撤退から2年――NokiaからのAndroidスマホが間もなく発表される!?

アスキー 11月13日(日)10時00分配信

 Nokiaが携帯電話メーカーだった時代を覚えている方はさすがにまだ多いだろう。日本での存在感は小さかったものの、グローバルでは今のSamsungに匹敵するシェアを2000年代の前半に誇っていた、かつての王者だ。そのNokiaブランドを冠したスマートフォンが早ければ2016年中にも登場するようだ。それもAndroidを搭載した端末となる。

今年末から来年初頭に登場!?
まずリリースされるのはハイエンド機?

 「Nokiaブランドが世界の携帯電話とタブレット市場に戻ってくる」とNokiaのサイトにあるように、復活自体はすでに発表済のNokiaブランドのスマートフォンやタブレット。その第1弾は2016年末から2017年初頭に登場するといわれている。

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5月にあったNokiaのスマホの復活宣言。実際の製品はいつ登場?

 それは一体どんなものになるのか? さまざまな予想をまとめると、OSはAndroid、それも最新のAndroid 7.0になりそうだ。スペックは画面サイズは5.2型と5.5型の2モデルで、WQHDの有機ELディスプレーを搭載。22メガピクセルカメラも備えるようだ。チップはSnapdragon 820と予想されており、IP68の防水・防塵対応もあるとなると、これはハイエンドと言ってよいだろう。タブレットのNokia N1で目玉だったUI「Z Launcher」にも期待したい。

 「Nokia D1C」という安価なラインのスマートフォンの予想もある。こちらはAndroid 7.0をベースにSnapdragon 430を搭載し、ディスプレーは4.8型。カメラはメインが16メガでフロントが8メガ。デュアルSIMスロットを持つなど新興国向けの仕様と言えそうだ。さらにスマートフォンは2機種、タブレットも2機種という情報もあるので複数のデバイスが登場してもおかしくなさそうだ。

 ただしNokiaブランドの端末といっても、製造するのはNokiaではない。Nokiaは2016年5月にフィンランドのHMD GlobalとNokiaブランドを冠したスマートフォンなどの製造開発で提携を発表しており、HMDが引き受ける。実際の製造とディストリビューションは、Foxconnの子会社であるFIH Mobileが担う形だ。

 なお、Nokia広報に問い合わせたところ、開発とローンチを行なうのはHMDであり、端末に関する情報はないとのことだった。

間もなくMicrosoft売却時の契約期間が切れ、
Nokiaがモバイル端末を出すことが可能になる

 Nokiaといえば2014年のMicrosoftによる買収が思い出されるが、Nokiaは端末事業(デバイス&サービス)を売却しただけで、無線ネットワーク機器事業はNokiaとしてフィンランドをベースにビジネスが続いている。Nokiaは主要な柱であるNokia Networksのほかに新規分野の研究開発を担う事業部としてNokia Technologiesを抱えており、同事業部が2014年末の「Nokia N1」タブレットを手がけている(製造はFoxconn)。

 2015年のMWCで、Nokia Technologiesの幹部はスマートフォンの可能性を否定しなかった。Nokia Technologiesは2016年のMWCではVRカメラの「Ozo」を展示するなど、控え目ながらコンシューマー向けのガジェッドへの意欲を示し続けてきた。創業145年のNokiaにはコンシューマー向けのものづくりのDNAがしぶとく残っているようだ。

 Nokiaのスマートフォン登場が2016年末から2017年初頭になる時期は理由がある。Microsoftに端末事業を売却時、Nokiaは向こう2年間競合する製品分野に参入しないという契約を交わしていたからだ。この期間が切れるのが間もなくというわけである。

 余談だが、AndroidとNokiaというと、Microsoftへの端末事業売却をやってのけたNokiaの元CEO、Stephen Elop氏の”burning platform”のメモを思い出す。2011年の1月、社運をかけた大決断としてNokiaはAndroidではなく、Windows Phoneを選んだという、あれだ。

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一時はMicrosoftの新CEO候補というウワサもあったStephen Elop氏。現在はオーストラリアの携帯キャリアのエグゼクティブを務めているとのこと

 あれから5年、Elop氏は一旦はMicrosoftに再帰したものの(Elop氏はMicrosoftから引き抜かれて、NokiaのCEOとなった)、Nokia買収を固めたSteve Ballmer氏が引退、その後CEO職を引き継いだSanya Nadella氏の下で組織変更に伴い退任となった。解雇と見ていいだろう。そしてSymbianに変わる主力OSとなるはずだったMeeGoチームはJollaを作った。そのMicrosoftはNokiaから引き継いだ「Lumia」から手を引きつつあり、おそらくはSurfaceブランドに変更すると予想される。

Nokiaがライセンスを出す先は元Nokiaが多い会社
だが、今のNokiaブランドにそもそも需要はあるのか?

 準備は少しずつ進めてきた。2016年のHMD Globalとの提携の後、HMDは元Nokia幹部のPekka Rantala氏をCMOとして起用、モバイル部門を率いることになっている。なお、HMDはMicrosoftが元Nokiaのフィーチャーフォン事業を切り離した際にこれを引き受けるべく設立されたフィンランドベースの新会社だ。

 つまりHMDは元Microsoftと元Nokiaの社員が中心で、CEOにも1990年代にNokiaに勤務していたベテランのArto Nummela氏が就いている。Nokiaから直接の出資は受けていないものの、HMDの取締役会にNokiaは席を持つ。Nokiaとの契約期間は10年間で、Nokiaは自社ブランドで製造する製品について、かなりコントロールできる形態となっているようだ。そしてNokiaはNokiaブランドの製品販売からのロイヤリティーを受け取るというビジネスモデルだ。

 そのRantala氏はAdWeekの記事において、「Nokiaはアイコン的なブランドであり、その認知度は高く信頼されている」とし、独占的パートナーとしてNokiaブランドの携帯電話とタブレットを展開していくにあたって、Coca-Colaなどのブランド採用で知られるMotherというマーケティングエージェンシーと契約したことを明かしている。

 問題はNokiaが今のコンシューマーにアピールできるかどうかだ。Nokia側は「毎日のようにNokiaファンからNokiaのスマートフォンを求める声が届く」としているのだが、NokiaブランドのAndroidスマートフォンというだけで、市場が受け入れるという保証はない。わずか数年とはいえ、スマートフォンではメディアへの露出がなかったのだ。

 だが、数年前よりも市場に入りやすいと見ることもできそうだ。SamsungとAppleの2強時代が続いたのち、Samsungは「Galaxy Note 7」で問題が起き、iPhoneも不調と一つのフェーズの終わりを象徴しているように見える。新しいフェーズはHuaweiなどが盛り上げてくれそうだが、同じ中国メーカーではLeEcoなどのユニークなメーカーが出てきている。Nokiaのチャンスもゼロではない。


アスキー
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    最終更新: 11月13日(日)10時00分

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