顔と指紋の認証、そしてペンも備えた薄型2in1ならdynabook V82だ

アスキー 12月22日(木)09時00分配信
dynabook V

 東芝<6502>クライアントソリューションの「dynabook Vシリーズ」は、360度回転する2軸ヒンジを搭載したコンバーチブルタイプの2in1ノートPCであり、東芝<6502>のPC開発31年の集大成となる、非常に意欲的な製品だ。

 dynabook Vシリーズは、CPUやストレージ容量、顔認証機能の有無などが異なる4モデルが用意されているが、今回は、その中でも最上位となる「dynabook V82」を試用する機会を得たので、レビューしていきたい。

コンバーチブル2in1ながらトップクラスの薄さと軽さを実現

 dynabook Vシリーズは、液晶のヒンジが360度回転する構造になっているため、用途に応じてさまざまなスタイルで利用できることが特徴だ。

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キーボード入力に適したノートPCスタイル

 ノートPCスタイルは、通常のクラムシェル型ノートPCと同じように使うスタイルであり、キーボードで入力する場合に向いている。フラットスタイルは、液晶を180度開いてキーボードを含めて一枚の板のようにして使うスタイルで、ペンとキーボードを併用して文書を作成する際に便利だ。

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ペンとキーボードの併用に適したフラットスタイル

 さらに、液晶を360度回転させてキーボードの反対側まで折り返すと、タブレットスタイルになる。タブレットスタイル時は裏側にキーボードがくるが、キーボードは無効になるので、誤入力の心配はない。

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ペン操作に適したタブレットスタイル

 コンバーチブルタイプの2in1は、着脱式の2in1に比べると重くなりがちだが、dynabook Vシリーズでは、10層基板の採用や独自の高密度実装技術により、dynabook KIRAから基板面積を14%縮小。本体サイズは幅299×奥行き219×高さ15.4mm、重量は約1099gと、スリムで軽いボディを実現していることも魅力だ。

 ボディには軽くて丈夫なマグネシウム合金が採用されているほか、液晶の保護ガラスとしてCorningの強化ガラス「Gorilla Glass 4」が採用されており、傷や衝撃にも強い。実際に持ってみたが、単に軽いだけでなく、剛性感も高いため、安心して持ち歩けるという印象を受けた。デザインや表面の仕上げも洗練されており、ラグジュアリーな雰囲気を醸し出している。

CPUとして最新の第7世代Core i7を搭載、OSはAnniversary Update適用済み

 dynabook VシリーズはPCとしての基本性能も非常に高い。今回試用した最上位のdynabook V82では、CPUとしてCore i7-7500Uが搭載されている。Core i7-7500Uは、開発コードネームKabylakeと呼ばれていた最新CPUであり、定格動作クロックは2.7GHzだが、自動オーバークロック機能のTurboBoostテクノロジーを搭載しており、最大3.5GHzまでクロックが向上する。

 薄さや軽さを重視した2in1では、CPUとして消費電力が小さいCore Mを搭載する製品が多いが、Core Mは動作クロックがCore iに比べて低く、パフォーマンスはCore iには及ばない。文書の作成やWebブラウズ程度なら、Core Mでも性能不足を感じることはほとんどないが、Core i7を搭載したdynabook V82なら、動画編集などの作業も快適に行える。

 メモリは8GBで、こちらも必要にして十分な容量である。ストレージとしては、SATA接続の東芝製512GB SSDを搭載している。ハイエンドモデルでは、より高速なPCIe/NVMe対応のSSDを搭載した製品も増えているので、従来のSATA接続のSSDを搭載しているのはやや残念だ。

 とはいえ、低価格な2in1に搭載されているeMMCに比べると遙かに高速であり、実際の使用感も十分に快適であった。負荷がかかると、ファンの回転数が上がり、多少騒音が気になることがあるが、一般的な利用ではファンの回転数が上がりっぱなしになることは少ないだろう。

 また、OSとして最新のAnniversary Update適用済みのWindows 10 Home 64bitが搭載されていることもポイントだ。もちろん、Anniversary Updateが適用されていなくても、自分で適用すれば同等になるわけだが、アップデートには結構時間がかかるので、最初から適用されているほうが手間が省ける。

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ノングレア仕様の液晶を採用しており、目に優しい。視野角や発色も満足できる

ノングレア液晶採用で目への負担が小さく、アクティブペンにも対応

 液晶は12.5型で、解像度は1920×1080ドットのフルHDである。ノングレア仕様なので、外光の映り込みが抑えられており、長時間使っても目への負担が小さいことがメリットだ。最近は、光沢液晶を採用する製品が多いが、ビジネスなどで長時間使う場合や、さまざまな場所で使う場合は、やはりノングレア液晶のほうが好ましい。発色やコントラスト、視野角についても十分満足できるレベルだ。

 液晶はマルチタッチ対応で、指などで操作が可能なだけでなく、上位モデルのdynabook V82とdynabook V72は、アクティブ静電結合方式のデジタイザを搭載しており、ペン入力にも対応する。上位モデル2製品は、2048段階という高精度な筆圧検知に対応したアクティブペンが付属しており、手書きメモなどに活用できる。ペンは書き味にもこだわっており、液晶表面との摩擦が適度で、滑りすぎず書きやすい。また、プリインストールされている東芝独自の手書きノートアプリ「TruNote」も、メモをとった後に色やフォントを変更することができるなど使い勝手がよい。

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アクティブペンが付属する。ペン先の直径は1mmと細く、細かな文字も書きやすい
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東芝独自の手書きノートアプリ「TruNote」。高機能かつ使いやすい

快適に入力できるキーボード、指紋センサーも全機種に搭載

 dynabook Vシリーズは、キーボードにもこだわっている。液晶が12.5型なので、スペースは限られているが、中央部のキーピッチは19mm、キーストロークは1.5mmで、15.6型スタンダードノートPCと同等である。ただし、右側の「む」や「ろ」などの一部のキーのキーピッチはやや狭くなっている。また、キートップが平らではなく、中央にむかって0.2mm凹んでいるため、指先にフィットし、指が滑ってしまうことを防いでいる。補強リブを入れることで高い剛性を実現しており、打鍵感も良好だ。キーボードにはバックライトが搭載されており、バックライトの輝度も3段階に変更できるので、暗い場所でもミスタイプを防げる。

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キーピッチ19mm、キーストローク1.5mmで、剛性感も高い。配列も標準的だが、右側の一部のキーのキーピッチは狭くなっている

 ポインティングデバイスとしては、タッチパッドが採用されている。タッチパッドは、クリックボタンと一体化したタイプであり、ジェスチャー操作などにも対応する。タッチパッドの左上には、Windows Hello対応の指紋センサーが搭載されており、Windowsへのログインやロック画面の解除、ECサイトの決済などが可能だ。この指紋センサーは、指を滑らせるタイプではなく、指を載せるだけで認証が可能であり、認証精度も高い。

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タッチパッドの左上には、Windows Hello対応指紋センサーが搭載されている。指をスライドさせる必要はなく、指を載せるだけで認証が可能だ

Windows Hello対応の顔認証センサーを搭載

 前述したWindows Hello対応指紋センサーは、dynabook Vシリーズ全機種に搭載されているのだが、最上位のdynabook V82では、さらにWindows Hello対応の顔認証センサーも搭載している。通常のWebカメラで顔認証を行うPCもあるが、通常のWebカメラでは顔写真などに騙されてしまいやすい。

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液晶上部に、有効画素数92万画素のWebカメラと顔認証センサーを搭載する

 dynabook V82の顔認証センサーは、赤外線を照射して赤外線センサーで認証するため、写真や絵には騙されにくい。また、暗い場所でも顔認証が可能というメリットがある。実際に試してみたが、認証速度も非常に速く、パスワードなしでログインするのとほぼ同じ感覚でWindowsにログインできるので快適だ。指紋認証センサーとあわせて、高いセキュリティを確保できるので、重要なデータを扱うビジネス用途にも最適だ。

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Windows Helloの顔認証設定画面。設定も非常に簡単だ

Thunderbolt 3をサポートし、各種ポートを備えたUSB Type-Cアダプターが付属

 薄型化を重視したため、本体装備のインターフェースは、USB 3.0とThunderbolt 3兼USB 3.1 Type-C、マイク/ヘッドホンと必要最小限のものとなっているが、最近の2in1では、USB 3.1 Type-Cしか用意されていないものも増えている中、通常サイズのUSB 3.0ポートを備えていることは評価できる。

 なお、Thunderbolt 3兼USB 3.1 Type-Cは、電源コネクタの役割も兼ねている。

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USB Type-Cアダプターには、HDMI出力とアナログRGB、USB 3.0、有線LANの各端子が用意されている

 さらに、標準でUSB Type-Cアダプターが付属していることも嬉しい。USB Type-Cアダプターには、HDMI出力とアナログRGB、USB 3.0、有線LANの各端子が用意されているほか、ACアダプター接続用のUSB 3.1 Type-C端子も用意されているので、ACアダプターから給電を行いながら、USB Type-Cアダプターを利用できる。オフィスのデスクでdynabook Vをメインマシンとして使う場合などに便利だ。ワイヤレス機能としては、IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LANとBluetooth 4.1をサポートしている。

公称約17時間もの長時間駆動を実現

 ACアダプターはコンパクトで軽く、携帯にも便利だ。また、省電力技術にも磨きがかかっており、最大約17時間もの長時間駆動が可能である。バッテリーベンチマークテストの「BBench」を利用して、無線LAN経由で1分ごとにWebアクセス、10秒ごとにキー入力を行う設定で駆動時間を計測したところ(液晶の輝度は50%、電源プランは「バランス」)、11時間29分の駆動が可能であった。無線LAN常時有効で、実測で11時間以上も持つのはかなり優秀だ。移動中に使うことが多い人にもお勧めだ。

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ACアダプターもコンパクトで軽く、携帯性は満足できる

 さらに、急速充電をサポートしており、わずか約30分間で約7時間の駆動が可能な容量を充電できる「お急ぎ30分チャージ」の搭載も高く評価できる。15分間でも約3.5時間のバッテリー駆動分を充電可能であり、出かける前に充電を忘れていた場合や会議などの合間にも素早く充電できるのはありがたい。

パフォーマンスもトップクラス

 dynabook V82は、最新のCore i7を搭載した2in1であり、その性能が気になるところだ。そこでベンチマークテストを行ってみた。利用したベンチマークプログラムは、「PCMark 8」、「PCMark 7」、「ファイナルファンタジー XIV:蒼天のイシュガルドベンチマーク」、「CrystalDiskMark 5.2.0」である。PCMark 8とPCMark 7については、レノボ・ジャパンの「ideacentre AIO 510S」と「Yoga 3」の結果も参考として挙げた。

 PCMark 8やPCMark 7のスコアは、ほぼ全ての項目でCore M-5Y10cと128GB SSDを搭載した「Yoga 3」やCore i5-6200Uと1TB HDDを搭載した「ideacentre AIO 510S」よりも、dynabook V82が上回っている。

 ファイナルファンタジー XIV:蒼天のイシュガルドベンチマークの結果は、下の画面キャプチャの通りで、1280×720ドット高品質(ノートPC)のスコアは1926で、「設定変更を推奨」であったが、1280×720ドット標準品質(ノートPC)のスコアは3125で、「やや快適」という結果になった。画質設定を標準以下にすれば、ファイナルファンタジー XIVも十分遊べそうだ。

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ファイナルファンタジー XIV:蒼天のイシュガルドベンチマークの「1280×720ドット高品質(ノートPC)」のスコアは1926であった
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ファイナルファンタジー XIV:蒼天のイシュガルドベンチマークの「1280×720ドット標準品質(ノートPC)」のスコアは3125であった

 CrystalDiskMark 5.2.0の結果は、下の画面キャプチャの通りで、SATA接続のSSDとしては、シーケンシャルリードはトップクラスであるが、シーケンシャルライトは最速というほどではない。

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CrystalDiskMark 5.2.0の結果。SATA接続のSSDとしてはシーケンシャルリードはトップクラスだ

東芝<6502>が誇る“全部入り”PCであり、パワーユーザーにお勧め

 dynabook Vシリーズは、東芝<6502>がこれまでにdynabookシリーズで培ってきた技術を惜しげもなく投入した、いわば”全部入り”PCである。特に、今回レビューした最上位のdynabook V82は、顔認証と指紋認証の両方に対応し、CPU性能も高い、まさにフラッグシップモデルと呼ぶにふさわしい製品だ。もちろん、価格も決して安いわけではないが、それだけの価値はあるといえる。今まで何台ものPCを使ってきたパワーユーザーにこそ、お勧めしたい製品だ。きっと満足できるだろう。

アスキー
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    最終更新: 12月22日(木)09時00分

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