ルンバで市場拓いたアイロボット「変革と破壊をもたらす」

アスキー 2017年04月19日(水)09時00分配信

 ロボット掃除機「ルンバ」などの開発、販売を行なう米アイロボットは、新たに日本法人としてアイロボットジャパンを設立。新社長には日本ヒューレット・パッカードでプリンティング事業担当副社長を務め、直近までボーズの社長だった挽野元氏が就任した。

市場創ったアイロボットが目指すのは人とロボティクスの融合
アイロボットジャパンの挽野元社長

 米アイロボットのコリン・アングル会長兼CEOは「過去のアイロボットは企業規模が小さく、それぞれの国に対して最適な投資を行える水準にはなかった。そこで、グローバル展開においては各国の販売会社と提携して、アイロボットの販売を担ってもらっていた。日本は米国市場以外では初めて進出した国であり、セールス・オンデマンドが販売を担い、ロボット掃除機市場では55%のシェアを獲得し、成功を収めてきた。またセールス・オンデマンドを通じて、顧客の声を製品づくりに反映してきた」と前置きし、「グローバル企業として事業成長を遂げ、さらなる規模拡大を目指したいと考えており、昨年は中国に進出し、今年は日本に直接進出することになった。日本で成功すれば、世界で成功すると考えているからこそ、日本の市場を重視している。アイロボットジャパンとして日本の市場に展開することで、優秀な人材を確保し、これからも成功を続けていきたい」と述べた。

 これを受けて、アイロボットジャパンの挽野社長は、「日本におけるロボット掃除機の世帯普及率は4%に留まっている。まずはこれを10%に引き上げることを目指し、そのなかで日本のユーザーにロボット掃除機ルンバ、床拭きロボットブラーバを使ってもらうことに力を注ぐ」とし、ロボット掃除機市場の拡大とともにアイロボットのシェアを高める姿勢を示す。

 そして挽野社長は今後の日本市場への展開として、「新たな機能を提案することに加えて、いま利用しているユーザーとの関係性を強化したい。顧客ニーズをとらえた製品開発、ロボット掃除機のさらなる普及拡大、200万台以上の販売実績をベースにしたお客様との継続的に関係性の強化といった3つの軸から取り組む」とし、「アイロボットを知っているというだけでなく、使ってみたときのイメージが涌いたり、使ってみようと思ってもらえる納得感を提供したい。子育て世代の利用は30%程度だが、これを40~50%に高めたい。また、共働き世帯での利用は10%以下だが、これもさらに高めていきたい」と具体的なターゲットにも言及する。

市場創ったアイロボットが目指すのは人とロボティクスの融合
日本で成功すれば世界でも成功するという考えのもと、事業拡大を狙う
市場創ったアイロボットが目指すのは人とロボティクスの融合
日本法人が取り組む3つの軸

 「アイロボットジャパンを設立することで、よりエンドユーザーの近くでビジネスができるようになり、顧客ニーズをとらえることができる。日本のニーズを製品づくりに反映したい」と語る。

 日本市場に特化した製品づくりにはまだ時間がかかりそうだが、アイロボットでは硬い床などに対応したアジア市場向けのブラーバジェットを2016年8月に製品化した経緯がある。

 国内家電メーカーが日本の家屋の特徴をとらえたロボット掃除機を投入し、そこを特徴としているだけに今後は日本の声をより強く反映した製品の投入も期待されるところだ。

 成長戦略を打ち出すのは、米国でも同じだ。

常に、どの地域でも高いシェアを誇る

 米アイロボットのコリン・アングル会長兼CEOは「米国でのロボット掃除機の世帯普及率は9%。これをいまの3倍となる20%台後半にまで引き上げたい。そうした世帯普及率に到達するのであれば、違う価格帯の製品なども必要になるだろう」などと語る。

市場創ったアイロボットが目指すのは人とロボティクスの融合
米アイロボットのコリン・アングル会長兼CEO

 アングル氏が強調するのが、これまでのロボット掃除機の市場成長にあわせて、アイロボットは高いシェアを維持しつづけていることだ。

 2012年のロボット掃除機の構成比は、掃除機市場全体の13%。これが2016年には21%に拡大。年平均成長率は21%増となっている。

 2013年に全世界のロボット掃除機市場において66%のシェアを獲得していたアイロボットは、2014年には63%、2015年は63%、2016年には64%と高いシェアを維持し続けている。市場は拡大しても、3台に1台はアイロボットという水準はまったく変わらないのだ。

 とく北米市場では88%、EMEA市場では76%という高いシェアを獲得。中国を中心とするAPAC(日本を除く)市場でも、後続での参入となったものの、40%とトップシェアを持っている。

 「市場が成長するのにともない、パイオニア<6773>となった企業はシェアを落としていく。だが、アイロボットにはそれがない。ルンバは常に進化を遂げており、優れた製品を生み出すことに繰り返し挑戦してきた結果である」と胸を張る。先に触れたように、日本市場でも55%のシェアを持っている。

市場創ったアイロボットが目指すのは人とロボティクスの融合
掃除機市場全体ではここ4年で成長
市場創ったアイロボットが目指すのは人とロボティクスの融合
ロボット掃除機市場においては毎年60%以上のシェアを誇る
市場創ったアイロボットが目指すのは人とロボティクスの融合
北米、EMEA市場は特に強い
市場創ったアイロボットが目指すのは人とロボティクスの融合
日本のシェアも高い

 ルンバは2002年に第1号機を発売して以来、これまでの15年間に全世界で1500万台以上を出荷。日本でも200万台以上を出荷しているという。ロボット掃除機市場を創出した同社は、いまでもトップランナーであり続けている。 

市場創ったアイロボットが目指すのは人とロボティクスの融合
初代ルンバ登場から15年

「ほかにこんな製品はない」と感じたビデオ

 一方挽野氏は、アイロボットの社長に就任した理由を「アイロボットが制作したビデオにあった」と切り出す。

 「このビデオでは足を悪くして掃除に困っている人が、アイロボットの製品によって、充実した生活を過ごしていることを紹介。ユーザーが自分の家族のように、ルンバやブラーバと接している姿を映し出していた。この様子をみて、ほかにこんな製品はないと感じた。悩みを持っている人に、少しでも充実した時間を提供することができる。そうした気持ちを持って仕事をしたいと考えた」とする。

 そしてもうひとつの理由が、アイロボットがこだわる「人間性とロボティクスの融合」だという。

 「アイロボットの本社があるマサチューセッツ州は世界の知が集まる場所。そこにおいて、アイロボットが目指しているのは、人間性とロボティクスの融合。アイロボットのロゴマークのiは人間を意味し、Rはロボットテクノロジーを意味する。より人間らしく仕事をするためにはどうすべきかを常に考えている企業であり、社員一人ひとりが製品を愛している。人々の生活を豊かにすることを考えている社員ばかりである」とする。

 アングル氏は「アイロボットは、世界一のロボットカンパニーを目指して設立した企業。ロボットとデータのエコシステムを活用しながら、インテリジェントスマートホームを実現する企業になりたいと考えている。ルンバによって手足がないロボットでも、忙しい人に変わって掃除ができるという新たな世界を実現した。アイロボットはテクノロジーカンパニーではなく、変革と破壊をもたらす企業である。たゆまぬイノベーションにより成長を維持し、よりよい生活を維持する企業でありたい」と語る。

 アイロボットの進化はこれからも続きそうだ。

市場創ったアイロボットが目指すのは人とロボティクスの融合
アスキー
もっと見る もっと見る

【あわせて読む】

    最終更新: 2017年04月19日(水)09時00分

    【関連ニュース】

    【コメント】

    • ※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

    【あなたにおススメ】