驚きの品薄状態が続く「Xbox One S」の目玉である4K UHD BDを解説!

アスキー 12月12日(月)12時00分配信
4KBD

 11月24日に発売された「Xbox One S」(直販価格 3万7778円)。従来機より本体体積を約40%小型化しながらも、4K対応を果たした注目のゲーム機である。

 日本においては「Xbox One」の認知度があまり高くないため、そんなに急いで買わなくてもいいのではないか……と思われたが、なんと即日完売。現在のところ品薄の状態にある。

 そんなXbox One Sの魅力のひとつが、UHD BD再生を含む4Kコンテンツへの対応だ。現行の地デジ放送やBDソフトなどのHDコンテンツに対し、4Kなどの高精細な映像はまとめて4Kコンテンツと呼ばれている。

 2015年にスタートした4K試験放送(現在はスカパー! 4Kに統合)をはじめ、動画配信サービスでの4K映像の配信など、着実にコンテンツが増えてきたが、なかでも画質においてもっとも優れているとされるのが、UHD BDソフトである。

 同じく4K対応のゲーム機である「プレイステーション4 Pro」(以下PS4 Pro、希望小売価格 4万8578円)はUHD BDの再生には対応しないので、Xbox One Sのアドバンテージと言えるだろう。

3万円台で買える「Xbox One S」は
4K対応でUHD BDの再生が可能!!

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Xbox One S
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4K&HDR対応のHDMIケーブルが付属する
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電源が内蔵されたので外に出る電源ケーブルはこれだけ

 実は4Kコンテンツの波は、ゲームの世界にも到来している。すでにハイエンドPCを使ったゲームの世界では、4K解像度でレンダリングしてゲームをプレイするユーザーが少なくないし、ゲームソフト側でも4Kレンダリングに対応した精密な映像のためのデータを持つタイトルも少なくない。

 そんなタイミングで登場したのが、PS4、Xbox Oneの上位グレード機であるPS4 ProとXbox One Sだ。

 どちらも4K表示に対応するなど、主にグラフィック能力を向上したことが大きな特徴。ゲームソフトとしては基本的にPS4用、Xbox One用が使用できる。

 PS4 Proも、高精度な4Kアップコンバートによる4K表示、HDR対応といった高画質性能を持つが、残念ながらUHD BDの再生には非対応。Netflixなどの動画配信サービスでは4K+HDRコンテンツを楽しめるが、オーディオ&ビジュアルに興味がある人にはちょっと残念なところだ。

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出力解像度の設定。「4K」が選べる
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色深度は32bitまで選択できる
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ダイナミックレンジの設定。「自動」を選ぶこともできる
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BD再生アプリをダウンロードする必要がある。Xbox One S用に用意された4K対応アプリだ

 Xbox One Sは、アップコンバートによるゲームなどの4K表示、HDR対応はもちろんのこと、Netflixのような動画配信サービスの4K+HDRコンテンツにも対応。そして、UHD BDの再生が可能になっている。

 従来モデルに比べて、本体サイズが体積比で40%減少したスリムサイズを実現したこと。本体のほかにそれなりの設置スペースを必要とした大きなACアダプターも内蔵となったので設置性が大幅に向上しているなど、かなり魅力を増したものになっている。

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本体背面。HDMIの出力はもちろん、入力も備える

 また、Xbox Oneと同様にHDMI入出力を備えているので、CATVチューナーやBDレコーダーなどを接続し、テレビ放送を見ることも可能。ゲームを見ながらテレビも見るような、2画面表示機能も備えている。こうした機能を含めても、AV機能としてはなかなか充実したものになっている。

 大きなポイントと言えるのは、その価格。Xbox One Sは国内向けに発売された「Xbox One S 1TB Halo Colection 同梱版」が3万7770円。最新のゲーム機としては十分に手の届く価格だし、UHD BDが再生できる機器としては現在のところもっとも安価だ。

 UHD BD対応のプレーヤーとしては、パナソニック<6752>の「DMP<3652>-UB90」が実売 6万円前後。これを考えると、UHD BDが再生できて、最新のゲームを4K解像度で楽しめるXbox One Sの方がお買い得となる。

 ところで、UHD BDとはどんなものなのか? 仕組み的なことも含めて次ページで少し詳しく紹介していこう。

3つのキーテクノロジが重要! UHD BDの基本技術

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 UHD BDとは「Ultra HD Blu-Ray Disc」の略で、ひらたく言えばBDソフトの4K版だ。

 国内では次世代の高解像度映像のことをそのものズバリ“4K”(3840×2160または4096×2160)ということが多いが、海外ではUltra HDと呼ぶことが定着している。

 国内においても4Kどころか8K(7680×4320)の試験放送も行なわれるなど、すでに次の規格がスタンバイしているので、高解像度映像全体を指す場合は4Kと個別に言わずUltra HDと総称するのは正しいだろう。

 UHD BDは、映像を4Kの高解像度で収録するメディア。フルHDの4倍もの情報量となるので、記録するディスクは3層(100GB)または4層のBD(128GB)が使われる。

 2Kの映像タイトルでは2層(50GB)までが一般的なので、容量的には2倍程度しか増えていないが、そのぶん、映像圧縮技術として新たにHEVC(H.265)を採用。AVC(H.264)の約2倍の圧縮効率を実現している。

 また、転送速度はBDの36Mbpsに対して、UHD BDは約100Mbpsを実現しており、4Kコンテンツの情報量の拡大に対応している。

 UHD BDでは、単純に映像を高精細化しただけではない。解像度というのは、遠くから離れて見るなど、人間の肉眼の解像度よりも細かくなってしまうと識別が困難になる。4K解像度の最適視聴距離は約1.5H(Hは画面の高さ。HD解像度では約3H)となっており、一般的な40V型では1mほどの短い距離だ。

 一般的なリビングでの視聴距離が2~3mとすると、その距離では高解像度の良さが判別しにくいということになる。

輝度表現のキーテクノロジー「HDR」

4Kテレビ
「HDR」のアリとナシ。アリのほうが黒の締まりがいい

 筆者の個人的な印象だが、登場初期の4Kテレビがあまり人気にならなかったのは、解像度だけでは現行のフルHDテレビとの明らかな差が感じにくかったのだと思う。

 というわけで、UHD BDでは解像度を高めただけでなく、新たに「HDR」という技術を採用し、映像の高輝度化を実現した。

 HDRとは「High Dynamic Range」の略。数値で言うと、従来のテレビが最大100nits(輝度の単位)まで表現できたのに対し、HDRでは最大10000nitsもの輝度を表現できる。

 その差はおよそ100倍だ。実際のところ、現在発売されているUHD BDは1000~4000nitsくらいの輝度で制作されているのだが、それでも10~40倍もの高輝度が表現できているというわけだ。

 このHDRによる高輝度表示が映像表現としてはかなり威力のあるものになっている。HDRが10000nitsもの輝度が表現できるように規格化されているように、現実では10000nitsを超える明るい光が存在する。

 しかし、今までのテレビでは100nitsが上限なので、それよりも明るい光はすべて同じ白い色になっていたわけだ。

 実際の映像で言うと、白一色のドレスがライトを浴びると均一に白く輝くように見えてしまうが、HDRならば生地の白と輝いた部分の白の違いまではっきりと再現され、より質感豊かな映像となる。

 プラスチックと金属、あるいはガラスの光沢感の違いなど、肉眼では違いがわかるのに、テレビで見ると違いがわかりにくくなってしまうような輝きが再現できるというわけだ。

 もちろん、暗部の再現性なども改善され、暗いシーンというと本当に黒く沈んで見づらくするしかなかったが、かすかに見える暗さをきちんと表現できる。

 圧巻なのはネオンが輝く繁華街や夜景を撮った映像で、昼間と違う夜の暗さの中でネオンがまぶしく輝いているのがわかる。この見え方の感じは、まさに肉眼で見たときと一緒。ネオンの発光も中心部の光と色を帯びた部分がよく再現され、非常にリアルだ。

色表現を拡大する「BT.2020」

テレビ解説特集
色空間における「BT.2020」のイメージ

 しかし、HDRだけでは不十分だ。映像は、輝度と色の情報によって構成されている。HDRで高輝度化を実現したならば、色も表現力を拡大しないとバランスが崩れてしまう。

 そこで規定されたのが新たな色域規格となる「BT.2020」。再現できる色の領域を大幅に拡大したもので、広色域表示とも言われる。

 BT.2020では世界に存在する色のほとんど再現できるほどと言われており、原色の鮮やかな再現はもちろん、中間色もより豊かな再現ができる。HDRで白一色に見えた雲が薄い青を帯びた階調を持っていることが再現できるのも、BT.2020の広色域もあってのことだ。

 このように、UHD BDでは単純に高解像度化しただけでなく、輝度と色の表現力も大幅に拡大している。だから、今まではとはまるで違う映像に感じられるというわけだ。

 ちなみに、音声フォーマットに関しては、基本的にはBDと同じ。「Dolby Atmos」や「DTS<9682>:X」による5.1.2chや7.1.4chといったサラウンド再生が可能。

 とはいえ、実際のソフトを見てみると、BD版ではドルビーTrue HDだった音声が、UHD BD版ではDolby Atmosで収録されているなど、差別化が図られている例が増えてきている。

UHD BDを楽しむためには何が必要?

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パナソニック<6752>の「DMP<3652>-UB900」と「DMP<3652>-UB90」

 UHD BDは極めて優れた表現能力を備えたメディアだ。それだけに、それなりの環境整備が必要になる。

 まず必要となるのはUHD対応のBDプレーヤー。詳しくは後述するが、ディスプレーについては、フルHDテレビでもHDR非対応の4KテレビでもUHD BDソフトの映像を表示することは可能。

 しかし、プレーヤーだけはUHD BD対応のものを新たに手に入れる必要がある。

 現時点で発売されているXbox One S以外のUHD BD対応の再生機器は、パナソニック<6752>だけとなる(海外ではサムスンからも発売されている)。

 パナソニック<6752>では、プレーヤーとして「DMP<3652>-UB90」(実売価格 6万円前後)と「DMP<3652>-UB900」(同11万5000円前後)の2モデルがある。

 レコーダーとしては「DMR-UBZ1」(実売価格 27万円前後)、「DMR-UBZ2020」(同8万5000円前後)、「DMR-UBZ1020」(同7万6000円前後)の3モデルが発売されている。

 価格によって画質・音質的な差はあるが、いずれもUHD BD再生の機能としては同様になっていると考えていい。具体的なUHD BD再生の機能や画質・音質のインプレッションは、次回で詳しく紹介する。

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DMP<3652>-UB90の背面。HDMI端子を2つ搭載する

 パナソニック<6752>の5機種の主なポイントとしては、HDMI出力を2系統装備し、テレビ側とAVアンプやホームシアター機器へ独立して信号<6741>を出力する機能を持つこと。

 HDMI出力2系統の装備は、プレーヤーでも高級機種のみの装備だし、現行のBDレコーダーではUHD BD対応モデル以外はすべてHDMI出力は1系統となっている。

 マニアックなポイントではあるが、画質・音質の点でメリットもある装備なので、こうした高級装備と言えるものが、比較的手の届く価格のモデルでもきちんと継承されているのはうれしい。

OPPA Digital
オッポの「UDP-203」

 このほかには、高級BDプレーヤーなどで知られるメーカーであるオッポから「UDP-203」が年内に発売予定(価格は今のところ未定)。

 型番から「BDP-103DJP」の後継機的位置づけであることが想像できる。具体的なアナウンスがあったのはここまでだが、今年のIFAでソニー<6758>もUHD BD対応プレーヤーの発売について触れているなど、今後は多くのメーカーから対応機が発売されるだろう。

手持ちのディスプレイでも再生は可能
UHD BD本来の画質を再現できるのはHDR対応の4Kテレビ

AVお買い物
パナソニック<6752>の「DX950」

 次いで必要なのは4Kテレビ。UHD BD本来の実力を楽しむためには、HDR対応の4Kテレビが必要だが、現在ほとんどのモデルがHDRに対応している。このため、1年以内に4Kテレビに買い換えた人や、これから買い換えを考えている人ならば、HDR対応はあまり心配しなくていい。

 とはいえ、各社でも最普及価格の4KテレビはHDR非対応だったりするので、最安価格を基準に製品を選ぶ時はHDR対応を確かめよう。残念ながら、フルHDテレビなどの2Kの薄型テレビにHDR対応機は存在せず、今後の発売予定もない。

 悩ましいのは、一言でHDR対応といっても、発売されているHDR対応機でも価格にはかなりの差があること。

 高級機やハイエンド機になるほど同じ4K+HDRの映像でも画質がよくなり、特にHDRの高輝度表示は、表示する4Kテレビのパネル性能(ダイナミックレンジ)や映像処理エンジンの実力と直結するので、価格による差はかなり大きいというのが筆者の印象だ。

 UHD BDに対応するテレビとしての選択の基準のひとつになるのが「ULTRA HD PREMIUM」という国際認証。これはコンテンツを制作するハリウッドの映画業界や関連メーカーが中心となって策定したもの。つまり、ULTRA HD PREMIUMロゴがあるモデルならば、UHD BDを最高の状態で楽しめると考えていい。

 ULTRA HD PREMIUMの認証を取得したモデルは、パナソニック<6752>の「TH-65DX950」(実売価格 77万5000円前後)と「TH-58DX950」(同47万円前後)の2モデルのみ。同社のハイエンドモデルだ。

LG
LGの有機ELテレビ「OLED 77G6P」

 このほかに、LGの有機ELテレビとして「OLED 77G6P」(323万7840円)、「OLED 65E6P」(88万8000円)、「OLED 55E6P」(57万8000円)、「OLED 55C6P」(43万1620円)、「OLED 65B6P」(69万6360円)、「OLED 55B6P」(37万5840円)の合計6モデルがある。いずれも基本的には高価なモデルとなってしまうが、UHD BDの画質を最高の状態で楽しむならば、これらを頼りにしよう。

 なお、ULTRA HD PREMIUMの認証を得るかどうかは、テレビメーカーの自由だ。だから、認証を得られる実力を持ってはいるが、実際には認証を得ていないモデルもある。

 具体的には言えばソニー<6758>東芝<6502>の現行モデルではULTRA HD PREMIUMの認証を取得していない。これは必ずしも実力が足りないというわけではない。

 UHD BDは夏に発売がスタートしたばかりで、これらの実力をフルに発揮できる実力を持ったテレビが限られるのは現状では仕方がないところ。本音を言えば、来春発売の新モデルの登場を待っても遅くはないし、賢い選択だと思う。

フルHDテレビでも映像表示はできる

 UHD BDプレーヤーは規格上、多くのディスプレーと接続できるように作られている。HDMIの機能を利用し、テレビのスペックなどを把握し、それに合わせて最適な映像を出力するのだ。

 そのため、HDMI入力端子を備えたテレビであればほとんどの場合、UHD BDの再生をすることができる。これは互換性を保つためのもの。

 例えば、HDRに対応していない4Kテレビと接続すると、解像度は4Kのまま、HDR信号<6741>は従来の輝度信号の規格に合わせたSDR信号<6741>に変換して出力される。つまり、解像度だけは4Kだが、色と輝度は従来の映像と同じ品質だ。

 フルHD解像度の薄型テレビの場合は、解像度が2Kにダウンコンバートされ、SDR信号<6741>に変換される。だから、従来のフルHDテレビでも視聴はできるのだが、HDRに対応した4Kテレビでないと本来の画質が楽しめない。

 ちなみに、筆者が自宅で使っている4KプロジェクターはHDRに対応していないので、自宅では4K+SDRにダウンコンバートされた映像でUHD BDを見ている。

 もちろん、HDR対応のディスプレーで見たときとの差はあるのだが、UHD BDらしいよさも感じることはできているので安心してほしい。要するに4Kの解像度だが、転送レートが高いこともあり、BDの映像を4K化して見るのと比べても非常に高精細だ。

 HDR対応の4Kディスプレーに買い換えた方がいいのは間違いないが、ディスプレーの買い換えは費用も手間もなかなか大変なので、それを待つ間もUHD BDタイトルと対応プレーヤーだけ手に入れて、UHD BDを楽しむ方がいいというのが筆者の考えだ。

次回は4K BD対応のレコーダーをチェック!

 さて次回は、いよいよUHD BDの画質について詳しく紹介していこう。先ほどの紹介したパナソニック<6752>の「ULTRA HD PREMIUM」認証取得モデルの「TH-58DX950」と「DMR-UBZ2020」を使って画質の実力を詳しくチェックしていく。

タイトル数も着実に増え、年末にはアニメ作品も発売されるUHD BDの映像が気になっている人は必見だ。

アスキー
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    最終更新: 12月12日(月)12時00分

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