新MacBook Pro・Touch Barなしモデル速攻レビュー

アスキー 10月29日(土)00時01分配信
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MacBook Pro 13インチモデル。Touch Barのない、もっともお手頃な価格のものだ。カラーはスペースグレイ

 昨日発表されたばかりの新MacBook Proのレビューをお届けする。といっても、みなさんが気になってしょうがない、Touch Bar搭載モデルは、出荷がまだ先であるため、レビュー機材が届いていない。そこで、最も安価なMacBook Proとなった「Touch Barなし・ファンクションキーあり」のモデルをレビューする。本命はまだ先だが、ハードウェアの特徴の多くはこのモデルでもわかる。どんな感じの製品になったか、基本的なところからチェックしていこう。

 今回はちょうど、MacBook(12インチモデルを仕事のためにもってきていたので、サイズや動作比較も含め、お読みいただきたい。

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パッケージの内容はいつものシンプルさ。付属品は、本体の他は、USB-Cのケーブルと、それをつなぐACアダプター(61W仕様)だけだ

シンプルで小型化したボディ。パワーは十分

 さて、使ってみると、結論は一言で済む。「なんていい素うどん」。素うどんじゃなければペペロンチーノでも、盛りそばでもいいのだが、とにかく、「PC(Mac)としてシンプルだが地力のある、使いやすい製品」だと感じる。

 13インチモデルは、ある意味でMacBook Airに似た製品になった。特に、このTouch Barなしのモデルはそうだ。重量は13インチMacBook Airと20gしか違わない1.37kgになり、表面積では12.5%弱小さくなっている。「クサビ状」ではなくなったが、持ち歩く際のイメージは変わらない。なにより、CPUパワーが大きく向上し、ディスプレイも2560×1600ドット・227ppiのRetinaディスプレイになったのだから、文句はないはずだ。

 MacBookと比較すると、さすがに若干大きく感じるものの、その差は極端なものではない。MacBook Airのうち、11インチを持っていた人は12インチを求めるかも知れないが、13インチを持っていた人ならば、MacBook Proで問題を感じることはないだろう。

 デザイン面では、タッチパッドのサイズに大きな違いがある。MacBook Proのものはとにかく大きい。MacBook Proの従来モデルと比較した場合、面積で2倍になっている。これだとタイプ時に干渉しないか気になるところだが、少なくとも筆者が使った限り、そこに問題は感じなかった。操作面でプラスこそあれ、マイナスではない。

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左がMacBook、右がMacBook Pro。タッチパッドがかなり大きくなっているのがわかる
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上がMacBook、下がMacBook Pro。カラーが同じなので、サイズこそ若干違うが、デザインテイストはほぼ同じである

 パフォーマンスはもちろん大きく違う。ベンチマークソフト・GeekBench4のCPUテストの結果では、MacBook Proが「シングルコアスコア・3851、マルチコアスコア・7318」であった。MacBook(2016年春モデル、Core m5 1.2GHz、メモリー8GB)の値が「シングルコアスコア・3241、マルチコアスコア・5840」なので、18%から25%違うことになる。当然だが、ちょっとした動作でも動作速度に』違いを感じる。

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MacBook Proのキーボード部を拡大。テストモデルは英語キーボードだった。Touch Barもないので、配列などに大きな変化はない

キータッチは「平たい系」だが改善

 キーボードも気になる人が多い点ではないだろうか。

 MacBookは非常に薄いキーボードを採用したものの、そのキータッチはまさに「好みが分かれる」世界だった。

 どうしても力が掛かりやすく、タイプ音が「ペタペタ」と大きくなりやすい点は気になっているが、筆者は薄いタッチのキーボードが嫌いではないので、MacBookのキーボードにそこまで悪い印象はない。

 だが一般には「ストロークが浅くて打ち心地が悪い」とされており、そう考える人の気持ちも分かる。要は他のキーボードと違いすぎるのだ。

 では「第二世代バタフライメカニズム」をうたうMacBook Proはどうか?

 結論から言えば、「これならいい」と思う人が多いのではないか、と思う。MacBookに比べると、キーが沈み込む感じが変わっており、押し下げ感が良くなった。この原稿も、MacBookとMacBook Proを使い分け、半分ずつ書いてみたが、「より好ましい」と思ったのはMacBook Proである。タイプ音については傾向が似ているので大きな改善とは言えないが、押し始めの音から軽さが減ったため、若干ではあるが目立ちにくくなっている。

 深いキーストロークが好きな人には、やっぱり向かないキーボードだとは思うが、十分に長文入力にも耐える、よくできたものだと思う。

Thunderbolt 3にインターフェースを大リストラ
充電器はMacBookと共用できず

 大きく変わったのはインターフェース周りだ。

 旧来のMacBook Proは、インターフェースとしてUSBとThunderbolt 2、そしてHDMIをサポートしていた。SDメモリーカードスロットもあった。電源は、磁石で止める「MagSafe 2」だった。

 それが、新しいMacBook Proでは「Thunderbolt 3」に変わった。試用しているTouch Barなしモデルは左に2つ、Touch Barありのモデルは左右に2つずつと、非常にシンプルになった。

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本体左側。電源を兼ねた「Thunderbolt 3」が2つあるだけのシンプルさ
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Thunderbolt 3もしくはUSB-Cのケーブルが同時に2本刺さる。電源はどちらでもOK<3808>
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本体右側。今回試用したモデルだけ、Thunderbolt 3は2つだけなので、右側にはヘッドホン端子しかない

 Thunderboltは元々、アップルとインテルが共同で開発したインタフェースで、「2」までは独自の形状(といっても、一般にはMini DisplayPort用として認知されていた、あの形だ)を採用し、「3.0」からは、物理形状をUSB Type-C(アップル的にはUSB-C)と共通化した。Thunderbolt 3では、「電源(USB-PD)」「外部ディスプレー(DisplayPort 1.2)」「USB 3.1」「PCI Express 3.0」が共用される形になっている。だから、「Thunderbolt 3しか外部インターフェースがない」構造になっている。SDカードやUSB-C以前の既存のコネクターの製品を使うには、変換アダプターが必要になる。この辺、アップルらしい割り切りで、これだけのボディにまとめるには必要な要素だったろうと思うが、さりとて、困る人がいるのも事実である。

 なお、Thunderboltに対応する製品はほとんどがアップル向けであるが、あくまでインテルの規格でもある。Thunderbolt 3がUSB 3.1を内包する形なので、表記上は「Thunderbolt 3」。別にアップルが、突如名前を変えてしまったのではない。

 逆にいえば、純粋にUSB 3.1(コネクタ形状はUSB Type-C)の製品もある。MacBookはThunderbolt 3には対応しておらず、あくまで「USB 3.1」への対応なので、カタログ表記は「USB-C」になる。

 同じ形状なので一見わかりにくいが、「MacBook ProはどれもOK<3808>」「USB-C(Type-C)製品にはThunderbolt 3専用機器は刺さらない」と覚えておけば、まあ、とりあえずはOK<3808>だ。

 気になる電源仕様だが、USBでの電源供給を目指した「USB-PD」に対応しており、ACアダプターもすべて「USB-C」のケーブルを使うものに変わった。要はMacBookと同じである。ただし、MacBookが最大29W(14.5V・2.0Aもしくは5.2V・2.4A)のアダプターであるのに対し、MacBook Proのものは最大61W(20.3V・3Aもしくは9V・3Aもしくは5.2V・2.4A)となっている。実際、MacBookのACアダプターでは、MacBook Proは充電できない。

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上がMacBook Pro(13インチモデル)の、下がMacBookのUSB-C電源アダプター。サイズも出力仕様も異なる
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MacBookのACアダプターをMacBook Proにつなぐと、給電のみで充電はできない
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MacBook Proで正常に充電できていれば、この表示になる

 USB-Cの充電器でも、実際にはMacBookにしか対応していないものもある。具体的には、「5V・2A、12V/20V・3A」の「プロファイル4」以上(ワット数60W)に対応したアダプターでないと、MacBook Proは充電できない。当面はアップル純正のものを使うのが安全だが、そのうち、上記の条件を満たし、メーカー側で「対応」をうたうものが出てくるだろう。筆者が持ち込んだAnkerのUSB-C対応充電器「PowerPort+ 5 USB-C」(USB-PDとしては5V・3A、9V・3A、15V・2A、20V・1.5A対応)は、問題なく接続して充電できているように見える。充電時間も最終的な対応状況も確認できているわけではないので、あくまで「参考情報」とお考えいただきたい。

Touch Barの評価は保留、「保守的な使い方」ならあえてこのモデルを

 冒頭で述べたように、新MacBook Proシリーズの最大の変化点は「Touch Bar」だ。このモデルには未登載なので、今回は長く試せていない。筆者が考えるに、Touch Barは「ファンクションキーと右クリック(コンテキスト)メニューの性質を混ぜたようなもの」で、アプリの対応がきちんと広がれば、思った以上に使いやすくなるのでは……とも感じる。一方、特に日本人は、ファンクションキーを文字入力に多用する人が多く、そこで「物理キーの感触」を求める場合がある。Touch Barには振動フィードバックがないため、タッチパッドやiPhone 7のホームボタンのようにはいかない可能性もある。

 日本語入力のことは配慮されているようだが、その詳細がわからないので、現時点では「評価保留」としておく。

 良い出来の「素うどん」であるMacBook Proに振りかけた「Touch Bar」が、より味を高めるか、それとも落とすのか。そこで「不安」がより高い人は、このモデルを選んでしまっていいのではないだろうか。PC/Macにコンサバな機械としての価値を高く求めるのであれば、十分に満足度の高い製品かと思う。

アスキー
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    最終更新: 10月29日(土)00時01分

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