エクサバイトをAWSへ!写真で見る「AWS Snowmobile」

アスキー 12月05日(月)07時00分配信

先週行なわれた「AWS re:Invent 2016」では、データセンターの大容量データをアプライアンスでAWSに運搬する「AWS Snowball」の新モデルが登場! さらにエクサバイト規模のデータ移行を可能にするコンテナ型の「AWS Snowmobile」がトラックで登場し、基調講演会場の観衆の度肝を抜いた。

AW
基調講演の最後、トラックで運ばれてきた「AWS Snowmobile」

Snowballの発表から在庫の10倍の発注

 昨年のre:Inventで目玉の新発表だった「AWS Snowball」は、大容量データのクラウドへのマイグレーションという課題に対して正面から向き合って生まれたサービスだ。

 データセンターのシステムをクラウドに移行するには、どうしてもデータが大きな足かせとなる。あまり容量が大きくなければ、ネットワーク転送でも問題ないが、テラバイトの規模だと時間とコストがかかりすぎて、事実上難しい。エクサバイトであれば、なおさら。「エクサバイトになると、10Gbpsの専用線を使っても、転送に26年かかってしまう」と基調講演で登壇したCEOのアンディ・ジャシー氏は語る。

 これに対して、AWS Snowballは耐久性に優れたストレージボックスをユーザーのデータセンターに送り、データをコピーしたら、AWSにまで運搬するというサービスだ。セキュリティに考慮し、ユーザーデータはアプライアンスにコピーすると自動的に暗号化されるとともに、Amazonでの買い物と同じく、トラッキングも可能になっている。

 ユニークなAWS Snowballだが、ジャシー氏は、「発表から1週間で在庫の十倍の発注を受けた。かなりのエンタープライズ企業がデータをSnowballで移行した。Snowballと自撮りするユーザーも数多くいた」と市場に受け入れられたことをアピール。残念ながら日本にはまだ上陸していないが、米国でのニーズはとても高かったわけだ。

コンピュート機能を追加した「AWS Snowball Edge」

 ユーザーのフィードバックを受けて、今回発表された「AWS Snowball Edge」はAWS Snowballの倍の容量となる100TBに対応し、ネットワークの伝送速度も4倍高速になった。Wi-FiやLTE/3Gネットワークも追加され、Amazon S3のエンドポイントとなるNFSインターフェイスも新たに備える。さらにラックマウントが可能になったほか、複数台でのクラスタリングにも対応。データセンターに格納し、ストレージプールとして利用できる。

AW
高い堅牢性やセキュリティを保ちつつ、容量や処理能力を向上したAWS Snowball Edge

 従来のAWS Snowballは純粋にストレージとしての機能しかなかったが、AWS Snowball Edgeはコンピューティング能力を持つ。格納されたデータに対して、一定の処理を行なえるわけだ。具体的にはEC2のm4.4xlargeインスタンス相当の能力と、IoT向けサービスとして発表されたAWS Greengrassを搭載。AWS Lambdaを使って、センサーデータの収集や分析、マルチメディアデータのコード変換、画像圧縮などのデータ処理を行なえる。

AW
AWS Snowball Edgeはコンピューターの能力も持つ

 ジャシー氏は「オレゴン州はさまざまな海洋研究所があるが、今までは海上で集めたデータをテープにロードし、それを陸上に戻ってコピーするという作業を行なっていた。だが、Amazon Snowball Edgeであれば、海上から陸上まで移動する間に集めたデータのアナリスティックを行なえる」と利用イメージを語った。

AW
展示会場のAWSブースにあった初代AWS Snowball(左)とAWS Snowball Edge(右)。意外と大きさが違うが、容量はEdgeの方が2倍大きい
AW
耐水性や耐障害性も大きな売り。耐水実験も行なわれていた
AW
Snowball Edgeはラックマウントが可能。手前にはタッチパネルのディスプレイがある

 Edgeという名前の通り、単なるデータ運搬用マシンという位置づけのみならず、クラウドの手前で事前処理をかけるようなコンピュータと考えると面白い。

専用線で26年かかるエクサバイトのデータを半年で移行

 Snowballの容量はかなり大きいが、今となっては100TB程度ではニーズは満たせない。ジャシー氏は、「AWSを立ち上げた当時、エクサバイトのデータなんて想像も付かなかった。でも、現在エクサバイトは普通だ。エンタープライズや成功したスタートアップが、エクサバイトのデータを移行するのには1万台のSnowballが必要になる」と語る。

 これに対して今回発表されたのが、エクサバイト級のデータ移行を実現する「AWS Snowmobile」だ。ジャシー氏の基調講演の会場にいきなりトラックが登場するというド派手なデビューをキメたAWS Snowmobileは、物理的には長さ45フィートの耐タンパー性のある輸送コンテナ。100PBの容量を持っており、コンテナの40Gbpsのリンクをデータセンターのネットワークにつなぐと、NFSサーバーとして見える。

AW
AWS Snowmobileの外装は45フィートのコンテナ
AW
消火設備も備えるAWS Snowmobileの背面。コンテナ型データセンターのような感じか
AW
AWS Snowmobileの前にはレゴのSnowmobileが展示。なぜレゴか? 写真をクリックして、AWSジェフ・バー氏のブログ(翻訳)を読んでいただきたい!

 ユーザーがデータをAWS Snowmobileにコピーし、トラックがAWSに搬送すれば、Amazon S3やAmazon Glacierにデータがロードされる。「エクサバイトクラスのデータでも、AWS Snowmobileを10台使えば、6ヶ月程度でデータ移行が実現する」とアピールする。

 オンプレミスからクラウドへの移行について、AWS自身がここまで手厚くサービスを推進しているのは、やはり来期登場するVMware on AWSでの移行需要を見据えていると思われる。クラウドに乗り換えない理由を次々と破壊していくAWS。日本でのSnowballの導入が待ち遠しい。

アスキー
もっと見る もっと見る

【あわせて読む】

    最終更新: 12月05日(月)07時00分

    【関連ニュース】

    【コメント】

    • ※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

    【あなたにおススメ】