おしるこ4缶ゴクゴク飲み比べ! 失われた日本のお正月を取り戻す

アスキー 01月01日(日)15時00分配信
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 1年が過ぎ、また新しい1年がやってきました。めでたいなあ、いや~めでたい。

 読者のみなさんはこの時期、平穏な正月らしい雰囲気を感じられているでしょうか。編集部にも「積みゲー消化してるうちに正月が終わった」だとか「正月ずっとVR空間にいた」とか平気で言いそうな人がいるので心配です。

 どんなに忙しい人でも一瞬で正月感を得る方法があります。それは「おしるこ缶をキメる」こと。たとえ今が仕事始めの通勤中だとしても、自販機で売っているおしるこ缶を飲んでホッと一息つくだけで失われた正月を取り戻すことができます。

 正月に限らず普段からおしるこをたしなむ私が紹介したいのは以下の4本。4本を飲み比べながら、それぞれの特性を探ります。

伊藤園<2593>「大納言しるこ」
・ポッカサッポロ「つぶ入りおしるこ」
・遠藤製餡「有機 茜しるこ」
・セコマ「おしるこ」

 評価するのは“甘み”、“香り”、“まろやかさ”、“粒ストレス”、“粒の大きさ”、“粒の存在感”の6項目。ちなみに粒ストレスとは、おしるこ缶あるあるの「飲み干しても缶の中にあずきが残ってしまい、振ってもなかなか出てこなくてイライラする」現象のことを表しています。粒の残り具合を調査します。

 なお感想は個人的なものであり、粒に関しても個体差があります。あしからず。甘みに関しては正確さ向上のため糖度計を用意しました。

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「ポケット糖度計」Amazonで購入。2580円。
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先端の青い部分に対象の液体を垂らし、この穴を覗くと
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このように見えます。青い部分が糖度の分だけ白くなる
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色はほとんど同じながらも、違いはあるのか……
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 おしるこ缶界のキングといえる、伊藤園<2593>の「大納言しるこ」。都内を歩いていて最も見かける頻度が高かったのが本商品でした。

 上品な甘みを特徴とする北海道産“大納言小豆”を100%使用し、あずきをそのまま缶に詰め、じっくり茹で上げる独自の特許技術「まるごと茹で上げ製法」を採用することで、素材本来のおいしさを逃がさず、濃くてしっかりとした味わいに仕上げているそう。缶の中で茹で上がる様子、死ぬ前に一度見てみたい。

 業界初という「粒がよく出る新容器」も大きな特徴です。また、広口缶(ボトル缶)タイプのものもあり、飲んでいる途中でもフタを閉めて振れる点が筆者は大好きなのですが、この冬は見つけることができませんでした。

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セクシーな“くびれ”が粒ストレスから解放してくれる

 何度も飲んだ味ですが、いざ改めてほかと比較すると新たな発見がありました。

 まずまろやかさが抜群にいい。缶でありながら缶ジュースの枠にとらわれない、おしるこらしいとろみのあるお汁です。ドロドロとサラサラのちょうど中間であり、飲み終えたあとのベタつきがないのがさらに驚きです。

 クセのない上品なあんの香りもよく、出社前に飲むおしるこ缶としてはベストの条件が揃っています。強すぎるおしるこ感(口のベタつき、ザラつき、甘い香り)は、ときに仕事中、周囲の反感を買ってしまうことがあります。スッと抜けていく後味は秀逸で、おしるこを飲んだ実感はしっかりとあるのにコーヒーや栄養ドリンクさながらの速攻で飲み干せる、高い完成度を誇る缶飲料であると思います。

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糖度計を覗くと、値は21%

 次にあずきの粒についてです。

 粒は小柄でやわらかく、かつ崩れやすいため、あずきを噛んで食べたい派にとっては残念に感じるかもしれません。しかし、ゆえに缶のなかにも口のなかにも粒が残りづらくなっている、という側面も。これを強みとするか弱みとするかは、好みによるところでしょうか。ちなみに大納言あずきは小さいながらもとても甘く、ポテンシャルの高さがうかがえました。

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粒は小柄。幅6mm~7mm程度

 「大納言しるこ」というダイナミックな響きは、強烈な甘みと巨大な粒を想起させます。しかし実際は上品さに満ちた繊細なおしるこ缶です。街で見かけたら、ぜひ。

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 都内でよく見かけるおしるこ缶その2。というより、自販機で買えたおしるこ缶は前出の「大納言しるこ」と、この「つぶ入りおしるこ」の2つでした。おしるこ缶業界もひょっとすると冬の時代を迎えているのかもしれません。

 ポッカサッポロの「つぶ入りおしるこ」は、今まさにおしるこを“食べたくなった”人に最適な商品といえます。伝統すら感じさせるスタンダードなおしるこ缶だと思いました。やや洗練されすぎている印象のある「大納言しるこ」に対し、「つぶ入りおしるこ」は家庭的な味であり、安心感をおぼえます。強い甘みがそう感じさせるのだと思います。

 なお、糖度は18%でした。「大納言しるこ」よりも甘みを感じたのですが、舌で感じた甘さと糖度には違いがあるようです。

 当然ながら餅は入っていませんが、もし自宅で切り餅を余らせているなら餅入りしるこ化するのもいいでしょう。久しぶりにおしるこ食べたい! と思ったときに、きっとしっくりくる味のはず。

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缶に残った粒は15粒。飲む際に缶の外へ出てくれた粒は5粒ほどでした。粒のサイズは8mm程度

 残念ながら粒は底のほうで集まってしまいます。よ~く缶を振り、一気に飲めれば粒もスムーズに出てくれるでしょう。しかし汁の甘さが一気飲みを許しません。また汁はサラサラ系なので、粒を運ぶ力が足りないのかも……とも思えます。飲み方に工夫が必要ですね。粒はあずきらしく、小指の爪に収まる程度の普通サイズ。崩れづらく、しっかり噛んで食べられるあずきでした。

 「甘み」「粒ストレス」を星5つ、「粒の存在感」を星4つと尖った特徴を持ったおしるこ缶だと評価しましたが、この特徴こそがスタンダードなおしるこらしさであると考えることもできます。正月に楽しむべきは、こんなおしるこ缶なのかもしれません。

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 ナチュラルローソンで購入。遠藤製餡は東京・東村山市に拠点を持つ製餡業のリーディングカンパニーで、「ゼロカロリー水ようかん」などのヒット商品やオーガニック商品で知られるメーカーです(知りませんでした)。

 この「有機 茜しるこ」もオーガニック、つまり有機栽培のあずきと砂糖が使われており、“甘すぎず素材の味がしっかり活きた上品な味わい”としています。控えめの甘さを特徴とする実にオーガニックらしいおしるこで、糖度は今回選んだ4本のうち最低の17%。ライトなやさしい味でした。

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縦書きの成分表示は初めて見たかもしれない

 反対に、あずきの粒はかなり攻撃的です。

 大粒であり歯ごたえもある。最大の特徴は、あずきの皮の堅さとザクザク感でした。有機栽培のあずきとは、これほどまでに生命力を感じさせるものなのかと驚くはず。

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攻撃的な大粒。大きいものは1cm超える。あと、横幅がある
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あまり気持ちのいい画像ではありませんが、飲み干したあとのコップに違いが出ました

 粒そのものはほとんど缶に残りません。今回の検証で残ったのは3粒でした。ただし、粒本体から離れた皮が口に残ります。お汁がべったり残る感じもあるので、通勤中に飲むおしるこ缶としては不向きである、と考えられます(なお、粒は後半どどっと出るタイプでした。できれば満遍なく出て欲しいところです。しかし缶を振るほど皮が剥がれる……)。

 あんこ屋さんが作るおしるこ缶は、自宅でゆっくりと楽しみたくなる優しい味がしました。自販機でおしるこ缶をよく買う人にこそ、この違いを感じてもらえたらと思います。

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 最後は北からの刺客、セイコーマートで買える「おしるこ」です。セイコーマートを運営する「セコマ」のオリジナル商品で、100円以下というコスパがすばらしい。

 セイコーマートは北海道に1000店舗以上を構えるコンビニチェーンであり、なぜか埼玉県と茨城県にも出店しています。今回は私の地元茨城で購入しました。余談ですが私はホットシェフのおにぎりが大好きです。

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成分表示がなくカロリー量はわからなかった
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甘酒もある。やはり88円

 オーガニックな「有機 茜しるこ」と同じく、甘みは星3つとしました。しかし甘さの質が異なります。セコマのおしるこにはやや駄菓子的な甘さがあり、人によっては強烈な甘ったるさを感じるかもしれません。この種類の甘さが好きな人にとってはたまりません。お汁は超サラサラで、グビッと飲めてしまうところが癖になりそうで怖いです。

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あずきの粒は大きく、やわらかく、フワッとしてて、甘い。サイズは9mm~10mm

 コスパと駄菓子感に続くもう1つの特徴が、北海道産あずきの大きさと甘さです。お汁が染み込んでいるのか、粒そのものを1つ取り上げて食べてみたら驚くほど甘さを感じました。そして粒が大きいわりにはやわらかくフンワリとしています。それでいて、缶のなかで粒が崩壊しない……。

 グビッといける点は缶の飲み物として優れていますし、粒を感じられるところも“半分飲みもの、半分食べもの”系ドリンクが好きな人にとってハマる要素だと思います。

 北海道ではこの「おしるこ」も広く親しまれているのでしょうか。セコマが近くにあるのにまだ飲んだことがないという人、もったいないです!

さいごに

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 今回は私がふだんの生活のなかで発見した4本をピックアップしました。

 気づいたのですが「スープ缶」の種類が近年大幅に増えており、そのためかおしるこ缶を目にする機会が減っているように感じました。冬の自販機に出現する“半分飲みもの、半分食べもの”枠を埋めるのは不動の2大エースであるおしるこ&コーンスープだったはずが、今年は様々なスープ缶そしてみそ汁缶とも枠を争っていました。こんな記事が皆のおしるこ缶デビューのきっかけになり、おしるこ再興の一打となれば幸いです。

 かつては地元の餅つき大会で、餅を突いては雑煮を食べ、醤油をかけて食べ、シメにおしるこを食べたものでした。各地で餅つき大会の中止が相次ぐなか、最も身近なおしるこはおしるこ缶なのかもしれません。おしるこから離れていた人、おしるこの元へ帰ってきてください。

 新年にピッタリなおしるこ缶で、一息ついて今年も1年がんばります。おしるこ缶片手に行く初詣は、最高ですよー!

アスキー
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    最終更新: 01月01日(日)15時00分

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