今勢いがある中国スマホメーカー、LeEcoが米国上陸 スマホ、自動車を結びつける市場破壊は成功する?

アスキー 2016年10月28日(金)18時00分配信

 中国のLeEcoが10月19日、米国市場でのローンチイベントを開催した。動画ストリーミング、スマートフォン、スマートTV、電気自動車とさまざまな事業を展開する同社。Xiaomiが果たせなかった(果たせていない)アメリカンドリームを実現できるのだろうか?

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LeEcoがアメリカ進出第1弾として発表した「Le Pro3」

スマホ、TV、自転車、EVを一気に発表

 10月19日にLeEcoが米サンフランシスコで開催したイベントで、Le Ecoは次のような製品を発表した。

スマートフォン:「Le Pro3」「Le S3」
TV:「uMax 85」「Super4 TV」ライン3製品
自動運転EV:「LeSEE Pro」
自転車:「Super Bike」

 スマートフォン/TV/自動車/自転車が同時に発表されるというイベントは、おそらく史上初だろう。本記事ではスマートフォンのみを詳細にみてみる。

 Le Pro3はAndroid 6.0をベースとする同社のフラッグシップ。プロセッサはSnapdragon 821で、RAMは4GB、ROMは64GM。4K動画の撮影が可能な16メガ/8メガカメラと5.5型フルHDディスプレーを搭載する。イヤフォンジャックはなく、その代わりに厚さは7.53mm、4070mAhのバッテリーを備えた。

 独自UIのEcosystem User Interface(eui)を重ね、Androidアプリにアクセスできるほか同社のスマートデバイスのナビゲーションも可能。発表会では、端末を横に構えて動画をフル画面で見たのちに縦に持つと動画を小さく表示され、続きを見ながらメーセージをチェックする、というデモを行なっている。また、無制限に写真と動画を保存できる「EcoPass」サービスを3ヵ月無料でバンドルする。

 一方のLe S3はエッジが効いたアルミ筐体を採用し、フルHD解像度の5.5型ディスプレーを搭載しながら、153g/7.3mmと薄型軽量のミッドレンジモデル。プロセッサはSnapdragon 652で、RAMは3GB、ROMは32GB。カメラは4K動画の撮影が可能な16メガ+イン8メガ。Le Pro3同様、euiを搭載している。

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こちらはミドルクラスのLe S3

 価格はLe Pro3が399ドル、Le S3は249ドル。

 これらハードウェア製品に加えて、同社の核となる動画ストリーミングプラットフォーム「LeEco Live」も披露した。これらの製品については、同社の直販サイトLemall.comに詳細情報がある。

17ヵ月で7000万台、中国スマホ市場で急速に成長中
ハードウェア中心ではないビジネスモデル「UP2U」

 Le Ecoは2004年に中国で創業。著作権処理を行なったコンテンツを配信するサービスで産声をあげた。その後2010年に深センの株式市場にIPO、その後は急展開する。2013年にスマートTV、2015年にはスマートフォン市場に参入し、2016年には初の電気自動車コンセプトカーを発表した。EVではFaraday Futureと提携、計画から2年で実現したという。

 米国のオーディエンスを前にLe Ecoの歴史をなぞった北米担当プレジデントのRichard Ren氏は、「インターネット企業がハードウェアで成功するわけがないといわれた」と3年前を振り返る。だが結果としてスマートTVでは中国でシェア1位、2015年に参入したばかりのスマートフォン市場でもわずか17ヵ月で7000万台を出荷したと胸を張る。

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Richard Ren氏

 やみくもにハードウェアに手を出しているのではない、というのがLe Ecoの主張だ。Ren氏は「ユーザーが中心」と既存のハードウェアベンダーとの違いを強調する。「日常にはスマートフォン、TV、自転車、自動車などがあるが、コネクトされていない。我々はユーザー第一の哲学を持ち、分断化された体験をシームレスにする」と約束する。そこで重要な役割を果たすのが、コンテンツとユーザーインターフェイスだ。つまり、中心はハードウェアではなくコンテンツにあると考えたほうがわかりやすい。

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Le Ecoはユーザーを中心にプラットフォーム、デバイス、コンテンツ、アプリを垂直統合する

 Le Ecoは自社のビジネスモデルを「User Planning to User」モデル(UP2Uは”Up to you(あなた次第)”と発音すと名付けている。顧客はカスタマーではなくパートナーで、ともにハードウェア、ソフトウェア、プラットフォームとLe Ecoの製品をよくしていくというもので、同社のユーザーはリアルタイムでLe Ecoと双方向のやりとりが可能。

 「フィードバックを取り入れることで、(既存のハードウェアベンダーがとる)需要喚起型ではないモデルを構築する」とDanny Bowman氏は説明した。Bowman氏は元Samsung幹部で、春にLe Ecoに起用された人物だ。

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画面サイズなんと85インチの4K TV「uMax 85」の横に立つDanny Bowman氏

 もう一つの差別化が直販モデルだ。米国ユーザーはLe EcoのECプラットフォームのLeMall.comで製品を直接購入できる。「これにより流通のコストを削減し、この分を価格に反映できる」とBowman氏は述べた。

まずはブランド認知がカギか

 急展開での米国ローンチといえるが、大きなステップとなったのが今年7月に発表した米国のTVメーカーVizioの買収だろう。20億ドルを払って、Vizioの技術、人材、そして人脈や流通を手に入れた。Le EcoはYahooがサンタクララに構えるオフィスも一部取得しており、1万2000人規模にできる体制を整えているとのこと。ちなみに現在同社の米国での社員数は500人だ。かなりのスピードとスケールで、米国でのビジネスを立ち上げていく計画と見える。

 なお本国ではVRヘッドセット、カメラなども展開しており、それらもゆくゆくは米国で導入するのかもしれない。

 では、Le Ecoはうまくいくのか? 車を含むスマートデバイスすべてを網羅するアプローチであるだけに、ブランド認知はとても重要だ。一般的な米国ユーザーがLe Ecoを選ぶとすれば、Apple、Samsung、Amazon、Netflix、Teslaなどと比較することになるのだ。

 簡単ではないことは間違いない。Xiaomiも、Huaweiも、(まだ)実現できていないことだ。Le Ecoの幹部らはイベント中、自社を「Disrupter(市場破壊者)」と名乗った。そのとおりになるのだろうか。


アスキー
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    最終更新: 2016年10月28日(金)18時00分

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