クルマ好きの憧れ! 国宝級スポーツカー「日産 GT-R」をドライブ!

アスキー 11月19日(土)15時00分配信

スペック至上主義者に捧げる
最新自動車ゆるふわレビュー第3弾は日産 GT-R!

 最新のテクノロジーは最新の自動車にあり! をコンセプトに、アスキー編集部のスピーディー末岡とつばさが魅力的な自動車を街乗りでゆるふわにレビューする企画第3弾! サーキットなどで自動車の限界性能を追求するレビューではありません!

GT-R

 高級車を軽々と乗りまわす(?)つばさの、一般女子視点による自動車レビュー動画はのちほどYouTubeのアスキーチャンネルにアップ予定!

 クルマ好きにとって、「GT-R」の名は尊敬と憧れの象徴だ。量産車をベースにあらゆる部分に手を加え、その時代の最先端の技術をもってレースに投入、そして勝ちまくった。そして今でも世界中のスポーツカー、スーパーカーを相手に戦っている。

 ということで、今回お借りしたのは……

 日産 GT-R

の2017年モデル! 1969年から脈々と続く日産のレーシングスピリットの象徴だ。

エンブレムのRは不敗神話のR!
キングオブスポーツカー「GT-R」の歴史を振り返る

 現行GT-Rをレビューする前に、このGT-Rというクルマについて振り返りたい。GT-Rは日産のセダン「スカイライン」をベースに「スカイライン GT-R」として1969年に初代が誕生した。この初代GT-Rはなんと4ドアセダンのボディーで発売された珍しいタイプである(GT-Rは2ドアボディーがメイン)。一見するとファミリーカーのような立ち姿にレーシングスペックのエンジンというギャップは「羊の皮をかぶった狼」と呼ばれ、マツダ<7261>のロータリー「サバンナ」(RX-3)と国内のツーリングカーレースでしのぎを削っていた。余談だが、このサバンナにGT-Rの50連勝を阻まれたという苦い過去がある。

GT-R

 1973年に2代目スカイライン GT-Rが登場したが、エンジンが当時の排ガス規制に適合しなかったため、なんとわずか197台が生産されただけで、レースにも参戦せずに終了してしまう。この後、しばらくGT-Rは姿を消すことになる。

 2代目から数えて16年後、1989年に登場したのがR32型と呼ばれるスカイライン GT-Rだ。名実共にスカイライン GT-Rを一大ブランドにまでのし上げたのがこの3代目GT-Rである。8代目スカイラインをベースに日産の最先端技術だった電子制御で前後輪へのトルク配分を行なう「アテーサ E-TS」、同じく電子制御の四輪操舵システムである「スーパーハイキャス」、そして今でも名機と言われるエンジン「RB26DETT」が搭載された。馬力は自主規制いっぱいの280馬力を誇り、まさに公道を走れるレーシングカーだった。

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 輝かしい経歴のまま3代目R32GT-Rは1994年に生産終了。1995年にR33型へと生まれ変わった。しかし、この4代目R33GT-R。当時はまったく歓迎されなかった。その理由としては、コスト削減のため、シャーシをローレルと共有したことにより車体が大きくなってしまったこと。ずんぐりむっくりのボディーゆえに、R32のようなスパスパ曲がる爽快感がなくなったことなど。だが実際はR32より遙かに進化しており、世界中のクルマのベンチマークテストコース「ドイツ・ニュルブルクリンク」ではR32を大きく上回るタイムを記録している。当時は酷評されたが、今ではその性能が見直され、R33でなきゃ! というファンも多い。

 1998年にR33GT-Rは生産を終了し、次世代へとバトンタッチすることになるが……。1999年に誕生した5代目GT-RはR34型と呼ばれ、今でも根強い人気を誇っている。もちろんスペック的に極限まで進化をしたというのもあるが、2002年の排ガス規制に伴い姿を消すことになり、「スカイライン GT-R」として最後のモデルになったからだ。また、先代で不評だった大柄なボディーはシェイプアップされ、フロントマスクは精悍になった。様々な限定モデルが発売されたが、どれも即日完売してしまうほど大人気のGT-Rであった。また、ゲーム「グランツーリスモ」に歴代GT-Rが収録されたことで、飛躍的に世界的な知名度があがり、海外の熱烈なファンが増えたのもこの頃。

 2002年のR34GT-R生産終了とともに、再びGT-Rは雌伏の時を迎える。

GT-R

なんと570馬力! 世界中からターゲットにされる
GT-Rの最新モデルをなぜかアスキーが乗っちゃった!

 2007年にカルロス・ゴーン氏の肝いりで華々しく復活した日産 GT-R。この年の東京モーターショーは今でも覚えている。発表と同時にグランツーリスモのゲーム内でもアンベールされたのだ。そして数々のマイナーチェンジを行ない、気がつけば長寿モデルになっていた。最初は700万くらいだった値段も、今回乗った最新モデルで1000万越えである。

 今年の3月にビッグマイナーチェンジが発表された2017年モデル。その最新最良のGT-Rをお借りしたので乗り心地などをレビューしたい。今回も基本的には一般道、そしてちょっと首都高を走った。

GT-R
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 試乗したのは「GT-R Premium edition」。お値段は1170万5040円(税込)と、これまで乗ったクルマに比べれば安いが、先ほども述べたように最初は700万円台だったことを考えると、かなり値上がりしている。当然ながらテクノロジーも安全性も上がっているのだが。

 スペックを見ると、エンジンはV型6気筒、3.8リッターのツインターボで四輪駆動。最高出力が570PS/6800rpm、最大トルクが65kgf・m/3300-5800rpm。パワーは第1回で紹介したポルシェターボにも匹敵する。しかし、お値段はポルシェターボの約半額なんだから、ちょっとオトクな気がしなくもないが、気のせいだろう。

 サイズは全長4710×全幅1895×全高1370mmで、車重は1770kg。見た目どおり大きく、そして重い。動きが鈍そうではあるが、電子制御とパワーで軽快に走ってくれる。なお、SUPER GTでもGT-RのGT3バージョンが走っているが、レースカーにありがちなペッタンコではなく、ずんぐりむっくりだけど、やっぱり速い。

 一般道を走ってみると、その扱いやすさに驚く。なぜこんなに運転しやすいのだろうと考えてみると、アクセルのレスポンスが軽いからだ。ポルシェもメルセデスもアクセルペダルは結構重く、踏み込むにはある程度の踏力が必要だった。しかし、GT-Rは日本車だからか、そのへんはとても優しい。おかげでアクセル開度をキープしやすく、街中だとマーチのように乗れてしまうのだ。ブレーキ<7238>の効きも非常にマイルド。ガツンと効くのではなく、踏み込めば踏み込むほどジワーっと減速するので、カックンブレーキになりにくい。もちろん、すぐに止まりたい場合にはドンっと踏み込めばキュっと止まってくれる。サーキットと街中だとキャラクターが大きく変わるだろう。

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ミラーはそれほど大きくない
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テールランプはGT-Rのアイデンティティ!
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空力を考慮して、ドアの取っ手はボディーと一体化しているデザイン
GT-R
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タイヤは前が255/40ZRF20、後ろが285/35ZRF20と、前後ともに20インチだが後輪がやや太い

 GT-Rの主戦場はサーキットなのだが、街中でパフォーマンスを堪能できないかと言えばそうではない。車内にあるセットアップスイッチをイジることで、クルマの特性を大きく変えることができるのだ。スイッチは3つあり、デュアルクラッチトランスミッション、ビルシュタイン製DampTronic電子制御式ショックアブソーバー、VDC-R(ビークルダイナミクスコントロール)の制御状態を瞬時に変更できる。簡単に言うと、駆動系、足回り、横滑り防止の特性を3パターンから変更できるのである。

 すべてを「R」に入れると、そのままサーキットで走れるパフォーマンスになり、乗り味や操作性がかなりスパルタンになる。これでしばらく一般道を走ったが、正直かなり疲れてしまった。エンジン回転数を上まで引っ張るシフトタイミングになり、足回りはガチガチ、電子制御の介入は最小限になる。燃費は悪くなるし、乗り心地は悪い。ただ、サーキットでは速いだろうと容易に想像ができる。

 また、Rモード限定で「Rモード発進」ができるようになる。これは停車時からとんでもない速度で発進加速できるモードで、マリオカートのロケットスタートを想像してもらえるとわかりやすい。サイトには「ムチ打ちなどに注意して正しい運転姿勢で云々」と注意書きがしてあるほど強烈なモードらしい。筆者はビビってやらなかったのだが、編集部三宅がチャレンジしたところ「脳が崩れんばかりの加速だった」と供述している。景色が止まる加速のようだ。

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フロントフェンダー近くにもGT-Rのエンブレムが!
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ボンネットは凹凸のついたデザインで、大きくないエアダクトもある
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ヘッドライトのデザインは初代からさほど変わらないが、ややシャープ<6753>になった

 スイッチをコンフォート寄りにすると、とんでもなく乗りやすくなる。これがニュルブルクリンクのレコードホルダーか! と思うほど。多少ロードノイズはあるが、路面のギャップはほとんどショックアブソーバーが吸収してくれる。セダンに乗っているかのような快適性だ。セミバケットシートもちょうど良いホールド感で左右のGも気にならない。スピーカーはBOSE製なので、好きな音楽を良い音で聞くこともできる。しかも4人乗りなので、ファミリーカーとしても使える……と言いたいところだが、リアシートはポルシェターボと同じくらいの狭さで、身長180cmオーバーの編集部フジ<8278>君が乗っていたが、首が折れそうだったという。

マルチファンクションディスプレイが
ドライバーをその気にさせる!

 GT-Rの名を世界に知らしめたのはゲーム「グランツーリスモ」の影響が大きいと書いたが、これがキッカケでゲーム制作会社のポリフォニーが「マルチファンクションディスプレイ」を担当している。ここにはあらゆるクルマの状態を表示でき、油圧や油温、水温だけでなく、アクセルやブレーキ<7238>の開度(踏力)、ブーストメーター、トルクの分配などがすべてデジタルデータ化され、ログがとられている。プリセット以外に、自分で好きな項目を追加・変更できるうえ、タイムロガー(タイム計測機能)もあるので、サーキット走行では重宝しそう。ただし、ナビが使えなくなってしまうので、街乗りで使うことはほとんどないかもしれないが、このようなデータがリアルタイムで動いているのを見るのは「その気」にさせてくれるので、筆者はナビが必要ない場所では常に表示させていた。

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マルチファンクションディスプレイの起動画面。ポリフォニーのロゴが見える
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これはブーストメーターを大きく表示し、ハンドルの切れ角と、トルクの前後配分をモニタリングするプリセット
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アクセルとブレーキ<7238>の開度をリアルタイムでモニタリングしてくれる
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街乗りではまったく必要がないタイム計測モード
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表示させるメーターは自分の好みに合わせて変更できる

 また、最低地上高は110mmなので、段差がある場所は多少気を使わないといけない。段差が大きそうなコンビニやファミレスなどは、ゆっくり角度を付けながら侵入しないと擦るだろうし、急な坂も危険だ。輪留めの高さによってはチンスポイラーをガリっとやってしまいそうなので、前向き駐車も危険といえる。

 唯一不満だった点は、意外と取り回ししにくいところ。車幅感覚の慣れもあるかもしれないが、駐車場などでかなり切り返さないとうまく入れられなかった。ポルシェターボもメルセデスも一発で駐車できたのだが……。これはつばさも苦戦していた。われわれ以外に運転した編集部三宅によると「慣れだよ慣れ。俺は普通に動かせたよ」とのことだったので、ただ単に慣れていなかっただけなのかもしれない……。

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スポーツカーらしいステアリング。ある程度の太さがあるので握りやすいし、パワステとは言え重量感があるので高速安定性はバツグン
GT-R
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スマホだBluetoothオーディオだと連携できるので、それらの操作を手元で行なえる

 ドイツ車2連発のあとに日本車だが、やはり日本人には日本車が合うのか、細かなところまで気が利くというか、安心して気張らずに乗れた。巨大なボディーと最先端の電子制御と安全性能で、事故らないのは当たり前だが事故られても大事には至らないだろうという信頼感がある。GT-Rがこんなに街乗りしやすいクルマだと思わなかった。それでいて、サーキットでは国内外のスーパーカーを相手に互角以上のポテンシャルを発揮する。それが1170万円で買えるなんて、日本車はなんてオトクなんだろう(買えないけど)。

GT-R
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エンジンは職人によるハンドメイド。シグネチャーももちろんある!
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一応、4人乗りなので家族を説得する材料になる
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シフトレバーだけ見るとオートマ車のようだ
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リアシートにはカップホルダーがなぜかひとつしかない。争奪戦間違いナシ!
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エンジン始動はこの赤いボタンで行なう。自爆スイッチではない
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エアコンは運転席、助手席で独立して操作できるが、同時も可能
GT-R
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これがセットアップスイッチ。右の写真はすべてRモードに入れている
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ドアの内側も革張りで、取っ手の部分にもレザーが巻かれている
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2ペダルマニュアル(デュアルクラッチ)なので、ペダルは2つしかない。AT免許でも運転可能
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トランクは結構広いので荷物もそこそこ収納できる
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車内のスピーカーはBOSE製
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ルームランプなどのスイッチ。かなりスッキリしている
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バックミラーに映る後方はやや見切りが悪い
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このようにBluetooth接続機能を持つオーディオ機器ならペアリングできる。機器名が「MY GT-R」と表示されるのは、ちょっと良い気分
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ディスプレーの解像度がいいのか、ナビがとても見やすい。左が昼間で右が夜間
GT-R
ネットと接続して、このように駐車場の満空情報なども受け取ることができる
GT-R
メニュー画面。アイコンが大きく見やすい
GT-R
走行中はタイヤの空気圧をリアルタイムで表示してくれる
GT-R
GT-Rはこう見えて☆4つの低排出ガス車。エコ運転で燃費を良くしよう!
アスキー
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    最終更新: 11月19日(土)15時00分

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