2万円以下で高性能なSynologyのNAS「DiskStation DS216j」の実力をチェック

アスキー 12月27日(火)11時00分配信

クラウドサービスではなくNASを選ぶわけ

DS216j

 これまで文書や画像といったファイルは、作業しているパソコン内のストレージに保存してきた。しかし、最近はクラウドのストレージサービスを利用するケースが増えてきている。クラウド上にファイルがあれば、いつでもどこからでもアクセスできて、閲覧や編集が手軽にできるとともに、バックアップ先としての意味合いもある。

 ただ、クラウドのストレージサービスを無料で使っていると、容量が少ないため、画像や動画といったファイルはなかなか扱いにくい。もちろんお金を払えば1TB程度は利用できるが、それだけの容量をアップロードやダウンロードするとなると、かなりの時間がかかり、使い勝手はいまいちだ。

 そこでNAS(Network Attached Strage)の活用である。容量はパソコンで使っているストレージサイズと同等以上が利用でき、同一のLAN内からアクセスするぶんには高速なので、ファイルの移動もラク。しかも、外部からもアクセスできるので、クラウドストレージサービスのように、いつでもどこからでも閲覧・編集が可能だ。しかもLANに接続して簡単な設定をするだけでOK<3808>なので、サーバーを構築すると言った手間も難しさもないという、いいとこ取りのようなシステムなのである。

 今回紹介したいのがSynologyのNAS「Synology DiskStation DS216j」だ。Synologyは2000年に台湾で設立し、NASを中心に発展してきた企業で、AmazonのNAS販売ランキングで1位を取るなど、世界的にも人気が高い。

DS216j
「Synology DiskStation DS216j」は、HDDは含まないNASキット。2ベイタイプでサイズは165(W)×225.5(D)×100(H) mm

 NASにはHDDが装着されてセットアップが済んでいるタイプと、HDDが別売りのNASキットと呼ばれるタイプの2種類がある。前者は国内製が多く、自分でHDDを選べないため自由度も拡張性も低い。一方NASキットだと、好きなHDDを選べ、極端な話、いらなくなったHDDを集めてNASを組むことも可能。しかも、使いながら容量をアップするといった利用方法もできる。機能も豊富で将来性を考えるなら後者のほうがメリットは高い。DS216jももちろんNASキットだ。

自由にHDDを選んで装着セットアップもカンタン

 DS216jは2ベイタイプで、利用するにはまずHDDの装着から始まる。HDDは1ドライブ最大10TBのタイプまでOK<3808>。今回は8TBを2台用意したが、容量は同じでなくても問題はない。

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今回、ウエスタンデジタル(WD)のWD Red 8TB「WD80EFZX」(実売価格3万9600円前後)を2台用意して搭載。もっと価格を抑えたい場合、3TBモデル(実売価格7500円前後)などで運用するのもアリだろう
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ケースを開け付属のネジでHDDを固定。あとはケースをもとに戻してネジ止めするだけ
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LANポートにLANケーブルを挿す。USB3.0ポートを2つ備え、外付けHDDを装着可能だ

 HDDの装着が終わったら、LANに接続してパソコンからセットアップを開始する。ブラウザーで「http://find.synology.com」とアドレスを入力すれば、接続されている製品を自動で見つけ出してくれる。セットアップ時には、RAIDの設定を行なうことがないが、自動的に「SHR」(Synology Hybrid RAID)と独自のRAID形式で構築される。SHRはRAIDの知識がなくても、最適な設定にしてくれる自動管理システム。HDD 1台ぶんの冗長は保たれつつ最大容量を確保してくれる。HDDを交換することで、容量をアップすることも可能だ。

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同じLANに接続しているパソコンから「http://find.synology.com」へアクセス。セットアップを開始する

 セットアップは指示に従っていけば完了するが、まずOSのインストールから始まる。「DSM」(DiskStation Manager)と呼ばれる独自OSは、このNASの心臓部であり、Windowsのような画面で操作するタイプのもので、アプリケーションを追加することでさまざまな機能を組み込める優れものである。同社オススメのアプリケーションもセットアップ時にインストールでき、NASとして使えるまで、だいたい30分から1時間ぐらいかかる。

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まずDSMのインストールから始まる。今回は作業に18分程度かかった
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管理者のアカウントを作成する。「サーバー名」はWindows上から見えるドライブ名、「ユーザー名」は、NASへアクセスするときのIDになる
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セットアップ後に表示されるDSMの画面。全画面表示すれば、デスクトップと見まごうほどよくできている

 セットアップ時にスキップすることなく、指示に従って設定していれば、すぐそのまま利用できるようになる。たとえば、WindowsパソコンからDS216jへアクセスするなら、ネットワークドライブにセットアップ時に設定したドライブ名が表示されているはず。ユーザー名とパスワードを入力すれば、「Photo」や「Video」、「Home」といった共有されているフォルダーが見える。あとは、エクスプローラーの操作と同様にファイルをドラッグ&ドロップするだけだ。

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ネットワークドライブに指定したドライブ名が表示される。あとはエクスプローラーから通常のファイル操作で扱える

 ここで共有しているフォルダーは「File Station」アプリで管理されている。ユーザーを登録できるので、フォルダーごとにアクセス制限も可能。ブラウザー上で動作するDSM上でもファイル操作が可能で、NAS上でのファイル移動なら、そのほうが速い場合もある。

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DSM上でもファイル操作は可能。ブラウザーへドラッグ&ドロップするだけで転送できる

 ファイルの転送速度は、WindowsバソコンからDS216jへは、2.47GBの動画で約28.5秒(約86.7MB/s)、50枚のRAW画像1.61GBの場合は約19.98秒(約80.6MB/s)だった。逆にDS216jからWindowsパソコンへは、動画が約25.75秒(95.9MB/s)、RAW画像が約14.88秒(約108.2MB/s)と、書き込みより読み込みのほうが若干速い。この速度はパソコンの環境にもよるが、SATA3接続の内蔵HDDの転送速度より若干遅い程度。作業する上で不満はない。

 また、内部処理が速いのもこの製品の特徴のひとつ。浮動小数点演算を備えたデュアルコアCPU(1GHz)を搭載。メモリーは512MB積んでいて、たとえば、DSM上でサムネイル表示せるとすこぶる早く表示してくれるので、ストレスを感じない。また、RAW画像もプレビュー表示ができるなど、使い勝手のよさも光る。

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DSM上で閲覧した場合でも、サムネイル表示がかなり速い
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RAW画像もDSM上で閲覧できた。表示速度も申し分ない

アプリを追加して使い勝手が向上!

 単なるファイルサーバー機能だけではなく、アプリをインストールすることによってさまざまな機能を提供。たとえば「PhotoStation」なら、ブラウザー上で写真の閲覧・管理ができたり、「VideoStation」なら、動画やテレビ、録画した番組をブラウザー上で再生するだけでなく、ChromecastやAppleTVなどに転送して見ることができる。アプリには「WordPress」もあり、ウェブサーバーとして使うこともできる。もはやNASというよりサーバーに近い感覚だ。

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セットアップ時に推奨パッケージをインストールするか指定できる。アプリはいつでもインストール可能だ
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「PhotoStation」は写真を閲覧・管理する専用アプリ。EXIFの情報も確認できる
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たくさんのアプリが用意されていて、インストールを実行するだけで利用可能になる

 もちろん外部からもアクセスでき、セットアップ時に設定した「QuickConnect」を利用すると、特にルーターの設定をすることもなく、「http://QuickConnect.to/[ID]」でアクセスできる。パソコンからだけでなくAndroidスマホやiPhone(iOS)からもアプリを使ってアクセスでき、写真表示もサムネイルが高速表示され(通信環境による)、動画もストリーミング配信されるので、非常に快適。iPhoneでは見られないWMV形式でも見られるので、変換せず管理できるのがいい。文書ファイルも含めいつでもどこからでも活用できる。

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セットアップ時にあるQuickConnectの設定は、外部からNASへカンタンにアクセスできる仕組みだ
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スマホやiPhoneからも専用アプリで、QuickConnectのIDとパスワードでアクセスできる。通信環境にもよるが、サムネイル表示も早く快適。画面はファイル管理が可能な「DS file」
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写真の管理・閲覧・編集までが可能な「DS Photo」
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NASの状態をいつでも確認できる「DS finder」

 データをバックアップするときは、「Cloud Station Backup」「Photo Station」といったアプリを活用すると便利だ。Cloud Station BackupはPCのフォルダーを選択してのバックアップが可能で、ドキュメント系のファイルを扱うことに長けている。Photo Stationは写真をバックアップするためのアプリで、スマホに『DS photo』アプリをインストールしておけば、写真を自動アップロードしたり、アルバムの写真を外出先から参照できる。特に最近はスマホで写真を撮る機会が多いため、上手に活用したいところ。

 また、DS216jはUSB 3.0ポートを備えており、外付けHDDと接続できる。絶対に失いたくない重要なデータは、NASだけでなく外付けHDDへバックアップしておくことを推奨したい。さらに、クラウドストレージサービスと同期する「Cloud Sync」を使えば、指定したフォルダーをOneDriveやGoogleDrive、Amazonドライブへ定期的にバックアップ可能だ。子どもの写真、重要な仕事のファイルなどは、複数のバックアップをとっておくと安心できるだろう。ほかにも、別のNASを利用して同期を取るといったアプリも用意されているので、DS216jの利用用途や環境に合わせてバックアップをチョイスしたい。

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「Cloud Sync」を利用すれば、ファイルごとにバックアップするクラウドストレージサービスを選べる。たとえば、ドキュメント類はOneDrive、写真はAmazonストレージといった具合だ

 『Synology DiskStation DS216j』は実売価格1万9000円前後。サーバー並の機能をもちながらアクセス時で 14.85W程度の消費電力と圧倒的に低く、静音性が高いのもポイントが高い。あまりに機能が豊富すぎて、初心者だと最初は戸惑うかもしれないが、ヘルプ機能も充実しており、基本的な機能に関しては設定いらずで使えるため問題ないはず。もちろんNASを使いこなしたい上級者にとっても申し分ない。

 今回NASということで3.5インチHDDは、耐久性の高いWDのRedを使用したが、コスパのいいWDのBlue、3TBだと実売が7500円前後で販売されており、2基買っても1万5000円。本体と合わせても3万4000円程度でNAS環境が手に入る計算になる。将来4TB、6TBがお手ごろ価格になったら交換も可能なので、将来性も考えてDS216jの導入を今すぐ検討してほしい。

(提供:Synology)

アスキー
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    最終更新: 12月27日(火)11時00分

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