米軍採用の強力な浄水器を試してみました

アスキー 2016年12月19日(月)19時00分配信
米軍採用の強力な浄水器を試してみました

イザというときのために

 震災があって以降、ノンキなワタシもさすがに災害時の準備はしておかねばなるまいと思い、水や食料、ライト、救急用品などをリュックに入れて、すぐ取り出せる場所に置くようになりました。以前ご紹介したライトやグローブ、ノートセットなども入れてあるし、連絡手段を増やすためにアマチュア無線の免許を取り、無線機も近くに置いています。

 災害発生から公的な救援物資が届くまで3日はかかると言われているので、非常持ち出し袋には、その間過ごせるだけの物資は用意しておきたいところです。

 また、72時間の壁というのを聞いたことがある方も多いと思いますが、これは発生から72時間、つまり3日を過ぎると急激に生存率が下がるというもの。その科学的な根拠は実は曖昧だったりするそうなのですが、飲料水なしで生きられるのは3日と言われています。ちなみに、体温の保持なしでは3時間、飲料水なしでは3日、食料なしでは3週間が生存の目安だそうです。

 いずれにしても少なくとも3日分の水は用意しておいたほうがいいということで、1日3リットルとして、一人当たり9リットルが必要になります。注意が必要なのはその重量。水だけで9キロです。特に訓練を受けていない一般男性が背負って歩けるのは15キロ程度、女性は10キロまでと言われているので、割とギリギリだったりします。できれば余裕が欲しいですが、水ばっかり持って出るわけにもいきません。

 3日を過ぎても水が届かなかったら自分でなんとか調達するしかないので、今回はそんなときに役立ちそうなグッズを試してみました。米軍払い下げの携帯型浄水器MIOX PURIFIERです。

米軍採用の強力な浄水器を試してみました
米軍払い下げの浄水器MIOX PURIFIER

振ってボタンを押すだけの簡単操作

 PURIFIERは清浄器という意味で、浄水器はwater purifierだと思うのですが、製品名はMIOX PURIFIERです。

 民生品もあるのですが、ウチにあるのはマニュアルにMILITARY USE ONLYの文字が入ったもの。米軍の海兵隊が採用したモデルで、いつものとおり払い下げ品です。民生品が赤いボディーなのに対して、軍用モデルはタンとよばれる砂漠の砂のような色です。また、民生品のポーチは黒いのですが、軍用はコヨーテブラウンのような色合い。たぶん中身は同じなのですが、いかにも軍用といった色使いなのがワタシ好みです。本体のほか、岩塩と安全性試験紙がセットになっています。

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岩塩と安全性試験紙、専用ポーチ付き。マニュアルにはMILITARY USE ONLYの文字

 元々電池が付いていたようですが、ウチのにはなかったので別途購入しました。CR123が2個で1400円近く。高いわー。軍用品ってCR123を使うことが多いイメージなんですが、できれば単3とかにしてほしいなぁ。大きくて重くなっちゃうからダメなのかな。まぁ専用電池に比べれば市販されているだけマシですけれども。

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CR123を2本使用。キャップのところには防水用のOリングが

 浄水器というと泥水を透明にしてくれそうですが、このMIOX PURIFIERには濁った水を濾過する機能はありません。塩化ナトリウム水溶液を電気分解して次亜塩素酸水を作り出し、それを飲料水の殺菌に使うというアイテムで、電池が必要なのは、この電気分解のためです。

 頭よさそうに書いてみましたが、つまり塩と水を混ぜて塩化ナトリウム水溶液こと食塩水を作り、そこから消毒薬を作るということ。濾過機能がないので水たまりの水を使う気にはなれませんが、川や湖の水ならなんとかなりそうです。

 マニュアルは英語ですが、イラストで説明されているので無問題。まずは頭のキャップを外して岩塩をソルトチャンバーと呼ばれる容器いっぱいまで入れ、水を数滴たらして濡らします。キャンプで使うなら出かける前に自宅でやっておけばいいし、災害時なら濡らす水はこれから処理する水で構いません。キャップを閉め直せば準備完了!

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付属の岩塩。なくなったら市販の岩塩でオーケー
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ソルトチャンバーに岩塩を入れて濡らし、キャップをしっかり閉めます
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ソルトチャンバーの中にはネットが貼られていて、岩塩が下に落ちないようになっています

 岩塩の入っているソルトチャンバー全体を回して外すと、金属プレートが見えます。ここが電気分解をするところ。口いっぱいまで水をいれたらソルトチャンバーをしっかりとねじ込んで元に戻し、15~30回ほど上下に振ります。これで食塩水のできあがり。

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ソルトチャンバーを外して水を入れます
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ソルトチャンバーを元に戻して振ります

 次に、もう一度ソルトチャンバーを開けます。そこに溜まっているのは先ほど作った食塩水。試しになめてみたら海水並みの塩辛さです。振っただけでちゃんと食塩水になるのかななんてちょっと疑っていたのですが、まさかこんなにしょっぱくなるとは。良い子は真似しちゃダメですよ。

 あとは本体のボタンを押せばいいのですが、ボタンを押す回数で処理できる水の量が変わります。0.5リットルの水を処理するなら1回、1リットルなら2回、2リットルなら3回、4リットルなら4回。今回は1.5リットルのペットボトルを用意したので、3回押してみました。

 ボタンを押すとすぐにブクブクと泡が! そしてプールのような塩素のニオイがしてきます。いかになニオイで、殺菌力抜群そうな予感。RUNと書かれたLEDが消えれば消毒液の完成です。

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泡が発生。いかにも効きそうな塩素のニオイ

 できあがった消毒液を消毒処理したい水に入れたら、容器を振ってかきまぜます。これで終了! と言いたいところですが、まだもう少し。消毒の効果をみるテストをします。ちゃんと安全性テストがあるあたり、ちゃんとした製品だなと思わせますね。

 テストは簡単。処理した水に安全性試験紙の先端を浸けて15秒待ちます。これで紫色に変化すれば無事合格! もし色が薄いようなら、消毒が足りません。もう一度食塩水を作るところから繰り返します。

 オーケーになったら10分待って再テスト。ここでも合格になるまで消毒を繰り返します。

 ちょっと面倒に感じますが、安全のためなら仕方がありません。それに、水源が同じであれば、毎回テストする必要はないとのことです。別の水源を使うとか、雨水が流れ込んだりして条件が変わった時は再テストをします。

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消毒薬を消毒したい水に入れます
米軍採用の強力な浄水器を試してみました
試験紙は50枚付属
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付属の試験紙を処理した水に入れて15秒待ちます
米軍採用の強力な浄水器を試してみました
先端が紫色になれば消毒OK<3808>

 最後に、容器のキャップを消毒済みの水ですすぎます。これはせっかく消毒したのにキャップから汚染されてしまうのを防ぐため。さらに容器の口を消毒するために、キャップに水を入れたあと、キャップを閉めて3回左右に回します。

 今度こそ終了と言いたいところですが、まだ終わりません。容器にフタをしたら4時間待たなくてはなりません。これは殺菌の処理に掛かる時間で、最初の15分でウィルスとバクテリアが死滅、30分で下痢性胃腸炎を発症させるジアルジアが死滅、4時間で腸炎を起こすクリプトスポリジウムが死滅するそうです。殺菌って大変なんだなと実感してしまいました。

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容器からの汚染を防ぐため、口の部分を水ですすぎます

 食塩水を作っているうちに、当然岩塩が減ってきます。30回振っては水を交換して、と繰り返してみたところ、18回で警告のLEDが点灯しました。マニュアルでは20回前後となっていましたが、振る回数を減らせばそのぐらいはいけそうです。付属の岩塩28グラムで約200リットルの水を処理できるとのことなので、4人家族でも2週間は持つ計算になります。

 今回は水道水を使ったので、当然テストも一発合格。殺菌を待つ必要もないのですぐに飲んでみたところ、ちょっと塩素のニオイはしますが全然気にならないレベルでした。通常時でもそうなので、非常時にはまったく問題ありません。殺菌力もかなりのものだし、強力な味方になってくれること間違いなし。これで濾過器があれば、たいていの水は飲めそうです。つまり濾過器がほしくなってしまったわけで。

 小型軽量なので、生水を飲むとやばそうな海外旅行にもいいかな。

アスキー
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    最終更新: 2016年12月19日(月)19時00分

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