ADATAがM.2 SSDを投入! 「XPG SX8000」の実力は?

アスキー 2016年11月27日(日)12時00分配信

 ヒートシンクを装備し、価格もそれまでの製品と比べてグッと抑えられたPLEXTOR「M8PeG」シリーズを皮切りに、TLC 3D NANDフラッシュ採用のインテル「600p」シリーズと続々と新製品が登場しているNVMe M.2 SSD。

 最近ではNANDフラッシュに東芝製MLCを採用し、公称転送速度がシーケンシャルリード2750MB/sec、同ライト1500MB/secと高速ながら、容量256GB(型番:PHM2-256GB)で1万1200円、512GBで2万1180円(型番:PHM2-512GB)となるNVNe M.2 SSDが磁気研究所から登場している。

ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
再入荷を待っている人も多いだろう磁気研究所の「PHM2-GB」シリーズ。流通量が増えれば、MLC NANDフラッシュを採用したM.2 SSDの価格基準になるかも

 まさにM.2 SSDの戦国時代到来といった感じのなか、ADATAから12月上旬に発売予定となっているNVMe1.2規格のPCI Express Gen3 x4対応M.2 SSD「XPG SX8000」シリーズをいち早く手にできたので、そのパフォーマンスをチェックしよう。

ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
11月下旬に発売予定となっているADATAの最新NVMe M.2 SSDの「XPG SX8000」シリーズ

後発だけに期待が高まる「XPG SX8000」シリーズ

 「XPG SX8000」シリーズは、ADATA初となるNVMe1.2規格のPCI Express Gen3 x4対応M.2 SSDになる。

 現時点で国内販売予定の容量ラインナップは128GB/256GB/512GBの3モデル(1TBモデルは型番、スペック未確定)で、NANDフラッシュには2D MLC NANDよりも耐久性がアップしている3D NANDだ。

 コントローラーはSilicon Motion「SM2260」を採用し、NANDフラッシュの一部をSLCモードで動作させる「SLCキャッシング」とDRAMキャッシュで、高速化を図っているという。

ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
容量512GBモデルの「ASX8000NP-512GM-C」

 最大転送速度はシーケンシャルリード2400MB/sec、同ライト1000MB/sec、ランダムリード10万IOPS、同ライト14万IOPSとなっている。なお、ADATAのサイトには最大値しか明記されていなかったため、容量ごとの転送速度を同社に確認してまとめてある。

NANDとDRAMキャッシュは裏面にも搭載

 ここからは実際に容量512GBの「ASX8000NP-512GM-C」を見ていくと、基板表面にはNVMe1.2規格のSilicon Motion製コントローラー「SM2260」に加え、Micron製NANDフラッシュ×2枚、DRAMキャッシュ(DDR3Lメモリー)×1。そして裏面にもMicron製NANDフラッシュ×2枚とDRAMキャッシュ×1を搭載する両面実装となっていた。

ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
コントローラーに加えて、両面あわせてMicronの3D MLC NANDフラッシュが4枚、DDR3LメモリーのDRAMキャッシュを2枚搭載
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
コントローラーはインテル「600p」シリーズにも採用されているSilicon Motionの「SM2260」を採用。ヒートスプレッダーの役割となる銀色のシールが貼られているのも同じだ
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
Micronの3D NANDフラッシュメモリーで、FBGA Code「NW825」の「MT29F1T08CMCBBJ4-37:B」を両面あわせて4枚(128GB×4枚)搭載する
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
DRAMキャッシュはDDR3L-1600 256MBのNANYA「NT5CC128M16IP-DI」。DRAMキャッシュの容量は両面あわせて512MBになる

パフォーマンス計測前に思わぬ落とし穴が……

 続いては、LGA 1151マザーボードのM.2スロットに「ASX8000NP-512GM-C」を搭載して、パフォーマンスをチェックしていこう。

 OSは別に用意したSSDから起動し、各種ベンチマークは「ASX8000NP-512GM-C」になにもデータが書き込まれていないクリーンな状態で実行している。検証機材の詳細は以下の表の通り。

 各種ベンチマークを実行する前に、いきなり問題が発生してしまった。OS起動用として使っていないにも関わらず、「CrystalDiskInfo 7.0.4」を起動すると、温度が61度のレッドゾーン表示に……。

 念のため「HWiNFO64」で温度を確認すると最小でも57度と、かなり不安になる温度を記録していた。試しに「CrystalDiskMark 5.1.2」の最小データサイズとなる50MiBを実行してみると、シーケンシャルライトのテストスタート時には70度にまで達してしまった。

ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
トップフロー型CPUクーラー使用時は、M.2スロットにエアフローが生まれるASUS「Z170M-PLUS」

 CPUソケット直下にM.2スロットがあるASUS「Z170M-PLUS」とトップフロー型CPUクーラーの組み合わせで、アイドル時60度オーバーになってしまうのは想定外。

 そのため今回のテストでは、マザーボードのファンコントローラー機能で、CPUクーラーの回転数の最低値を2300rpm程度に設定。アイドル時に49度前後になるようにしてテストを行なうことにした。

ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
室温24度程度のバラック状態で、アイドル時61度なので、PCケース内では……
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
アイドル状態での温度が高いので、データサイズ50MiBの完了前に、70度まで上昇してしまった

 ASUS製マザーボードでしか試していないので相性の可能性も捨てきれないが、PCI Express×4変換カードに搭載した際も、アイドル状態で57度になっていた。また、OS起動直後が50度台だったこともあったが、「ASX8000NP-512GM-C」にリード、ライトアクセスがまったくない状態でも徐々に温度は上昇し、結局57度前後になってしまった。コントローラーがなにかしら作業を行なっているのだろうか。

 なお、パフォーマンスが低下するサーマルスロットリングのしきい値は65度前後と低めになっているようだ。

 相性問題の可能性や発売前の製品のため、断言はできないが、安定したパフォーマンスを発揮させるには、PCケースフロントファンからのエアフローがある位置にM.2スロットを備えるマザーボードで運用するか、コントローラーなどにヒートシンクを取り付ける冷却対策は必須だろう。

ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
65度を超えるとパフォーマンスが低下したので、サーマルスロットリングのしきい値は65度前後だろう

公称値を上回るパフォーマンスを発揮

 出だしから、かなり躓いてしまった「XPG SX8000」の容量512GBモデル「ASX8000NP-512GM-C」だが、ベンチマークの「AS SSD Benchmark 1.9.5986.35387」、「ATTO Disk Benchmark 3.05」、「CrystalDiskMark 5.1.2」の3種類で、パフォーマンスをチェックしていこう。

 まずは「CrystalDiskMark 5.1.2」でデータサイズの違いによる影響だ。50MiB~32GiBの9つのデータサイズを実施すると、各サイズで大きな差は出ず、シーケンシャル(Seq Q32T1)リードは2400MB/sec前後、同ライトは1180MB/sec前後を安定して記録。

 ランダム(4K Q32T1)もリード400MB/sec台、ライト600MB/sec台になっており、IOPS換算では公称値のリード10万IOPS、ライト14万IOSPに達している。

ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
50MiB
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
100MiB
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
500MiB
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
1GiB
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
2GiB
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
4GiB
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
8GiB
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
16GiB
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
32GiB

CrystalDiskMarkと同じく
高パフォーマンスを発揮

 続いては「AS SSD Benchmark 1.9.5986.35387」と「ATTO Disk Benchmark 3.05」の結果を見ていこう。

ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
AS SSD Benchmark 1.9.5986.35387のMB/secとIOPS表記
ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
ATTO Disk Benchmark 3.05の結果

 PLEXTOR「M8Pe」シリーズなどの最新M.2 SSDだと正常にパフォーマンスを計測できなかった「AS SSD Benchmark 1.9.5986.35387」だが、「ASX8000NP-512GM-C」は問題なく、シーケンシャルリード1667MB/sec、同ライト1119.29MB/sec、ランダムリード400.31MB/sec(10万2480IOPS)、同ライト574.74MB/sec(14万7133IOPS)を記録。こちらもランダムリード、ライトはしっかり公称値を超えている。

 データサイズで多少ブレる傾向が出たが、「ATTO Disk Benchmark 3.05」も問題なく計測でき、最大値はリード2150MB/sec、ライト1193MB/secの好結果を出している。

後発製品だけにやや物足りなさを感じるが
妙に自作心をくすぐるエッジが効いた製品

 悪くないパフォーマンスを発揮した「XPG SX8000」シリーズの容量512GBモデル「ASX8000NP-512GM-C」だが、やはり冷却対策がマストになりそうな点と、256GBで1万4000円前後、512GBで2万8000円前後という、もう少し足すとヒートシンクを装備し、ランダム性能が高いPLEXTOR「M8PeG」シリーズが購入できてしまう価格帯は微妙だ。速度面に不満はないので、ヒートシンク実装版の販売や、価格の下落に期待したいところだ。

ADATAの最新M.2 SSD「XPG SX8000」
ADATA初のNVMe M.2 SSDとなる「XPG SX8000」シリーズ。性能は申し分ない。ただし動作温度は、テスト環境固有の可能性が捨てきれないが、選択肢が増えているNVMe M.2 SSD戦線に参戦するには、いまひとつだろう

 ADATAに確認したところ、SSDの温度についてはこれで問題ないという。問題ないから販売するのは至極当然なわけだが、アイドル時の温度が60度を超えているのはユーザーにとっては気になるところ。むしろ、この温度問題をいかに克服するか、ユーザー側の工夫が試されている気がするくらいだ。ある意味、自作マニアの改造心をくすぐる製品に仕上がっているとも言えるだろう。

アスキー
もっと見る もっと見る

【あわせて読む】

    最終更新: 2016年11月27日(日)12時00分

    【関連ニュース】

    【コメント】

    • ※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

    【あなたにおススメ】