従来機からAF速度が劇的に向上! キヤノン「EOS M5」をチェック

アスキー 11月02日(水)10時00分配信
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 秋の最新ミラーレス一眼を紹介する本特集。3回目はキヤノン<7751>のミラーレス一眼最新モデル「EOS M5」を紹介する。11月下旬に発売予定で、ボディーのみの予想実売価格は12万円前後だ。

小型ボディーにEVFを内蔵! “プチ一眼レフ”的な外観に

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本体サイズは幅115.6×奥行き60.6×高さ89.2mm、重量はバッテリーとメディア込みで約427g。装着しているレンズは同時発表された「EF-M 18-150mm F3.5-6.3 IS STM」

 同社の一眼レフ「EOS」シリーズを彷彿とさせる外観ながら、ボディーはとてもコンパクト。まるで“プチ一眼レフ”的な印象となったEOS M5だが、その最大の要因は中央上部のいわゆる軍艦部だろう。ここにはストロボとEVFが内蔵されている。

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撮像素子はAPS-Cサイズ。レンズマウントに向かって左下にあるボタンはEVF使用時に背面モニターでピント位置を指定する「タッチ&ドラッグAF」の切り替えボタン
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EVFはレンズ光軸上にある。背面モニターは3.2型(約162万画素)。EVF使用時にタッチパッドとしてフォーカスを指定できる。背面側にも回転するホイール形状のインターフェースがある
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背面モニターはチルト機能も備えている。下側に180度回転するのでセルフィー撮影もこなせる

 これまでの「EOS M」シリーズは、EVFを内蔵しておらず、撮影はコンデジスタイルで行なうのが基本だった。

 しかし、EOS M5ではEVFを内蔵することで一眼レフスタイルでの撮影も可能となり、ファインダーを覗いて撮りたいというハイエンドユーザーでも使いやすくなった。

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EVFは0.39型(約236万画素)で見え方はM3用の外付けEVFと近い。基本的に背面モニターと同じものが見えるが、カメラを縦位置に構えるとEVFの情報表示も縦位置用に切り替わる

 従来モデルの「M3」でも外付けのEVFを利用することができたが、別売りであり、装着するとコンパクトさとスマートさが損なわれる感じだった。

 M5では一体でデザインされ、アイレベルでの撮影でもコンデジのように背面モニターを使った撮影のどちらでも違和感なく使えるようになっている。

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外部接続用インターフェースは左右に分かれている。グリップ側にはHDMI出力が備わる。左手側にはUSB端子、マイク端子、リモート端子が備わっている
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本体上面。左にはモードダイヤルがあり、右にはシャッターボタン周りと背面に近い側とで2つのコマンドダイヤルが備わる
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右手側の上部。シャッターボタン周囲に電子ダイヤルがあり、さらに手前側にサブ電子ダイヤル、端には露出補正ダイヤルが備わる。それぞれのダイヤルが大きめで操作性はかなりいい。サブ電子ダイヤルの中央はダイヤルファンクションボタンがあり、押して設定項目を呼び出せる。露出補正ダイヤルも操作しやすい配置だ
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左側にはモードダイヤルが備わる。ロック機構付きで、電源レバーが同軸に配置されている。この辺は同社の一眼レフと同様の操作感だ

 操作系はM3よりもダイヤル中心となり、アナログ的な操作がしやすくなっている。シャッターボタン周りには電子ダイヤルが備わり、それとは別に上面にサブ電子ダイヤルが用意されている。また右手側の肩には露出補正ダイヤルが備わっている。

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内蔵ストロボを搭載。ガイドナンバー約5
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新レンズのEF-M 18-150mm。(11月下旬発売。税別希望小売価格6万8000円)最大径60.9mm、長さ約86.5mm。重量は約300g。マウントはプラスティック製で軽い。広角側では25cmまで望遠側でも45cmまでの近接撮影が可能だ。手ブレ補正機能を内蔵し、シャッタースピード約4段分の効果が得られる

撮像素子の変更でAF速度が大幅向上!

 外観の変化は大きいが、それよりも注目なのが撮像素子に「デュアルピクセルCMOS AF」をMシリーズで初めて採用した点だ。

 像面位相差検出方式のAFはM3でも採用されていたが、M3の「ハイブリッドCMOS AF」は撮像素子面に部分的に撮像素子と置き換えで位相差検出用AFセンサーを配置し、コントラスト検出方式とあわせて利用するものだった。

 一方、M5で採用されている「デュアルピクセルCMOS AF」は撮像素子そのものが位相差検出用AFセンサーを兼ねている。つまり、画素すべてが位相差検出用AFセンサーを兼ねているので、画面のどこででもピント合わせが可能になっている。

 AF範囲も拡大している。M3では縦約80%、横約70%の範囲でのAF測距が可能だったが、M5では縦横ともに約80%の範囲でAFの測距が可能。さらに、高速で精度の高い追従性にも優れたAF動作が行なえ、AF追従で秒間7コマの連写も可能だ。

 従来のEOS MシリーズのAF動作速度は、他社のミラーレス機に比べて速いということはなく、どちらかと言えば遅い部類に入っていたが、M5はかなり改善された。

 実機を触って一番感じたのが、反応速度のよさで動きはじめが速く、ピントの合った位置で静止するまで速度が落ちずピシッと止まる印象だ。

 実際のところ、速度で見るならようやく他社のミラーレス機に並んだくらいではあるが、撮影の快適さはかなりよくなっている。

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標準設定ではダイヤルファンクションボタンを押すごとにISO感度とホワイトバランス設定を呼び出せる。項目の呼び出しをしたらサブ電子ダイヤルを回転させて設定値の変更を行なえる
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ダイヤルやボタンへの割当は好みの機能を割り当て可能、撮影モードごとに機能を変更可能だ
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EVF使用時に背面液晶に触ってピント位置を指定する「タッチ&ドラッグAF」の設定画面

新しいAPS-Cセンサーの実力は!?
EOS M5の画質をチェック!

 撮像素子はAPS-Cサイズで有効約2420万画素。画像処理エンジンには最新の「DIGIC 7」が採用されている。処理能力の向上によって高感度の解像力が向上し、常用感度ISO 25600を実現。暗いシーンのAF性能も向上している。

感度別撮影サンプル

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ISO 100
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ISO 200
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ISO 400
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ISO 800
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ISO 1600
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ISO 3200
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ISO 6400
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ISO 12800
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ISO 25600

 感度はISO 100~25600まで設定できる。ノイズはISO 800あたりから出はじめているが、目立ってくるのはISO 6400以降。ISO 12800以降ではかなりノイズが載ってくる。

 ISO 25600では偽色も派手に発生し、ディテールへの影響はISO 1600あたりから出てくる。画質をキープするならISO 800以下で撮るのがよさそうだ。

「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」(広角側)

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F3.5
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F4.0
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F5.6
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F8.0
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F11
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F16
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F22

 新製品でありレンズキットに含まれる「EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM」はまだ撮影可能機材がなかったので、今回は従来モデルの「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」を使用している。念のため、レンズとの組み合わせをチェックしてみよう。

 F11以降で回折現象の影響が出はじめてきている。画像処理エンジンのDIGIC 7では絞り込み時の回折現象を補正する処理が導入されているようだが、それでも絞りすぎには注意が必要だ。あまり絞ってない画像では遠景の解像力はかなり高くてシャープ<6753>だ。

「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」(望遠側)

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F5.6
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F8.0
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F11
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F16
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F22
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F32
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F36

 こちらも同様の傾向。F16くらいまではかなり高い解像力とシャープネスがあるがそれ以上絞るとボケていってしまう。

クリエイティブフィルターの撮影サンプル

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ジオラマ風
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トイカメラ風
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水彩風
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油彩風
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魚眼風
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ソフトフォーカス
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ラフモノクロ

写真に特殊効果を付与できる「クリエイティブフィルター」。7種類あり、それぞれ個性的な効果となる。

HDRの撮影サンプル

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ノーマル
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ナチュラル
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ビンテージ調
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絵画調
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グラフィック調
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油彩調

 HDR機能も利用できるがシンプル。合成に使ったオリジナルの保存機能はないので注意が必要だ。

 これ以外にも基本的な撮影機能は一通り揃っている。キヤノン<7751>ではお馴染みの見た目で確認しながら効果を確認できる「クリエイティブアシスト」や秒間7コマの連写機能、すべてカメラ任せの「シーンインテリジェントオート」も搭載されている。

小さいボディーでAPS-C画質の写真を撮りたい人におすすめ

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絞りF8.0で絞り優先オート。曇り空だがしっかり青くなっている。淡い色の彩度は不自然にならない程度に上がっている。これなら紅葉でも色鮮やかに写せるだろう
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赤系の発色はキレイの一言。淡いグラデーションの再現性も高い。原色系の発色は色飛びも少なく良好
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遠景ではシャープネスが強めな印象だったが、近接では適度なシャープネスと解像力が得られる。ディテールの再現性もかなり高い

 カメラ単体だけでなく周辺機器との接続もよくできており、NFC、Bluetooth、無線LANと一通り搭載されている。

 低電力なBluetooth Low Energyを採用し、スマートフォンとは常時接続が可能。これにより、スマホをリモコンとして利用する場合も、より迅速に操作ができる。

 NFCに対応しているスマホならカメラと近づけるだけでアプリが起動し、インストールされていない場合にはダウンロードサイトが自動的に表示されるようになっている。

 スマホからのリモート撮影や画像閲覧も簡単に行えるほか、無線LAN対応のプリンターで印刷も可能だ。

 APS-Cサイズの撮像素子による高画質な画像と、ミラーレスならではの小さく薄いボディーは、手軽に撮影を楽しみたい人はもちろん、小さくてもしっかりアイレベルで構えて本気で撮りたい人にはお勧めだ。

紅葉には間に合わないかもしれないが
秋冬の思い出を最新カメラで!

 本特集で紹介したデジカメのうち、現在発売されているのはパナソニック<6752>LUMIX G8」のみ。今回紹介したEOS M5や前回紹介したオリンパス<7733>PEN E-PL8」は11月発売なので、紅葉は終わっている頃だろう。

 それでも、年末年始に向けてイベントも多いはず。秋冬のイベントはぜひ新しいカメラで撮ってみてはいかがだろうか?

アスキー
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    最終更新: 11月02日(水)10時00分

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