ハイエンドSIMフリースマホ、ZTE「AXON 7」を自腹購入で使い続けた結果

アスキー 12月03日(土)12時00分配信

ハイエンドで価格も抑えめ
ZTE「AXON 7」

 これまで筆者のメインAndroid端末は「Blackberry Passport」だったのだが、そろそろ買い替えを検討していたところ、ZTEの「AXON 7」が発売されたので購入した……のだが、購入早々に不具合を発見してしまい、何度かの交換があったのち、いまではすっかり良い子ちゃんになった。このAXON 7、Snapdragon 820搭載機としては6万5000円前後(税込)という価格で、ハイスペックをキープしつつ攻めているSIMフリー端末だ。

AXON7
ZTE「AXON 7」。カラバリはイオンゴールドとクオーツグレイがあり、今回はクオーツグレイを選んだ

持ちやすいが好みが分かれるデザイン

 AXON 7はディスプレーに5.5型有機ELを採用しており、正面から見ると上下にあるスピーカーが存在感を主張している。ナビゲーションキーはタッチ式になっており、ディスプレー内に表示される仕様ではなく、有機ELで懸念材料となる焼き付きを回避するためのレイアウトだろう。背面を見るとラウンドフォルムがよくわかり、それに加えて本体正面の端も段階的なカーブを描いており、とても持ちやすいデザインになっている。

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本体正面
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設定からナビゲーションキーの機能を入れ替えできる

 背面には2000万画素のアウトカメラ、LEDライト、指紋センサーが用意されている。アウトカメラについては後述するとして、指紋センサーは検出精度と反応速度がよく、指先が濡れてでもいない限り、まずロック解除に成功する。最大5つまで指紋を登録でき、指紋ごとに設定したアプリの起動も可能。

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本体背面
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本体上部にはヘッドフォン端子とサブマイクがある
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本体下部にマイクとUSB Type-C

 パネルは有機ELを採用しており、解像度は1440×2560ドットの515ppi。Googleのスマホ向けVRプラットフォーム「Daydream」準拠のVRゴーグル開発を宣言しているため、それに見合うものとなっている。発色は良好で見ていて気持ちいいのだが、デフォルトの設定だとやや彩度が高く、なるべくフラットがいいのであれば、ディスプレーの彩度設定からナチュラルを選ぶといい。

 ディスプレーの強化ガラスは「Gorilla Glass 4」を採用しているため傷には強いのだが、約1ヵ月ほどカバーなしで使ったところ、細かい傷が入っていた。保護フィルムや強化ガラスが発売されているので、なるべく装備しておいたほうがいいだろう。

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晴天下ではやや画面は見にくいが、薄い曇り空だとハッキリ見えた。使用しているのはAmazonで購入した強化ガラス。端っこまでは保護されていない
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画面の彩度設定。色温度も変更可能

 スペックについては、Snapdragon 820、メモリー4GB、内蔵ストレージ64GB、バッテリー容量3250mAhと、他のメーカーのハイエンドモデルと同等だ。また、DSDSに対応しているため、格安SIMとの組み合わせも考慮できるのだが、バンド18に対応しておらず、au網のMVNOは論外。CAはdocomo網のバンド3+バンド19のみなので、活用できるシーンはかなり限定される。

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SIMカードスロット。SIMカードスロット2は、microSDXCカードスロットとの排他仕様
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付属のSIMトレープッシュピンはゴムカバーがあり、キーホルダー的に持ち運びしやすい
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付属のイヤホン。このほか、microUSB-USB Type-C変換アダプター、USB Type-Cケーブル、ACアダプター、AXON 7用クリアジャケットが付属する

サウンドシステムが映画館のよう!
ステレオスピーカー×Dolby Atmos×DAC

 AXON 7は映像だけでなく、サウンド面にも力を入れている。これは2016年後半から2017年にかけてのスマホシーンのキーワードにもなりそうな部分だが、AXON 7はステレオスピーカーからの再生にはDolby Atmos、ヘッドフォンジャック用に旭化成<3407>エレクトロニクスAK4490、オーディオチップAK4961を採用している(AK4961がスピーカー側にも使用されているのかは不明)。

 Dolby Atmosは、劇場やホームシアター向けとして登場したものだが、モバイルも視野にいれた規格であり、Dolby Atmosに対応したデータの場合は、左右の広がりだけでなく、上下にも広がるサウンドを楽しめる。ただ、Dolby Atmosに対応したデータを気楽に楽しめるサービスは現時点では用意されておらず、自分で素材を探すしかない。

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スピーカー用の穴が横に並ぶため、すべてスピーカーなのかと思ったのだが、耳を近づけてみたところ、赤い楕円の部分にスピーカーを確認できた
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ドルビーデジタルプラスから設定に入れる
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Dolby Atmosの設定画面。デモが用意されており、効果を確認できる

 またDolby Atmosに対応していないデータであっても、Dolby Atmosデコーダーを通り、広がりのあるサウンドになるため、動画を見る場合のご満悦度は高い。ステータスパネルのDolbyアイコンからオンオフもできるため、これも店頭で違いを試してよく判断してほしい。ちなみに筆者宅だと、作業時にBGV再生機としてよく活躍してくれている。

 ヘッドフォンを接続すると、Dolby関連の機能は自動的にオフになり、そのかわり「標準」か「スーパー」が適用される。説明文によると「標準」はHi-Fiの音響品質を楽しめるもの、「スーパー」は高級音質とオーディオパフォーマンスを楽しめるものと記載されている。24bit/96kHzのデータで聴き比べてみた限りでは好みの問題で、自分の耳に合うほうを選ぶといいだろう。

 Dolby関連の機能は任意でオンにできるが、左右にきっぱり分かれすぎている感があるため、音楽視聴よりは動画視聴のときに有効化してみるといい。Dolby Atmosはヘッドフォンにも対応しており、上記の機能とヘッドフォンで、どの組み合わせが自分に合うのか探ってみるのもいいだろう。

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ヘッドフォン向けの設定画面

 発表会ではZTEと旭化成<3407>エレクトロニクスが協力し、開発段階からノイズ対策を行なったと発言していたが、筐体内のノイズを拾ってしまっていた。Wi-Fi接続時にストリーミングで音楽を聴いている場合はあまり気にならないが、モバイルデータ通信時は、静かな曲だとノイズがよくわかってしまう点は、出音がいいだけに残念だ。

地味めのカスタム機能が豊富

 ヘタにゴテゴテと独自機能ばかりにすると、逆に挙動が怪しくなるというのは、過去にいくつかの事例があるが、AXON 7はそこそこ独自機能を搭載しているものの、ストレスにならないものが多い。

 例えば、Mi-Popは片手操作向きのランチャーで、5つの機能を割り振れる。「戻る」や「ステータスバー」「スクリーンショット」などが、メニューキー機能もあるため、一部のアプリ操作時に効果的だ。また「ジェスチャー」はダブルタップでスリープ状態を解除、指紋回りの設定やナビゲーションキーの変更、手袋モードも用意されている。

操作の邪魔になる機能はないのだが、ナビゲーションキーと有機ELが近すぎるため、誤タップ率はやや高くなりがち。さらにナビゲーションキーにバックライトがないため、薄暗い場所で押しにくいという難点がある。輝度自動調整機能は大雑把かつ、不安定なので個人的にはオフを推奨したい。

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ホーム画面はiOS的な路線
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Mi-Popの設定画面。5つのボタンに機能を割り当てられる
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登録した指紋にアプリを割り当てると、その指紋でアンロックするとそのアプリが起動する。カメラを割り当てておくと小便利

 電源管理はデフォルトで「スマート省電力」が有効になっている。これはCPUとGPUの調整を行なうと説明があるのだが、もたつくような状況になることもないため、基本的にオンで問題ないだろう。オフにするのはゲームプレー時くらい。「ウルトラパワーセーブ」は画面をモノクロにして、通話とSMSのみの状態にするというもの。Wi-Fiやモバイルデータ通信はオンにできるため、長時間使用したいときに最適だ。

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電源管理の画面。「スマート省電力」のオンオフはステータスパネルからも可能だ
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「偏光フィルター」は、極端に明るい場所で画面を見やすくするという機能なのだが、いまいち効果が薄い。状況を問わず、暴発しているときもあるので、基本的にオフでいい

 バッテリー駆動時間のテストは、Amazonビデオの連続再生で検証してみた。データ通信はWi-Fiにして、自動輝度調整はオンだ。1時間で約10%の消費傾向にあり、3回のテストの結果、最終的に9時間10分前後の動作を確認した。モバイルデータ通信の場合は、移動しながらウェブブラウズやSNSの操作を繰り返したところ、1時間で12~13%の消費だったが、Quick Charge 3.0対応なので、充電速度の速さでその点は補えるだろう。

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3DMARKの結果。左はSling Shot using ES 3.1、右はIce Storm Unlimited

コストカットを感じられる
カメラのチューニング

 アウトカメラは2000万画素、F1.9と高画素+明るいレンズという構成だ。条件付きでいい描写をしてくれるが、カメラ任せで撮影すると晴天以外は厳しく、入射光を見たり、設定を調整するとキレイに写ることがある。明るくしようとする動きが強いので、露出補正(±12段階、0.1刻み)で-2.0~-4.0にすると落ち着いた感じになりやすい。見ているように色を決めるのではなく、ホワイトを取ろうとするため、ご飯写真はまず美味しく撮影できない。

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マニュアルモードの調整項目は豊富。設定からは測光パターンの変更も可能

 回避策としてはマニュアルモードを活用する。マニュアルモードはシャッター速度、ISO、露出補正、ホワイトバランス、撮影間隔、フォーカスを設定でき、ホワイトバランスが50K刻みで調整なところを利用していくと、それなりに美味しそうに撮影できる。

※写真はすべて原寸大で掲載しています。1枚につき、3~7MBほどありますので通信量にご注意ください。

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左がカメラ任せ、右がマニュアルモードで撮影したもの
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通路でのサンプル。左はカメラ任せで、シャドウもハイライトも出そうと奮闘している。右は露出補正-5.0してみたもので、味のある雰囲気になった
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日中の場合も露出補正は明るめなので、少し下げるステップは必要
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状況がいいとそのまま撮影できそうなプレビューになるが、エンカウント率は低め
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カメラ自体の素性は良さそうなので、ソフトウェアをどうにかしてほしい
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例外的に、日中のご飯写真はいい感じになる
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マニュアルに切り換えたとき、最後に設定した状態を記憶しているため、よく撮影するときの設定を作っておくのもアリ
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カメラ任せで撮影した場合、この手の写真は得意のようだ
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光学手ぶれ補正を搭載しているが、夜間はISOは高くなるため、ノイズが出がち。マニュアルモードで撮影したほうがいい
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シャッター速度は最大23秒まで行けてしまう仕様なので、三脚があれば夜間は強い

【まとめ】ハードの仕上がりは上々!
あとはソフトウェア側のチューニングだ

 有機ELディスプレーにCPUはSnapdragon 820、ステレオスピーカーとエンタメ向けの要素を押さえつつ、ハイスペックな構成でハードの作り込みはとても上々だ。指紋センサーの反応もよく、ストレスは感じていない。6万5000円前後(税込)の価格からすると、予算を押さえつつハイスペック端末が欲しい人であれば、まず候補に挙げていいだろう。

 その反面、ソフトウェア側に疑問を覚えることが多い。応答性は良好なのだが、ローカライズの怪しい部分やカメラが微妙な点、効果がわかりにくい機能の存在など、アップデートによる修正を期待したい。価格相応といえばそれまでだが、ホームアプリを変更するか、自己責任でやんちゃを決めるか、もしくは慣れてしまうか。ネガの部分を自身で解消できるならコスパの良いスマホなのは間違いない。

アスキー
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    最終更新: 12月03日(土)12時00分

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