Samsungの”お膝元”ベトナムのスマホ事情、SamsungとAppleが強く、Oppoも人気

アスキー 01月11日(水)10時00分配信

 少子高齢化の日本から見ると信じられないような国がある。国民の平均年齢が30歳を下回るというベトナムだ。12月末、短時間だがベトナムの首都ハノイを訪問する機会があった。若さと活力だけでなく、新興国ならではの活気も感じられるパワフルな市場。コンシューマーの携帯電話のトレンドはどうなっているのだろうか?

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ベトナムで携帯電話を中心に電気製品を扱うthegioididong.comで店員に話を聞いた

SIM契約数が人口を上回る国、スマホは4人に3人が利用

 まずは基本的な情報から。ベトナムは人口が約9300万人、このうち約30%がハノイ、ホーチミンといった都市に住み、日常的にインターネットにアクセスできる人は約半分の4850万人。その男女比もほぼ半々だ。ソーシャルメディアはインターネットユーザーの約8割が利用しており、モバイルインターネットの普及率は60%近く。そして一人あたりのGDPは約2100ドルだ。

 街では携帯電話は珍しくなく、新興国によくある2台持ちも多い模様。ベトナムは携帯電話の加入者数が人口を上回っており、1人が複数のSIMを利用しているようである。ただし政府は取り締まりを厳しくしており、SIM購入には身分証明書が必要となったそうだ。

 ハノイはバイクがたくさん通っているが、2人乗りのバイクの後ろでスマホをタッチしている人はともかく、バイクを運転する人がハンドルに当てた手にスマホを持っているのを見るとヒヤリとした。ミツバチのようにくまなく道中を走るバイクを活用し、Uberは「Uber Moto」としてバイクの後ろに乗せてくれるシェアリングサービスを展開しているそうだ。

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ベトナムではUberも二輪。偶然にもUber Motoの運転手と見られるUberヘルメットをつけた男性を見かけた

 スマートフォンの基本的な情報としては、携帯電話の出荷に占めるスマートフォンの比率は51%となっている(IDCによる)。実際に利用されている携帯電話としては、スマートフォンは4分の3近くを占め、52%がAndroid、20%がiOSという(地元のモバイルサービス企業、Appotaのデータによる)。

Samsungはベトナムに大きな工場を構え、シェアもトップ
若者を狙うマーケット戦略が成功しているOppo

 街中に携帯電話の中古ショップ、SIMやプリペイドカードを購入できる店があるが、ハノイの北部にあるthegioididong.com(ベトナム語で”モバイルの世界”)というショップに案内してもらった。ベトナム内に200以上、ラオスや中国を入れると合計で1100以上の店舗を持つという大手チェーンだ。

 店内に入ると、目立つところにSamsung、ソニー<6758>、そしてOppoの端末を紹介するコーナーが設置してある。Samsungはベトナムに大きな工場を持ち、数々のスマートフォンをアセンブリしている(あの「Galaxy Note 7」もベトナム製だ)。

 実際、Samsung一社でベトナムの輸出額のかなりの割合を占めるとか。それもあってだろう。Samsungの存在感は明らかだ。ハノイのノイバイ国際空港の第2ターミナルを出ると、蒸し暑さとともにSamsungの広告が目にはいる。街の中でもSamsungの看板が目につく。

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ハノイ・ノイバイ空港の第2ターミナルは日本の政府開発援助(ODA)プロジェクト。Samsungの広告が並んでいた

 さて、ショップの店員さんに感触としての人気を聞いたところ、1位は納得のSamsung、そして2位はOppo、3位はAppleだった。Oppoは中国のスマートフォンメーカーで、人気が下降気味となったXiaomiに変わって国際的にも存在感を増している。ハノイの街でもブランドカラーのグリーンを配したOppoの看板(本物かどうかは別として)を見かけた。

 Oppoの魅力については「Samsungやソニー<6758>より安いのに、スペックは同等で電池持ちはいい。マーケティングも良い」とこの店員は語る。若い人には「Samsungより人気かもしれない」とのことだった。彼自身はソニー<6758>の「Xperia Z3」を持っているらしいが、次はOppoも検討に入れているとのこと。

 Oppoのハイエンド「F1s」は599万ベトナムドン(約3万円)。5型HD液晶をCorning Gorilla Glass 4で保護し、リア8メガ/イン5メガのカメラに、デュアルSIMが利用できるLTE対応の「A37(Neo 9)」は369万ベトナムドン(約1万9000円)だ。IDCによると、2015年のベトナム市場でのスマートフォンの平均価格は183ドル(約2万円)なので、Oppoは平均的な価格帯と言える。

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Oppoはベトナムで大きな成功を収めている様子

 Appleは、「iPhone SE」(16GB)が平均月収を上回る899万ベトナムドン(約4万6000円)、「iPhone 7」になると1879万ベトナムドン(約9万6600円)。普通の人にとっては、どうやって手に入れるのか謎だ。Appleは2015年に正式にApple Vietnamを立ち上げている。なお、SamsungはハイエンドのGalaxy Sシリーズ(32GBのS7は1499万ベトナムドン)よりも、Galaxy J、Galaxy Aなどのラインが人気だそうだ。IDCのデータでは、シェアトップはSamsungで35%、Appleは24%とのこと。

ソニー<6758>もなかなかの人気もファーウェイの姿は薄い
フィーチャーフォンも健在

 この店員さんによる”勝手ランキング”によると、4位以下はソニー<6758>、HTC、Lenovoと続いた。世界ランキングと比較すると、Huaweiの存在感が薄いと感じた。店員に聞いて見たところ、Huaweiのことをあまり知らない様子。店にあったパンフレットでは「Huawei GR6」と同mini、そして「Huawei Y6 II」の3機種のみ。フラグシップのPシリーズの姿はなかった。

 さて、店内にはフィーチャーフォンもかなりのスペースを占めていた。Nokia、Philips、アフリカのItel、地元ベトナムのMobellなどが並ぶ。価格はNokiaの「Nokia 105」で42万ベトナムドン(約2100円)とやはり安い。多くはバックアップ用、仕事用でフィーチャーフォンを利用する人が多いとのこと。

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フィーチャーフォンは展示スペースの約4分の3を占めていた

 SNSではFacebookは「アカウントを持っていることが前提」というぐらい普及しているそうだ。このほか、地場のサービスである「Zalo」の人気もすごいそう。少し前は「Viber」も人気だったそうだが、今ではFacebookかZaloに人気が集中しているとのことだった。Appotaのデータでも、Zaloの利用率は8割、Facebook Messengerは7割とこの2つが突出している。

 冒頭でSIMの契約数について書いたが、多く(おそらく9割超)はプリペイド。プリペイドは簡単にキャリア変更ができてしまうことからキャリア側は加入者の乗り換え対策に必死で、KDDI<9433>は同国第2のキャリア、MobiFoneのプリペイドトップアップ(チャージ)をはじめとしたコンテンツ支援で提携を発表した。

 今回のベトナム訪問はKDDI<9433>の発表会に参加するためのもので、発表会では地元記者の質問から、顧客との結びつきを強化するコンテンツ戦略をどのキャリアも進めていることがうかがえた。


アスキー
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    最終更新: 01月11日(水)10時00分

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