赤いエンブレムに惹かれて……ライカ版チェキ「ゾフォート」を衝動買い!

アスキー 12月14日(水)12時00分配信
T教授
チェキとはちょっと違う、アマチュアな大人のためのインスタントカメラ

 ペンタックスマニアの親父の子として生まれてきたのに、筆者は生まれてからずっとカメラにはまったく興味がなかった。

 それが日本で最初のデジカメが発売された日に人生が変わってしまった。それ以来、さまざまなデジカメを買って遊んできた。

 写真が大好きな人には大変申し訳ないが、よく考えると100%写真が好きなのではなく、写真は45%くらい、そしてデジタルカメラというガジェットへの興味が55%くらいという割合の感覚だ。

 最近急にフィルムカメラにも興味を持って買ってみたが、せっかちな性格ゆえ、撮影と結果の間が最低でも1日という悠長な感覚になじめないまま、いつの間にかアナログカメラへの憧れはなくなってしまった。

 そんな筆者が唯一楽しめるアナログカメラがインスタントカメラだった。どうも“ファストフード”は嫌いだが、“ファストカメラ”はデジカメ同様、性に合っている。

 しかし、インスタントカメラにおけるポラロイドは消滅し、その後、フィルムだけを再生産している某社のフィルムは従来商品との品質差や取り扱いの面でどうも納得が行かず、筆者のポラロイドカメラは今やほとんど出番がなくなって、ただのインテリア的な存在になってしまっている。

 そんなタイミングで、ドイツのライカカメラAGがインスタントカメラ「SOFORT」(以下、ゾフォート)を9月に発表した。富士フイルム<4901>のチェキ用フィルムである「Instax miniフィルム」を使用する製品だ。

ライカ版“チェキ”「ゾフォート」

T教授
「Leica M」とは違うが、同じく“こだわりのDNA”が感じられる「ゾフォート」
T教授
奇跡のポラロイド「インスタントカメラ」は今やビンテージ。ゾフォートはカジュアルな新星だ

 発表日にゾフォートのミント(薄青)モデルを予約し、2ヵ月後の11月19日に到着したゾフォートは、“ライカ版チェキ”に抱いていた筆者の予想を裏切らない、なかなかチェキらしからぬ“大人デザイン”の外観だった。

T教授
パッケージもコンパクト&クールな大人のインスタントカメラ
T教授
本体、ストラップ、充電アダプター、バッテリーと多言語のクイックスタートガイドと安全のしおり

 パッケージの中には米国、日本、ヨーロッパ、アジアの一部をカバーする複数のACコンセント+充電アダプターとリチウムイオンバッテリー、ストラップ、主要国言語で記述された安全基準ガイドとクイックスタートガイドが本体と一緒に入っている。

T教授
チェキ「instax mini 90 ネオクラシック」とはかなり異なったデザインだが……フェイクの革巻きの外周がオシャレだ
T教授
右に90度傾けてみるとなんとなくチェキ……

 前面から見たゾフォート本体は少し横長の正方形。右に90度回転させてみると、チェキ (instax mini 90 ネオクラシック・モデル)の外観と、レンズ、フラッシュ、ファインダー、シャッターなどの位置が酷似しているのがわかる。

T教授
フィルム排出スリットはカメラの左側面になるので……うっかりするとカメラを支える左手の手のひらを押しのけるように、撮影済みフィルムが排出される

 富士フイルム<4901>のチェキは撮影後のフィルムが上面にせり出してくるが、左に90度回転しているゾフォートでは、撮影後のフィルムは左側に出てくるため、時としてカメラ本体に添えている左手の手のひらを押して出てくる可能性があり、撮影後のフィルムの排出動作に慣れるまでは多少戸惑うことがある。

 チェキも上位機種のinstax mini 90 ネオクラシックモデルの登場で、従来のガーリーデザインから少し大人なデザインに変更されたが、ゾフォートはそのデザインをよりライカ的な方向に引っ張っている感じだ。

 外観カラーもスタンダードなホワイト、登場感のあるオレンジ、そしてそのどっちも選べない筆者のような人間が選ぶミントの3色展開だ。本体の周囲にはぐるっとブラウン系のフェイク革テープが巻かれ、より一層ユーザーセグメントを理解したゴージャス系デザインとなっている。

T教授
操作系のボタンやバッテリーとフィルム装填の扉はすべて背面に設置されている

 カメラ背面には左角にファインダー。その下には各種ボタンスイッチとバッテリー、チェキフィルムの装填口がある。ファイダー横に記された「DESIGNED BY LEICA CAMERA GERMANY」という表記が、赤バッジ(ライカのブランドイメージ)大好きおじさんには大きな魅力となるだろう。

フィルムもライカのものを使いたいが……

T教授
壁面ACコンセント直差しの充電アダプターはケーブル類が一切なくて便利だ

 さて、撮影を開始する前にやらなければならないことは、まずバッテリーの充電だ。充電用ACアダプターはバッテリーを装填した状態で壁面コンセント直差しなので、余分なケーブルがなく旅行などの場合の携帯性も便利だ。バッテリー容量740mAhのリチウムイオンバッテリーだが、持ちはなかなか優秀だ。

T教授
充電が完了すればバッテリーカバーを開けてバッテリーを装填する

 満充電になれば、まずはバッテリーを装填し、続いてInstax miniフィルムを装填しよう。筆者はすでに数十枚の撮影を終えたが、まだライカブランドのInstax miniフィルムをまだ一度も購入したことがない。

T教授
フィルムは富士フイルム<4901>の「instax mini」を使用する。まったく同じかどうかは不明だが、貧乏な筆者はライカブランドのフィルムを買ったことがない

 見栄を張ってでもゾフォートにはライカブランドの「ゾフォート用カラーフィルムパック20枚」(10枚パックx2個 2370円)を買いたいのだが、実際には45%も安いチェキ用の「Instax miniカラーフィルムパック20枚」(10枚パックx2個 1310円)を買っている。当のライカもそれほど自社ブランドのフィルムが売れるとは思っていないだろう。

T教授
フィルムのパックを破ってプラスティック製のフィルムカートリッジを装填

 パックに厳重に保存されたフィルムカートリッジを取り出し、黄色のマークをフィルム装填空間に記された同じマークと合わせて装填してフタを閉めれば、あとは撮影するだけだ。

T教授
フタを閉めると自動的にフィルムカートリッジのフタ(プラスチック板)が排出されて撮影準備完了だ

 フィルムの装填が終了すると、自動的にフィルムカートリッジのフタであるプラスチック板がフィルム排出スリットから滑り出てくるので取り出して捨てよう。

デジカメのように各種シーンモードも搭載

T教授
最上段の電源スイッチを押すとパワーオン。60cm~3mの近接撮影とオートフラッシュがデフォルト設定だ

 背面の一番上のボタンがゾフォートの電源オン/オフボタンだ。スイッチオンで、現在のカメラの状況がひと目で理解できるように液晶画面にアイコンで表示される。バッテリー残量、フィルム残量、現在の撮影モード(マクロ撮影:0.6~3.0m、望遠撮影:3m~∞)フラッシュの状況が表示される。

 おおよその撮影距離(ピント)の変更は、カメラを撮影状態で手に持って、レンズの最外周にあるスプリング式の「撮影距離設定リング」を少しねじることで、マクロ撮影と望遠撮影を交互にスイッチする。

T教授
「AUTOMATIK-HEKTOR 1:12.7/60」と記述されている「撮影距離設定リング」をひねると、近接撮影と望遠撮影が毎回切り替わる
T教授
撮影距離設定リングを一度ひねると望遠撮影の3m~∞に変化した

 撮影距離設定リングの周囲には「AUTOMATIK-HEKTOR(ヘクトール) 1:12.7/60」と記述されている。表記から理解できるように、ゾフォートは、F値12.7の60mmレンズ(35mm換算)を採用している。ヘクトールは、ご存知のように古代ギリシャのトロイアの王子の名だが、ライカの往年の銘レンズの名称でもある。

 ゾフォートのベースモデルは間違いなくチェキではあるが、そのあたりのネーミングの上手さも、ライカなら似合うのかもしれない。

 話を本題であるカメラの設定操作に戻そう。撮影者は背面のMODEボタンを何度か押すことで、撮影に最も適したシーンを選択可能だ。

T教授
MODEボタンを何度か押すことで、セルフィー、パーティー、スポーツ、マクロ、二重露光、バルブなどのモードを選択できる

 シーンには、セルフィー、パーティー、スポーツ、マクロ、二重露光、バルブが用意されている。セルフィーとマクロでは最短30cmまでの撮影が可能だ。それ以外の物理ボタンでは、フラッシュの設定、セルフタイマー、露出補正(明るさのコントロール)が2段階でできる。

チェキと同スペックでも高額になる価値がある

T教授
カラーとモノクロを合わせて数十枚の撮影をしてみたが、チェキを知らない筆者に、両者の間に違いがあるかどうかはまったくわからない。楽しければいいのだと思う

 ゾフォートはデジタルカメラ時代に、ライカカメラAGがインスタントカメラの雄としてすでに世界で認知されたチェキの大人バージョンである「instax mini 90 ネオクラシック」をライカ独自のブランド哲学でリ・デザイン、リ・メイクしたインスタントカメラだ。

 「DESIGNED BY LEICA CAMERA GERMANY」メッセージにも極めて興味あるし、「AUTOMATIK-HEKTOR(ヘクトール) 1:12.7/60」とわざわざレンズリング上に記述された意図にも興味はあるが、実際に筆者はチェキを使ったこともなければ持っていた事もいないので、実際のところ何がどう違うのかまったく理解していない。

 購入してすでに1ヵ月弱、さまざまなシーンで写真を撮影してみたが、オールディーズなポラロイドカメラに現代の互換フィルムを入れて、老体に鞭打って撮影するのと同じくらい楽しいということは間違いないだろう。

T教授
インスタントカメラの撮影フィルムはメーカーや時代によって異なる。個人的好みはやはり“奇跡のカメラ”であるランド博士の創った元祖ポラロイドカメラの正方形に近い大型写真(左端)だ。右隣は、国内未発売のポラロイドカメラ「Z2300」のフィルム画像。右端の2枚がゾフォートの出力だ

 インスタントカメラのアウトプットは限りなく正方形に近く、一辺にメッセージを記すスペースが確保されているのが、伝統的かつ最も理想的ではあるが、ランニングコストと出力クォリティーの両方を天秤にかければ、リーズナブルなチェキサイズもそれほど悪くはない選択だろう。

T教授
同じ“チェキあんこ”を使っても、アマチュアなデザインとオシャレなカラーを採用し、あこがれの“赤いLeicaバッジ”を付けたゾフォートなら……意味のない高額ではない納得感のある衝動買いだ

 ネットショップを覗いてみても、ライカ・ゾフォートは、同じスペックであると言われるinstax mini 90 ネオクラシックと比較して、時に2倍の価格差である場合もある。

 実際の絶対的金額差は1万数千円近辺だろう。筆者は撮影結果が同じでも、オークションで1万円近い値付けで売られている赤いLeicaブランドロゴ-マークと、マチュアな工業デザインには十分その価値はあると判断した。

アスキー
もっと見る もっと見る

【あわせて読む】

    最終更新: 12月14日(水)12時00分

    【関連ニュース】

    【コメント】

    • ※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

    【あなたにおススメ】