過去最大規模のコミックマーケット91の二次創作人気を調査

アスキー 12月23日(金)18時00分配信
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2016年12月29日~31日のコミックマーケット91(C91)の二次創作状況について調べてみました

コミックマーケット91は過去最大規模で
12月29日から31日の3日間開催

 2016年12月29日(木)から31日(土)にかけて、東京お台場の東京ビッグサイトにおいて同人誌即売会「コミックマーケット91」が開催されます。

 今回は新しくできた東7・8ホールが初めて使用され、例年より700サークルほど多い約3万5700サークルが参加。過去最大規模のコミックマーケットとなりました。

 第二期第14回では「コミックマーケット90」に関しての記事を書きました。今回はコミックマーケット91のサークル数の動向と、人気作品のpixivでの動きをみていきます。

 これまでの回でも説明したとおり、コミックマーケットではジャンルコードという仕組みがあり、これを目安にどういった分野のサークルがどれくらい参加しているかを調べることができます。今回の参加サークルの比率はグラフ1のとおり。

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コミケ91でのホール別ジャンル配置(コミックマーケット公式サイトより)

 今回も大きくは変わりませんが、ゲーム・ギャルゲー・創作が増え、また今回もマンガ初出のジャンルが減っています。ほかメカミリと芸能系の数字が少し変化していますが、今回からのジャンルコードの大幅再編により「特撮・SF・ファンタジー<4343>」ジャンルが解体された影響です。

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グラフ1:公開されているコミックマーケットWebカタログ・DVDカタログのジャンルコード情報を参考に、いくつかに区分けしたコミックマーケット91のサークル数の比率

9割的中も予想外な増減のグラブル・おそ松さん 増加が目立つのはFate・ガルパン

 上記の方法で調べたコミックマーケット91で多かった作品はグラフ2のとおりです。参考にコミックマーケット90での数も載せています。なお「血界戦線」「僕のヒーローアカデミア」は上位ではありませんが前回予想したため参考に載せています。

 トップは今回も「艦これ」。以下、東方・刀剣乱舞・アイマス・ラブライブと上位の並びは変化ありません。グラフ外では「Free!」「魔法少女まどか☆マギカ」「ジョジョの奇妙な冒険」などのサークルが多くみられました。

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グラフ2:コミックマーケット91のWeb・冊子・DVD-ROMの各カタログを参考に、各作品の二次創作サークルの数を概算したもの。調査方法は第1期第39回の囲みコラム参照。正確な数字は求めるのが困難のため参考程度に。グラフが青いのは男性サークル寄り、赤いのは女性サークル寄りの作品。VOCALOIDは中間程度のため紫とした。また参考に前回のサークル数を灰色で示している

 前回の予想と結果をまとめると下記のとおり。なお前回は西ホールの運用変更によりサークル数減少、逆に今回が過去最大規模のコミケとなっており、前回との増減は全体からの比率を考慮して比較しています。このため実数は増加しているのに微減となっているタイトルもありますのでご了承ください。

 全体としては20作品中18作品的中でほぼ当たり。予想の範囲を広めにとったのが効いた印象です。

 一方で圧倒的な投稿数で増加を予想していた「おそ松さん」のサークル数が伸びず減少、逆に減少を予想していた「グランブルーファンタジー」が増加と2タイトルで外しました。こうした比較的新しいタイトルではpixivの投稿数を踏まえても予想しづらい性格があるようです。

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コミケ90→91でのサークル数変化予想結果

 大きく伸びたのは増加を予想していた「Fateシリーズ」と「ガールズ&パンツァー」。Fateはスマホゲーム「Fate/Grand Order」がヒット中、ガルパンは年初からの劇場版の勢いが未だに続いています。そのほか男性人気では、予想を外して「グランブルーファンタジー」が増加。ソシャゲの影響はまだ大きいようです。

 女性人気ではジャンルコードができた「あんさんぶるスターズ!」と「ワールドトリガー」が増加。アニメのヒットから前回予想した「僕のヒーローアカデミア」も増加しています。一方でその他のタイトルは、女性人気トップの「刀剣乱舞」(サークル数自体は増えているが比率で微減)や増加を予想した「おそ松さん」も含めて減少傾向でした。

男性向サークル数TOP3は今回も艦これ・グラブル・アイマス

 グラフ3では、作品が該当するジャンルコードと、その他のジャンルコードで分けたサークル数をグラフにしてみました。

 ジャンルコード「男性向」についてみると、今回も一番参加が多いのは「艦隊これくしょん」。次いで同じくソーシャルゲームの「グランブルーファンタジー」、「アイドルマスター」「ガールズ&パンツァー」と夏と同じ並びです。今回はガルパンが男性向も増加、アイマスが減少気味のため、ガルパンがアイマスにだいぶ追いついてきています。

 なお「東方Project」で同様の傾向がみられるサークルは、これまでも紹介しているとおりジャンルコード「東方Project」内で申し込まれることが多いためこちらは少ないです。

 継続する作品で「男性向」ジャンルコードの比率がだんだん落ちる定番パターンは今回も同じで「グランブルーファンタジー」「アイドルマスター」「ガールズ&パンツァー」「ラブライブ!」はそれぞれ前回より2~3割減らしています(全体が増えているためグラブル・ガルパンで男性向サークルの実数は増加)。ただし「艦隊これくしょん」については若干ですが男性向の割合が増してるのが興味深いところ。

 ジャンルコード全体の動きとしては、Fate人気で「TYPE-MOON」が拡大。ジャンルコード「TYPE-MOON」は今回9割以上がFate関連(スピンアウト等含む)のサークルとなっています。またアナログゲームブームか「ゲーム(電源不要)」も大きく増やしました。アニメ「鉄血のオルフェンズ」が好調の「ガンダム」も増加しています。

 ジャンルコード再編の関係もあり今回から独立したジャンルを含めての比較ですが、グラブル人気で「ゲーム(その他)」、ガルパン人気で「アニメ(その他)」ほか、あんスタ人気で「ゲーム(恋愛)」なども増加しています。そのほか「コスプレ」「評論・情報」が継続的に増加しています。

 一方でハイキュー・黒バスの減少が続く「FC(ジャンプその他)」ほかの週刊少年ジャンプ関連はワートリ・ヒロアカなどの増加はあるものの全体では大きく減らしています。そのほか「アニメ(サンライズ)」「TIGER&BUNNY」「スポーツ」「ヘタリア」などが今回減少していました。

 ジャンルコード別のサークル数の細かい数字はすでにブログにて公開していますのでそちらをご参照ください。

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グラフ3:グラフ2と同様、各作品のサークル数を、申し込みジャンルコードについて通常誘導される該当ジャンルコード、男性向、それ以外(コスプレ等)で分けた積み上げグラフ。前回同様「艦隊これくしょん」「グランブルーファンタジー」「アイドルマスター」「ガールズ&パンツァー」で男性向での参加が多い

次回予想:拡大が続きそうなFate・ガルパン pixivヒット中のユーリ!!!にも注目

 今回もpixivのイラスト投稿数を参考に次回サークル数の増減を予想してみます。前述のとおり、前回予想した20作品中18作品で的中しました。今回も前回と同じく、コミケ申し込み前のpixivの各作品の投稿数から海外作家と中高生の推定比率分を除外した補正済みの投稿数を今回のサークル数と比較してサークル数が増減するかどうかを予想していきます。

 今回は11月1日から12月10日までのpixivの投稿イラストのデータを使用しました。グラフ4では、この期間のpixivのイラスト投稿数を上記の方法で補正したものとコミックマーケット91のサークル数を比較しています。10月開始アニメで二次創作人気が盛り上がっている「ユーリ!!! on ICE」も載せてみました。

 次回コミックマーケット92の申し込みは1月から2月ですので、来期アニメの評価やコミックマーケット91中の発表などにも左右されますが、おおまかな傾向はつかめると思われます。

 今回の予想としては以下のような感じでしょうか。なおここでは前回比で5%に満たないような小規模な増減を微増または微減と表現しています。

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コミケ91→92でのサークル数変化予想

 増加が見込まれるのは前回に引き続き「Fateシリーズ」と「ガールズ&パンツァー」。FateはFGOで今月クライマックスのエピソードが配信されることもあり、夏も拡大すると思われます。ガルパンは長期上映していた劇場版もさすがに終わり、続編まで間があるもののまだまだ勢いがあるようです。

 次回の注目どころとしてはアニメが現在ヒット中の「ユーリ!!! on ICE」。昨年のおそ松さんほどではないですが、次回は100から数百サークル規模の参加が見込まれます。ほかに2016年ヒットしたタイトルとしては「Re:ゼロから始める異世界生活」や「君の名は。」がありましたが、pixivの動向を見るかぎりではコミケでのサークル数はそこまで増えなさそうです。

「おそ松さん」「東方Project」は数字的には増加が見込まれますが、過去の例からすると微減も考えられるところ。「艦隊これくしょん」「刀剣乱舞」「アイドルマスター」「ラブライブ!」「あんさんぶるスターズ!」「僕のヒーローアカデミア」は減少~微増の見込み。増加が見込まれるほど勢いはないものの、ほぼ現状維持程度に投稿があります。

 また「グランブルーファンタジー」は、数字的には減少が見込まれるものの、前回同様の数字で予想を外したことから広めにとり、こちらも減少から微増の範囲の予想です。

 なお、この推定は全体の比率に対して行なっているものです。現在、東京ビッグサイトの拡張工事の関連により全体サークル数が増減しており、影響する可能性があります。ご了承ください。

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グラフ4:コミックマーケット91のサークル数と、2016年11月1日~12月10日に投稿されたイラストについて作品ごとにタグを名寄せして作品数をカウントしたものを海外投稿者・国内学生投稿者の比率で補正したもの。透過している緑の棒グラフがpixivの補正済み投稿数。pixivの投稿数は左軸、コミケのサークル数は右軸。左右の軸はおおむね両値の比の平均に近くなるように調整している

 これまでの調査で、近い時期のpixivの投稿数からある程度次回の各作品のコミケ申し込み規模が推定できることがわかりました。また、補正でより高精度に次回のコミックマーケットのサークル数増減を予想できるようになりました。なお、前回は半数の予想を外したため予想範囲を広くとった結果、9割的中という結果になりました。

 一方で「おそ松さん」「グランブルーファンタジー」の2作品については大きく外しており、現在の方法では予想しきれない動きもあるようです。今後の課題としたいと思います。

アスキー
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    最終更新: 12月23日(金)18時00分

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