使用可能になるため、油没の際に必要なケーブルを1本減らせる点がステキだ。なお、電源供給の規格「USB PD」には非対応だ。

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本体正面。ファン×1を備えている
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本体裏面
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本体左側面。電源ボタンとUSB 3.0×1。デフォルトの設定では、USB Type-Cケーブル接続で、自動的に電源が入る
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左側面。USB Type-C×1、microSDカードスロット
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ACアダプター。USB 3.0×2を備えているところがステキ

 さて、Core m3-6Y30を搭載したモデルは、Surface Pro 4やLet's note RZ5、dynabook RX82、HP Elite x2 1012 G1、MateBook、MacBookなど、多く登場している。

 いずれもヘヴィな作業には向かないが、通常作業であれば、ほぼこなしてくれるため、STK2M364CCにも期待が持てる。とはいえ、ノートPCに採用されるSoCを十分に冷やせているのか、真っ先に気になって部分だと思うが、OCCT 4.4.2読みでアイドル57度付近だった。精神的にあまりよろしくない温度だが、極省スペースPCとしてはがんばっている。

Core M版スティックPC油没-【調査編】アイドルでも不安になる熱さ
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サーモグラフィー「FLIR One」で計測してみたもの。OCCT 4.4.2実行中のものになるが、アイドルもたいして変わりない

 アイドルの温度からすると、ユーザー側から関与できないレベルのSoC管理が気になったので、段階的に負荷をかけつつ、途中にファンで冷却を挟んでみたところ、次のような振るまいを確認できた。

 しきい値を超えるとほぼ2コア状態にして乗り切ろうとする動きがおもしろく、後述するベンチマークでは、とくに冷却していない状態のほうがスコアは高い結果になっている。

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上記を踏まえて、グラフで見てみよう。1208MHz前後にあるときはファンを当てている状態で、10~15分間はファンを止めていた。また後半でも同様に、短時間のクロックアップが起きているが、このときも2分ほどファンを止めてみたときの変化だ
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温度変化も見てみると、SoCの挙動が変更するタイミングが分かる
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分解せずにファンを当てるだけでも、冷却効果は得られる

ガワを剥いて
基板だけにしてみよう

 STK2M364CCは第1世代スティックPCに比べると、分解は面倒になっているがカンタンな部類といえる。まず、背面のシールを剥がすとネジ×1が見えるので、それを外し、ツメを探りつつ進めていく。ファンのケーブル長が短いため、勢いよくカバーを取ると、断線するので気をつけたい。

 基板のケースは3ヵ所のネジで固定されているので、それを外せば、あとは基板を引き抜くだけ。第1世代スティックPCを分解したことがあるのなら、まず苦戦しないレベルだ。

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底面のシールをめくると、ネジを確認できる
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あちこちにツメがあるので、ドライバーなどでこじ開けよう
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ファンの電源ケーブルが短い
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ヒートシンクはほぼ一体型を採用している
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裏面を見ると、インテル製の無線LANユニットも確認できる

 基板だけにした状態でファンを当てれば、さらに冷えるというのは正しいが、厳密にはそうではなかった。SoCとヒートシンクの密着度は基板だけの状態だと中途半端になってしまうからだ。

 ケースに基板をセットして、フタをするとガッツリ密着する作りのようで、温度検証中にヒートシンクを押さえると一気にSoC温度が低下するシーンを確認できてきる。このあたりの設計は、なかなかおもしろい。

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この状態でもケースがある状態よりも冷えた
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写真のようにギュッと押さえると、より温度は低下した
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ということで、ヒートシンクを装着して冷却性能をアップしたい場合は、写真のように釣り糸か、結束バンドで固定したほうがいい
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余っていた小型ヒートシンクをすべて取り付けてみた
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側面から見ると、イカツイ

 さて、上記写真のようにヒートシンクだらけにしてみた場合、ファンレスでの温度はどうなるかというと、アイドルは50度付近にまで下がったが、高い負荷時は、68度付近まで上昇と工場出荷時の状態と大差ナシだった。

 ただファンを当てた場合は、40度前後にまでダウンといい効果を確認できたため、分解してヒートシンクを取り付けて使用する場合にもファンは必須だ。

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前半はファンレス状態、後半はファンを当てている状態

Core m3-6Y30のベンチマーク

 ベンチマークを見ていこう。「ドラゴンクエストXベンチマーク」「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」を採用し、それぞれファンの有り無しで計測した。

 いずれもそこそこ動く結果で、ウェブブラウズなどは、Core m3-6Y30搭載ノートPCと同じく快適である。ファンレスのほうがスコアは高いのだが、劇的な差ではないため、検討要素に入れる必要はないだろう。

Core M版スティックPC油没-【調査編】アイドルでも不安になる熱さ
ファンレス状態の「ドラゴンクエストXベンチマーク」途中
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ファンを当てた状態の「ドラゴンクエストXベンチマーク」途中。ファンレス状態よりもスコアが落ちているほか、CPU使用状況の違いも分かる
Core M版スティックPC油没-【調査編】アイドルでも不安になる熱さ
ファンレス時の「ドラゴンクエストXベンチマーク」の結果。設定は、標準品質/1280×720ドット/ウィンドウモード
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ファンを当てた状態の「ドラゴンクエストXベンチマーク」の結果。設定は、標準品質/1280×720ドット/ウィンドウモード
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ファンレス時の「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の結果。設定は、標準品質(ノートPC)/1280×720ドット/フルスクリーン/DirectX 9
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ファンを当てた状態の「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の結果。設定は、標準品質(ノートPC)/1280×720ドット/フルスクリーン/DirectX 9
Core M版スティックPC油没-【調査編】アイドルでも不安になる熱さ
CrystalDiskMark 5.1.2の結果。これは状況によるスコア変化は見受けられなかった

 というように、ファンレス状態のほうがスコアが高くなる傾向がベンチマークでよく出ている。上記のように大きな差ではないため、精神衛生を考えるとギュンギュン冷やしたほうがいいだろう。

 今回のようにヒートシンクを取り付けた場合、12cmファンを低速回転させておくだけでも十分に温度は低下するため、騒音についてもクリアしやすい。

そのままでもいいが
自作PCファン的には冷やしたくなる

 Core m版スティックPC「STK2M364CC」をチェックしてきたが、デフォルトとファンレスの状態は温度が高くなる。それも気になるレベルの温度になるため、常用を考える場合は、最低でもファンは必須だ。

 それだけでかなり安心できるようになるので、購入を検討しているのであれば、USB電源駆動の12cmファンもセットで考えるといいだろう。さて、次回は、今回のデータを元に常用を前提にした油没冷却に挑戦しよう。

アスキー
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    最終更新: 2016年10月26日(水)12時00分

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