Windows&Macでハイレゾ音源入門! 定番再生ソフトと設定手順を大紹介!!

アスキー 11月16日(水)12時00分配信
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 前回は、狭い机の上でも高音質なハイレゾ再生を楽しめるスピーカーシステムを紹介したが、そもそもPCでハイレゾ音源を再生するのはどう設定したらいいのか?

 PCで高音質なオーディオ再生をしようとなると、いくつか知っておいた方がいいことがあるし、ハイレゾ再生をしようとなると、いつも使っている音楽再生アプリでは完全に対応できないので、ハイレゾ再生のためのアプリが必要になる

 今回は、そんなPCでさまざまな音源を高音質で楽しむためのテクニックや、ハイレゾ再生に必要な音楽再生ソフトを紹介していく。

Windows 10はすでにハイレゾ対応!
Macのハイレゾ対応状況は?

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PCとUSB DAC接続する場合、まずは純正ドライバーをダウンロード

 まずは、現在のPCのオーディオ再生の能力について知っておこう。PCはオーディオ専用の機器ではないので、PC単体でのオーディオとしての実力は決して高くない。

 ノートPCで音楽を再生し、内蔵スピーカーで音を出すという状況を考えた場合、データとして記録されたデジタル信号<6741>をアナログ信号<6741>にして内蔵したアンプやスピーカーから音が出ることになる。

 PCは高クロックのCPUが高周波<5476>ノイズを垂れ流しているし、PC基板とオーディオ回路も大元の電源は共通だから、電源からノイズが混入することもある。アナログ信号<6741>はノイズの影響を受けやすいので、基本的にPCの内蔵スピーカーで音楽再生をすると音質が劣化しやすい。具体的に言えばS/Nが悪くなる。

 これを防ぐために、PC内では音楽信号をデジタルのままで処理し、外部の機器でアナログ信号<6741>に戻してアンプやスピーカーで再生する。

 このために必要な機器がUSB DAC。USB端子でデジタル信号<6741>を出力し、USB DACがアナログ信号<6741>に変換するわけだ。

 USB DACは単体のものだけでなく、アンプやスピーカーに内蔵されていることもある。簡単に言うと、PCとUSB端子で接続するタイプのアンプやスピーカーは、PCからデジタルで信号<6741>を受け取って再生するので、PC内のノイズの影響を受けにくく、質の高い再生が可能だ。

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Windows Media Player 12でハイレゾ音源を再生する場合、コントロールパネルの「サウンド」から「再生」を選び、オーディオデバイスのプロパティーを表示
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オーディオデバイスのプロパティーの「詳細」で、サンプルレートとビット深度を選択する。これは使用するオーディオデバイスのスペックに合わせて選ぶ

 Windows 10は、現在のところ「USB Audio Class 1.0」に対応しているので、最高でリニアPCM96kHz/24bitまで対応のUSB DACとは、接続するだけで使用できる。

 しかし、現在発売されているUSB DACの多くは192kHz/32bit対応などハイスペック化しており、これらの多くは「USB Audio Class 2.0」となる。この場合、専用のドライバーのインストールをしないとUSB接続をしても認識できない。

 最新のプレビュー版(Build14915)でUSB Audio Class 2.0対応ドライバが実装されたようだが、正式なサポートではないので、今のところはWindowsは専用ドライバーが必要という認識でいいだろう。

 一方、MacintoshはUSB Audio Class 2.0対応なので、ドライバーのインストールをすることなく、多くのUSB DACと接続するだけで使用できる。

 とはいえ、ハイレゾ音源にはリニアPCM系のほかに、DSD音源もある。もともとSACDで採用されたデジタル録音のフォーマットで、リニアPCMと比べてより自然でアナログ的な感触を持った音が再現できると言われている。

 このDSD音源の再生をするとなると、Macintoshでも専用ドライバーのインストールが必要な場合もあるので注意が必要だ。

 続いて再生ソフト。実はWindows 10の標準音楽再生ソフトであるWindows Media Player 12はWAVファイルとFLACファイルの再生に対応しており、ハイレゾ音源の再生が可能とも言える。DSD音源の再生には非対応とはいえ、十分にハイレゾ対応と考えていい。

 ただし、Windows Media Player 12は「WASAPI」に対応していない。WASAPIというのは、Windowsで高音質再生を行なうためのAPIのこと。

 Windowsは音楽再生だけでなく、起動しているソフトが出す音やOSのメッセージ音など、さまざまな音源を集中管理していて、音楽信号もそのなかのひとつとして扱われる。これがさまざまな音質劣化の要因となるされている。

 WASAPIはそういうOSの集中管理とは別のルートで、音楽再生ソフトからの音楽信号をオーディオ回路、あるいはUSB出力することができる。つまり、音質劣化の原因を排除できるというわけだが、Windows Media Player 12はそれができない。

 Macintoshの場合はどうか? Macは元々DTMや音楽制作の現場で使われていたこともあり、音質劣化にはきちんと対応しているので、Windowsのような面倒なことはない。

 ただし、標準の音楽再生ソフトである「iTunes」はハイレゾ音源に対応していない。WAV形式の96kHz/24bitの音源などは再生できるのだが、正式なサポート対象とはなっておらず、FLAC形式もサポートしていないので、ハイレゾ音源の再生という点ではあまり実用的ではない。

 というわけで、Windows 10、Macともに、現在流通しているハイレゾ音源に対応し、なおかつ高音質で再生するには、専用の音楽再生ソフトが必要ということになる。そこで、次ページではハイレゾ音源に対応し、高音質再生を行なうためのソフトを紹介しよう。

Windowsで高音質なオーディオ再生をするなら
定番音楽プレーヤー「Foobar2000」を導入しよう!

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Foobar2000の画面。シンプルなインターフェースだが機能は十分。プラグイン方式なので後から機能を追加することもできる

 Windowsでの定番となっているのが、「Foobar2000」。フリーソフトなので無料で入手できることが大きな特徴だ。

 プレイリスト作成などのファイル管理機能もあり、インターフェースも好みに応じてカスタマイズできるなど、実用性も十分だ。

 ただし、高音質再生では欠かせないWASAPIへの対応、DSD音源の再生などのために、いくつかのプラグインを追加インストールする必要があり、それらがなかなかに面倒なことが唯一の難点だ。

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Foobar2000の公式ページ。「Download」のタグをクリックするとソフトのダウンロードページに移動できる

 Foobar2000の入手とインストールは比較的簡単だ。Foobar2000の公式サイトにアクセスし、画面の上部にある「Download」のタグをクリック。最新バージョンをダウンロードし、インストールすればいい。これ自体は一般的なソフトのダウンロードと同じなので、困ることはないだろう。

 Foobar2000でWASAPIを利用できるようにするためには、コンポーネントを追加する必要がある。

 コンポーネントは、公式ページの「Components」タグをクリックすると表示される。機能を強化するコンポーネントの一覧がずらりと表示されるが、このリストの一番下の方にある「WASAPI output support 3.2.3」を選択し、ダウンロードする。

 まずはFoobar2000を起動。preferenceにあるComponetsの項目から、インストールを選択すると、ファイル選択画面となるので、ダウンロードしたファイルを選択する。

 最終的に登録されたコンポーネントを有効にするため、Preferenceにある「Components」の項目にあるリストから、「WASAPI output support 3.2.3」(リストではfoo_out_waapiと表示される)を選択し、Applyをクリックすれば登録が完了する。

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コンポーネントのリストにある「WASAPI output support 3.2.3」。これをダウンロードする
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ファイルを選択して「Apply」をクリックすると登録が完了する

 続いて、同じく「Preference」の「Playback」>「Output」の項目で、「Device」から「WASAPI(event):xxxxx」という項目を探して選択する。

 これは、Foobar2000が利用できるオーディオデバイスの一覧で、専用ドライバーをインストールしたUSB DACなどが表示される。

 ここから、使用するUSB DAC、あるいは内蔵したオーディオデバイスを選択する。「DS:xxxxx」と表記されるのは、OS側で音声信号を集中制御するものなので、「WASAPI(event):xxxxx」の方を選択すること。同じWASAPIでもeventとpushがありどちらを選んでもいいが、eventの方が負荷が少ないので推奨だ。

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PreferenceにあるOutputの項目。ここで使用するオーディオデバイスを選択する
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下部にある「Output format」で、接続したUSB DACなどが対応している量子化ビット数を選択する。USB DACなどのスペックを確認して選択しよう。選択が終わったら「Apply」をクリックすれば完了

 そして、使用するオーディオデバイスの能力に合わせて出力フォーマットを選択する。下部にある「Output format」だ。

 これで、WASAPIを使った再生ができるようになる。再生する音源が、CDからリッピングしたものやAACやMP3形式だけならば、これで準備は完了だ。再生したい音楽ファイルを選択してプレイリストに登録し、再生が可能だ。

DSD音源の再生も可能にする

 基本的にはこれだけでもほとんどのハイレゾ音源を再生できるのだが、ついでDSD音源をサポートするコンポーネントを追加しておくといいだろう。

 使用するUSB DACがDSD音源には非対応という場合でも、このコンポーネントを追加しておけば、Foobar2000側でPCM変換して出力させることもできるので、再生は可能になる。

 必要なコンポーネントのひとつは「ASIO support 2.1.2」。こちらはWSAPIと同じ要領でコンポーネントをダウンロードして登録する。

 このほかに、「Super Audio CD Decorder」を公式サイトからダウンロードする。

 ダウンロードしたファイルを解凍して、「foo_input_sacd.fb2k-component」(Super Audio CD Decorder)を登録。ダウンロードしたファイルのフォルダにある「ASIOProxyIntall-0.8.3.exe」を起動してインストールを行なう。これは一般的なドライバーのインストールと同様だ。

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Preference>Outputで、「ASIO:foo_dsd_asio」を選択した状態
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DSDネイティブ再生を行なう場合は、Output>ASIOで、使用するUSB DACのASIOドライバーを選択する。下のDSD PlaybackMethodは「ASIO Native」を選択

 最終的には、Foobar2000の「Output」の項目で、「ASIO:foo_dsd_asio」を選択。DSDネイティブ再生をする場合は、「Output」>「ASIO」でUSB DAC用のASIOドライバーを選択する必要がある。

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Preferenceの「Tools」>「SACD」で、Output Modeを選択する。対応したUSB DACなどを使っている場合は「DSD」。そうでない場合は「PCM」を選ぶ

 その後、「Tools」>「SACD」で、DSD再生のための設定を行なう。このときにPCM変換再生を選択すれば、非対応のUSB DACを使った場合でも、DSD音源の再生ができる。

 Windowsで、Foobar2000を使った場合のハイレゾ音源再生のための設定はこれで完了だ。あとは、必要に応じて使用するコンポーネントを追加すればいい。少々面倒な作業ではあるが、無料というのは大きな魅力だ。

メーカー純正ソフトや有料ソフトならもっと簡単に使える

 Foobar2000は無料だが設定などが面倒なことが難点。もっと簡単に使いたいという人もいるだろう。

 その場合、大きく分けて2つの方法がある。1つは、USB DACなどの製品に専用の再生ソフトが用意されている場合があるのでそれを利用すること。国内のオーディオメーカーでは、ソニー<6758>ティアック<6803>、コルグがソフトを用意している。

 専用ソフトというのは、メーカーが発売している特定のハードでのみ使用できる音楽再生ソフトのこと。

 ソフトをインストールするだけで、DSD音源も含めて再生のための準備がすべて整うので、非常に簡単に使える。

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ソニー<6758>の「Hi-Res Audio Player」。前回紹介したCAS-1でも使える
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ティアック<6803>の「TEAC HR Audio Player」

 ソニー<6758>の場合は、TA-ZH1ES用に「Hi-Res Audio Player」が用意されている(Windows/Mac)。ティアック<6803>の場合も、自社のUSB DAC用に「TEAC HR Audio Player」がある(Windows/Mac)。

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コルグの「Audio Gate 4」。デジタル出力が48kHzに限定されるが、ほかの機器でも使用が可能

 コルグの「Auio Gate 4」は、コルグのUSB DACに付属するソフト(Windows/Mac)。音楽再生だけでなく、ファイル変換やDSDディスク作成もできる点がユニーク。基本的にはコルグの製品の専用だが、有償アップグレードにより他の機器でも使用できることも特徴だ。

 機能的には決して多機能とは言えないが、音楽再生のために必要な機能は盛り込まれているので、難しい設定なして使いたい人は、こうしたソフトが利用できる機器を選ぶという手もある。

 こうした専用ソフトが用意されていない機種で、面倒な設定なしで使いたいのであれば、有料のソフトを利用する。

 有料ソフトだけに、CDリッピングから書き出しまで多彩な機能を備えたソフトや、独自の技術で高音質化を果たしたソフトなどさまざまなものがある。

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HQ Playerの画面。シンプルな画面でわかりやすい。初めての人でもなじみやすい操作画面だ

 おすすめは、Signalystの「HQ Player」(1万8110円)。ハイレゾ音源専用のソフトだが、日本語化も果たされているし、音質の良さで評判のソフトだ。

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MediaMonkyの画面。ブラウンの画面が独特。管理機能が充実しており、ライブラリー管理やタグ情報なども細かく編集できる

 また、充実した楽曲管理機能を備えた「MediaMonky」(24.95ドル)もある。こちらは無料のままでも機能限定版として使用できるので、とりあえず試してみたいという人には便利だ。

 そして、先ほど紹介した「AudioGate 4」も、ライセンスコードを購入(1万9980円)して、フルバーションにすれば、他社の機器でも使用が可能になる。

 他社の機器ではDSD音源の再生はリニアPCM変換再生となるなどの制約もあるが、音楽再生などは一通り行なえる。

Macであらゆるハイレゾ音源を再生するには?

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「Audirvana Plus」の画面。ライブラリー管理やプレイリスト作成も行えるが、聴きたい曲をドラッグ&ドロップするだけでもリストへの登録が可能。操作もシンプルでわかりやすい

 Macintoshで定番となっているのは「Audirvana Plus」(74ドル)。シンプルなインターフェースながら、DSD音源を含めてほぼすべてのハイレゾ音源ファイルの再生が可能だ。

 iTunesと連携し、操作はiTunesで行なうが音楽再生の信号処理は「Audirvana Plus」が担うため、より高音質の再生が可能になる(この場合、iTunesがサポートしないFLAC形式の音源などは再生不可)。

 有料のソフトはそれなりに高価になるが、音質的にも優秀で使い勝手も優れているので、Windows Media PlayerやiTunesから乗り換えて使う場合でも不満を感じにくいことも魅力と言える。

次回はスマホでハイレゾ再生する方法を紹介

 こうした再生ソフトを使用し、USB DACなどでオーディオ機器と接続すれば、PCでの音楽再生が大幅にグレードアップする。

 PC主体で音楽再生をしていて、ハイレゾ音源などにも興味があるならばぜひとも挑戦してみてほしい。

 次回は、スマホ用の音楽再生アプリを紹介。今やPC主体というよりも、スマホで音楽再生をしている人も少なくないだろう。そんな人がハイレゾ音源の再生を含めて、より高音質で音楽を楽しめる優れたアプリを紹介する。

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    最終更新: 11月16日(水)12時00分

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