2016年のモバイル市場はファーウェイが急伸、世界市場を揺るがす

アスキー 12月21日(水)10時00分配信

 2016年が終わろうとしている。2016年最後となる今回は、端末、無線インフラ機器、そしてウェラブルと3分野で世界のモバイル業界の動向を振り返ってみたい。

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2016年、モバイル関連で最も大きな世界的ニュースはやはりGalaxy Note 7の問題か。写真はブリティッシュエアラインによる警告の看板

スマホシェアのトップ2
AppleとSamsungの2強は精彩を欠く

 まず端末では、全体としてのマンネリ感が否めない。世界の携帯電話を制するAppleとSamsungの2強を見ると、Appleには厳しい1年だった。9月に最新のiPhone(iPhone 7/iPhone 7 Plus)を発表するも、Appleからは以前のように”発売からX日でX万台を販売”と言った数字は出ていない。

 実際にAppleの世界シェアは振るわず。第3四半期(7~9月)におけるIDCのデータでは、13.4%から12.5%に減っている。だが、人気にかげりが出たというわけではなさそうで、「iPhone 7 Plusの需要は予想を上回り、供給が間に合わなかった」とIDCは記している。

 Kantar Worldpanel ComTechによると、iPhone 7/iPhone 7 Plus人気はiOSのシェアアップに貢献しており、最もシェアが高い日本では、8~10月に販売されたスマートフォンの2台に1台(51.7%)がiOSだったとのこと。英国/米国はそれぞれ44%/40.5%で、日本、英国、米国の3ヵ国が8月から10月まで、iPhoneがよく売れた国となっている。iPhone 7は物理ホームボタン、イヤフォンジャック廃止などの変更があったが、Kantarでは「これらの変更は影響しなかった」との結論を出している。

 それでも全体としては、早くも有機ELの採用など次期iPhoneの変更点に関心は移っているようにも見える。

 一方のSamsung。2月に発表した最新の「Galaxy S7」「Galaxy S7 edge」が好調で、王者健在を印象付けたのもつかの間、夏に発表した「Galaxy Note 7」の発火問題とリコールは痛手となった。

 9月から飛行機に乗るたびに「当便ではGalaxy Note 7の持ち込みは禁止されています……」と言ったアナウンスが流れ、ブランドには多少なりともダメージがあったと思われるが、問題が表面化した時期を含む第3四半期の段階ではSamsungのシェアは大きくは落ち込んでいない。IDCのデータでは、シェアは前年同期の23.3%から3.3ポイント減の20%におさまっている。長期的にどのような影響が出るのか、今後の数字に注目したい。

 そして世界シェア3位、4位、5位は中国ベンダーで、Huawei、OPPO、Vivoと固定した感がある。Huaweiは3位のAppleとの差を着実に縮めており、わずか3.2%だ。

 なお、中国ベンダーの中では”中国のApple”などと呼ばれたXiaomiのスマートフォンでの失速が鮮明になったのも、今年の注目ポイントと言える。

 OSでは、Android独占が鮮明に。”第3のOS”はWindows 10を含めさっぱり振るわなかった。Firefoxはスマートフォン向けのOSからは事実上の撤退、Jollaも資金難と苦しい。

インフラではHuaweiが台風の目、王者EricsssonのCEOが解任
インフラベンダーの動きにも少し触れたい

 ここではEricssonが長きにわたって最大手として君臨しているが、それ以外にもNokia、Alcatel、Siemens、Lucent、Motorola、Nortelなど、携帯電話の初期時代を盛り上げた欧米のベンダーが展開していた。これらのベンダーは主にNokiaに統合されていっているが、このような再編を招いた大きな要因は、価格と技術力で凌駕したHuaweiの存在だろう。

 ついにその影響はEricssonにも及ぶ。この秋、CEOとして同社を6年率いてきたHans Vestberg氏が解任されたが、Huaweiが起こした地殻変動は要因の1つだ。業界は急ピッチで動いており、Vestberg氏もその流れを拒むことなく、早くからクラウドを取り組み最優先分野に上げて変革を図ってきた。ここ数年はITの動きの取り入れにも積極的だった。

 犬猿の仲だったCisco Systemsと握手を交わしたのちの2016年のMWCは、Amazon Web Services(AWS)との提携など、シフトを顕著に感じることができた。仕込みが始まったとはいえ、数字としてすぐに出ないことに株主らは苛立ちを感じたということか……。

 そのEricssonの2016年上期の売り上げは前年同期から11%減、これに対し、Huaweiは端末を含む全体事業の売上が40%増(Huaweiは端末のコンシューマー事業、インフラのキャリア事業に加え、サーバーなどのエンタープライズ事業も有する)。Huaweiは5Gなどの無線関連だけでなく、OpenStackなどIT側の標準化でも存在感が目立ってきている。

 そしてNokiaだ。Alcatel-Lucent買収では株主の合意も取り付け、関連した訴訟も和解に至った模様。このように現在の主軸である無線インフラに並ぶ注目は、Nokia Technologiesがライセンス方式で展開する端末事業だろう。2017年にはNokiaブランドのAndroidスマートフォンが登場する予定だ。

Fitbitのリードが続くウェラブル市場
コンシューマ向け端末から、企業の福利厚生市場まで

 最後にウェアラブル端末として、リストバンドカテゴリに触れたい。スマートウォッチの本格離陸が待たれる中、今年はフィットネスバンド大手のFitbitが大きな攻めに出た。

 Fitbitは、フィットネスに特化することで消費者にわかりやすいメリットを提供してシェアを伸ばしている。この戦略は、いろいろなことができそうだが、例えば腕にメッセージの通知が来たところでメリットがあるのか? と、消費者がスマートウォッチに二の足を踏むのとは対照的だ。

 Fitbitは端末ではなく、データを中核と捉えている。今年はライバルのPebbleの買収を発表したほか、NFC決済技術のCoinも取得した。また、米国では企業が従業員に提供する福利厚生市場も狙っており、もはやコンシューマー向けのガジェットベンダーと見るべきではない。Fitbitは最新のIDCのデータ(2016年第3四半期)で前年同期から11%成長してシェアを23%と拡大。Appleは前年同期から大きなマイナスとなっている。

 さて来年2017年はiPhone誕生から10年となる。Appleの力強いカムバックが期待されるほか、Microsoftの「Surface Phone」の登場なるかにも注目だ。


アスキー
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    最終更新: 12月21日(水)10時00分

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