東芝「レグザ」が有機ELテレビになって3月発売! その技術を細かく解説

アスキー 01月11日(水)12時00分配信
有機ELテレビ
東芝<6502>の有機ELテレビ「レグザ X910」

 ラスベガスで開催された「CES 2017」では、ソニー<6758>パナソニック<6752>が有機ELテレビを発表(有機ELについては下方のコラムで解説)。大いに盛り上がっていたが、東芝映像ソリューションは1月11日、国内向けに4K有機ELテレビを発表。3月に発売するという。

有機ELテレビ
有機ELテレビ
CESのタイミングで発表された、ソニー<6758>「A1E」(左)とパナソニック<6752>「EZ1000」(右)。どちらも海外発表で国内ので発売は未定

 (現時点において)最速のタイミングで発売される新製品を詳しく見ていこう。

65V型有機ELで約100万円!
最強画像処理エンジンを搭載する「レグザ X910」

有機ELテレビ
有機ELということで、パネル部は極薄だ
有機ELテレビ
スタンドと前面パネルは、一体感を演出するためフラットになっている
有機ELテレビ
側面にはUSB端子やSDメモリーカードスロットなどを装備
有機ELテレビ
星空などの立体感がスゴイ!

 有機ELテレビは「レグザ X910」として展開する。65V型と55V型のラインナップとなっており、予想実売価格は前者が97万円前後、後者が75万円前後となる。

cell regza
100万円という価格が話題を呼んだ「セルレグザ」

 従来、レグザの最上位機種は「Z」シリーズだったが、有機ELテレビは「X」シリーズとなった。X型番は(PS3に採用されていた)CELLプロセッサーを採用した「セルレグザ」(2009年発表)に用いられたが、それほどに力の入った製品ということだ。

有機ELテレビ
画像処理エンジン「OLED レグザエンジン Beauty PRO」。ハードウェア的には従来の「レグザエンジン HDR PRO」と同じ

 有機ELパネルの採用に伴い、画像処理エンジンは「OLED レグザエンジン Beauty PRO」となった。実際のところ、ハードウェアとしては現行の最上位機種「レグザ Z20X」と同じだが、ソフトウェアの改良によりOLED駆動を実現。

東芝レグザ
2016年に公開された8Kレグザの開発機
東芝レグザ
レグザエンジン HDR PROを4つ使って8Kを実現していた

 このハードウェアを4つ使って8K映像を表示したこともあり、汎用性の高いハードウェアなのだそうだ。

 有機ELは自発光デバイスであり、バックライトを搭載する液晶パネルよりは輝度の点で劣るものの、黒の締まりは優れており、コントラストという点では有利となる。

東芝<6502>の映像ノウハウが盛りだくさん!

 有機ELパネルは自社製ではないが、上述のように画像処理エンジンは東芝独自のもので、同社の画質に関する技術がふんだんに盛り込まれている。

東芝の有機ELテレビ
「熟成超解像」のイメージ

 たとえば、同社が長年開発を続けてきた「超解像」技術は「熟成超解像」という新しいステージに突入。映画などの24フレームの入力ソース(2K)に対して、ノイズリダクションと3種類の超解像処理(複数フレーム超解像、自己合同性超解像、再構成型超解像)を施して4Kアップコンバートをかけた上で、再度ノイズリダクションと2種類の超解像処理(複数フレーム超解像、再構成型超解像)をかける。

 つまり、2K解像度の映像と4K解像度になった映像にそれぞれ処理を行ない、よりクリアで精細感の高い映像を表示する。

東芝の有機ELテレビ
「アダプティブフレーム超解像」のイメージ

 また、フレーム数の異なるコンテンツ、たとえば地デジ(30フレーム)、アニメ(24フレーム)、映画(60フレーム)を判別し、参照するフレームを選択する「アダプティブフレーム超解像」も搭載。現在のフレームの前の5フレームから最適なものを選び、これをもとにノイズリダクションを行なう。同時に複数フレーム超解像も実施し、解像感を高めながらノイズやちらつきを防止する。

 さらに、ネットの映像に関しては、データ量を解析して解像度を判別。それに応じた超解像処理とノイズリダクションをかける。これにより、SD解像度の映像でも精細感のある4K映像で視聴可能だ。

東芝の有機ELテレビ
コントラスト復元のイメージ

 コントラスト復元機能については、部分的な補正が可能となった。まずは映像全体から黒つぶれしている箇所と白とびしている箇所を識別し、陰影部分と骨格部分(エッジ)に分離。陰影部分のみに処理を施して元の映像に合成する。

 これにより、映像全体のコントラストを最適な状態に補正しながら、極端に黒つぶれや白とびしている箇所を、全体コントラストバランスを変えることなく補正できる。

機械学習を利用したHDR復元

東芝の有機ELテレビ
機械学習によるHDR復元のイメージ

 今回のレグザでは、画像処理において機械学習の技術を採用しているのも特徴的だ。HDR復元では、従来編集とHDR編集の違いをパラメーターとして保持し、これを本機で処理したHDR復元画像と比較。この誤差が減るように機械学習でテーブルを変更する。

 また、入力信号を解析してシーンの画質を調整する機能にも機械学習を活用。たとえばニュース映像中のスポーツシーンやアニメ映像など、それぞれで最適な画質に調整する。

東芝の有機ELテレビ
「美肌リアライザー」のイメージ
有機ELテレビ
美肌リアライザーのありなし。左がなしで右があり

 色については、特に人肌にこだわっている。「美肌リアライザー」は肌色の輝度を解析して階調を制御。これにより、明るいシーンで顔が白とびしているようなシーンでも、肌の質感や立体感を再現する。

東芝の有機ELテレビ
「ハイクリア」「ハイモーション」モードのイメージ

 このほか、駆動方式として「ハイクリア」「ハイモーション」モードを用意。このモードにすることで、各フレームに黒画面の挿入を行ない、映像を滑らかに表示させる。

液晶テレビも最上位機種を刷新!

有機ELテレビ
4K液晶テレビのフラッグシップモデル「Z810X」

 実は同社は同時に4K液晶テレビも発表している。「Z810X」だ。こちらは2月上旬の発売予定で、65V型(予想実売価格68万円前後)、58V型(同45万円前後)、50V型(同38万円前後)の3モデル展開となる。

 直下型バックライトを採用した上位機種で、既存の最上位モデル「Z20X」の後継となるモデルだ。

 X910の下位モデルとなるわけだが、画像処理エンジンには「レグザエンジン Beauty PRO」を採用。機能的にはX910とほぼ同等となっている。

 もちろん、有機ELと液晶というパネルの違いがあり、それに伴う機能の差異(ハイクリア/ハイモーションがZ810には非搭載)もあるのだが、冒頭でも述べた通り、液晶モデルは輝度の面では有利だ。

 このため、液晶モデルのみに搭載されている機能もある。それが「きらめき復元」だ。

東芝の有機ELテレビ
「きらめき復元」のイメージ

 夜景の街の明かりや星空、暗いシーンにおいて金属などから反射する光などを強調し、きらめき感を再現する機能で、暗いシーンで点状の高域成分を検出し、増幅する。高い輝度が出せる液晶テレビならではの機能だ。

 そのほかの機能は基本的に同等である。全チャンネル録画機能の「タイムシフトマシン」や、放送中の地デジ6チャンネルを同時に表示できる「まるごとチャンネル」、4K対応の「スカパー! プレミアムサービス」チューナーの内蔵」など、フラッグシップを踏襲する仕様だ。

 オーディオに関してはX910のほうが上だ。Z20Xから2倍の容積となったバスレフボックスを採用し、ツィーターとフルレンジスピーカーを個別のアンプで駆動させるマルチアンプ仕様となっている。

価格的にはちょっと高めだが……

lg
LGエレクトロニクスの「OLED B6P」。2016年6月に発売された

 有機ELテレビについていえば、55V型で75万円前後という価格は決して安くはない。日本ではすでにLGエレクトロニクスが有機ELテレビの販売を先行させているが、2016年に登場した55V型「OLED55B6P」は、量販店で37万円程度で購入できる。価格的には2倍となるわけだ。

 そして、冒頭で触れたが、ソニー<6758>パナソニック<6752>も有機ELテレビを海外で発表している。どちらも詳しい情報はまだわからないし、日本国内向けに発売されるかどうかもわからないが、実際に製品が出そろってから検討してもいいだろう。

 ただ、1つだけ言えるのは、有機ELレグザの画質は、これまでの液晶レグザでは味わえないハッとするような立体感や精細感を感じることができる。発売される3月までには店頭でその映像を確認できると思うので、ぜひ一度自分の目で確認してみていただきたい。

アスキー
もっと見る もっと見る

【あわせて読む】

    最終更新: 01月11日(水)12時00分

    【関連ニュース】

    【コメント】

    • ※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

    【あなたにおススメ】