USB DACとして使えるウォークマンでPCのサウンドをハイレゾ品質に!

アスキー 2017年09月15日(金)12時00分配信
ウォークマン特集

 10月7日に発売となるソニー<6758>の新ウォークマン「NW-ZX300/A40」と、ラインアップが充実したワイヤレスヘッドフォン/イヤフォン「X1000」シリーズを紹介してきた本特集。

 第3回は新製品の新しいフィーチャー、具体的にはウォークマンのUSB DAC機能および、イヤフォン/ヘッドフォン用の新アプリについて詳しく紹介する。

ウォークマンをつなげてPCのオーディオをアップグレード!

ソニー
PCの音楽ファイルをウォークマン経由で再生

 新しいウォークマンはUSB DAC機能を搭載している。USB DACとはPCなどからUSB端子経由で音楽データをデジタル出力し、アナログ信号<6741>に変換するための機能だ。

 ウォークマンは、自慢のフルデジタルアンプ「S-Master HX」(正確にはデジタルアンプだが、デジタル信号<6741>を入力して増幅し、最終的にアナログ出力するのでDAC機能を備える)を搭載しているが、これをUSB DACとしても使えるようにしたというわけだ。

 USB DACとしての使えるということは、主にPCと接続して音楽再生をよりグレードアップできるということ。

 ウォークマン単体の音楽再生でもいいと思う人がいるかもしれないが、PCならば内蔵ストレージの容量が大きいし、さらに大容量のNASなどに音楽を保存しておいてネットワーク経由で音楽を再生するといったこともできる。

 いちいちウォークマンに楽曲を転送する必要がないので、PCで楽曲管理をしている人にとっては結構便利なのだ。ポータブル機ゆえのコンパクトさなので、PCのそばに置いても邪魔にならない。

 ただし、ウォークマンゆえの弱点もある。まず、ヘッドフォン出力はあるが、オーディオ機器と接続するためのライン出力を持たないので、そうした出力端子などを装備した据え置き型USB DACと比べると制限がある。

 ヘッドフォン出力を変換ケーブル(ステレオミニ―RCAプラグ)でアンプなどと接続することもできるが、基本的にはヘッドフォン/イヤフォンで再生する使い方になるだろう。

 また、ウォークマン側の端子はUSBではなく専用端子(WMポート)となるので、専用ケーブルが必要。会社と自宅のPCなど、2ヵ所以上で利用したい場合はケーブルを持ち歩くか、複数本用意する必要がある。

さっそくPCと接続して、USB DACとして使ってみる

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左がNW-ZX300、右がNW-A40シリーズの端子。独自のWMポートとなっており、PCとの接続は付属のUSBケーブルを使用する

 新ウォークマンをUSB DACとして使うのは、思った以上に簡単だ。まず、PCと付属の専用ケーブル(WMポート―USB B)で接続。これは、PCのUSB端子から充電する場合や、音楽データの転送をするときと同じだ。

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NW-ZX300の操作画面。上部に「DAC」アイコンがあるのでここで切り替えをする
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NW-A40シリーズの操作画面。いくつかの機能アイコンと一緒に「DAC」アイコンがある
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「DAC」アイコンをタッチすると表示される画面。「OK」を選択するとUSB DACモードに切り替わる

 通常ならば、充電/USBストレージモードに切り替わるが、操作画面の上部にある「DAC」アイコンをタッチすると、「USB DACモード」に切り替わる。

 あとは、PC側でオーディオデバイスの選択をすれば準備完了。音楽再生ソフトも再生デバイスの選択をする必要がある。

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USB DACモードの画面。レベルメーターとボリューム表示の画面となる。再生すると再生したファイルのサンプリング周波数と量子化ビット数が表示される
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NW-ZX300の設定画面。「USB DAC設定」は充電関連のみ。これはNW-A40シリーズも同様だ
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こちらもNW-ZX300の設定画面。USB DACに関連しそうな項目としては、「DSD再生設定」がある。DSDのネイティブ再生(NW-A40は不可)などが選択できる

 基本的には、USB DAC機能を使うには、別途ドライバーソフトをインストールする必要がある。取材時点ではドライバーソフトはまだ提供されていないが、10月7日の発売までには用意されるだろう。

再生ソフトはソニー<6758>製でなくても使える

ソニー
ソニー<6758>の音楽管理ソフト「Music Center for PC」。「mora」で楽曲を購入し、そのままウォークマンに転送できる

 再生ソフトは「Foobar2000」など、ドライバーや再生デバイスの切り替えが可能な音楽再生ソフトならば使えると思われる。

 ソニー<6758>が推奨するのは、Windowsならば「Music Center for PC」、Macならば「Hi-Res Audio Player for Mac」。ともに同社が無料で提供しているソフトだ。

 どちらも多彩な音楽データの形式に対応しているし、特にMusic Center for PCは、圧縮音源を高音質化する「DSEE」も備えるなど、なかなか高機能で無料ということもあって、Windowsの定番音楽再生ソフトになりそうな予感さえする。Windowsユーザーはダウンロードしておいて損はない。

 ただ、上記のソフトは再生デバイスの指定を行なう必要があるが、そのためにはドライバーの導入が必要。前述の通り、現時点ではドライバーがないため、再生は試していない。

 一方で、実はほかの再生ソフトではドライバーなしでもNW-A40やNW-ZX300をUSB DACとして使うことができた。

 Windows 10は、今春のアップデート(Windows 10 Creators Update Version1703/build15063以降)で、USB Audio2.0をサポートしている。ということは、Macがそうであるように多くのUSB DACが専用ドライバーなしで動作することを意味している。

 実際は、話を聞くと「アレは動いたがこれはダメだった」というような状況で、メーカー的には少なくとも現時点ではドライバーの提供を基本としている感じではある。

 その最新版のWindows 10マシンで試したところ、オーディオデバイスとして認識した。そのPCの設定の関係でDSDファイルは試せなかったが、リニアPCMの音源はNW-ZX300は384kHz/32bitまで、NW-A40は192kHz/32bitまで、きちんと再生できた。

 DSDファイルが気になるところではあるが、それぞれがサポートする音楽フォーマットどおり、どちらもDSD11.2MHzまで再生可能と思われる(NW-A40のDSD再生はリニアPCM変換再生)。

USB DACモードでもその音はウォークマンそのもの

 今回はリニアPCM音源のみではあるが、ハイレゾ音源も含めてUSB DACモードの音を確認してみた。

 NW-ZX300は、上級機を思わせる質の高い音でボーカルの生々しさ、アコースティックな楽器の音色も自然な再現だ。落ち着いた上品な印象だが、低音域の力感がしっかりとした充実感のある演奏になる。

 NW-A40シリーズは、基調としては自然で音色の表現が豊かだが、中域に厚みがあり、ボーカルにも声の厚みやパワフルさが感じられるものになる。入門者も多いモデルだから、楽しく聴ける味付けというか、あまりHi-Fiに寄りすぎないバランスだ。

 というか、ウォークマン単体での再生とほぼ同様の印象だ。

 再生系がPCとなるので多少の感触の違いはあるが、ほとんど差はない。はっきり言うと、ウォークマンの内蔵メモリーに転送して単体で再生した方がわずかながら感触がいい。これはデータの伝送経路が長くなることなどが原因だろう。

 とはいえ、PCでのハイレゾ再生がいきなりウォークマン品質にまでグレードアップするというのはありがたいことだろう。

 ついでに言うと、「DSEE HX」機能も併用できるので、圧縮音源やCD音源の再生では、ハイレゾに近い音質での再生ができる。

 価格差もあるので当然だが、NW-ZX300とNW-A40には絶対的な音質は差があるが、A40の方にはちょっとうれしい点もある。それはノイズキャンセル機能が併用できることだ。

 「外音取り込み」機能は使用できないが、騒々しい環境での再生に便利だ。こういうことができるUSB DACはあまりないので、ある意味貴重と言える。

 唯一気になるのは、接続に使う付属の専用ケーブルがオーディオ信号<6741>の伝送用としてはやや物足りない。ケーブルが特殊なものなので、交換することができないのは残念だ。

 USBオーディオ出力やUSB DAC機能など、ほかの機器と接続をする機能が増えているのだから、そろぞろ専用のウォークマン端子ではなく、汎用性の高いmicroUSBやUSB Type-Cなどの端子への変更を期待したくなる。

 とはいえ、今までの通りのウォークマンとして手軽に本格的な音質を実現しただけでなく、USB DAC機能でPCでの音楽再生でもその音質が楽しめるというのは、新ウォークマンの大きな魅力になると思われる。

 マニアックな機能ではあるが、オーディオ好きな人ならば歓迎するに違いない。音質も含めて、大きな魅力を増した新ウォークマンは今秋ぜひともチェックした注目のプレーヤーとなるはずだ。

ノイズキャンセル設定や音質設定をわかりやすく操作できる
スマホ用アプリ「Headphones Connect」

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「Sony Headphones Connect」でWH-1000XM2をペアリングしたときの画面写真。ノイズキャンセリングや外音コントロールの操作などが並んでいる

 最後に、同社がリリースしたヘッドフォン/イヤフォン用スマホアプリ「Sony Headphones Connect」について紹介しよう。Android用iOS用が提供されており無料で利用できる。

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WH-1000Xの「ノイズキャンセルの最適化」も、グラフィカルな画面で操作可能
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測定が完了すると、画面でも知らせてくれる。操作がわかりやすいので、初心者にもおすすめ

 アプリを起動し、使用するワイヤレスヘッドフォンをペアリングすると、機器の合った操作画面が表示される。ノイズキャンセル機能のオン/オフから、外音取り込みモードの音量調整なども設定できる。

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音質調整としては、音質モード(転送速度)の調整や、DSEE HXの切り替えなどもできる
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外音コントロールの設定画面。外音取り込みの音量の調整と、声を中心に取り込むボイスフォーカスのオン/オフが可能

 そして、スマホが内蔵する加速度センサーを利用し、止まっている時/歩いている時/走っている時/乗り物に乗っている時の4パターンの行動を検出し、それらの行動に合わせて適切なモード設定を切り替えてくれる「アダプティブサウンドコントロール」もある。ノイズキャンセルと外音取り込みを細かく調整できるので、なかなか便利。

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サラウンド(VPT)機能。オン/オフのほか、「アリーナ」や「クラブ」などサラウンド音質も選択可能
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音が聞こえる方向の変更やサラウンド、イコライザー機能などの設定・調整もできる

 そして、サラウンド(VPT)機能(WF-1000Xは非対応)では、サラウンド効果の種類を切り替えることも可能。

 このほか、音が聞こえる方向を前後左右に変化させたり、イコライザーによる音質調整などもできる。本体では操作できない機能もスマホを使って手軽に操ることができる。

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「音が聞こえる方向を変更」では、前後左右の好きな位置から音が聞こえるように切り替えられる。なかなか楽しい
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イコライザー調整では、「ブライト」や「エキサイト<3754>」など、いくつかのプリセットが可能。自分で好みに調整できる

 なお、できることに違いがあるが、1000Xシリーズ以外の同社のヘッドフォンでも使用できる。具体的にはh.ear on 2シリーズの一部モデルやMDR-XB950N1/XB950B1で、イコライザーや音質調整などの機能が使える。これらの製品を持つユーザーならは必携のアプリとなるだろう。

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    最終更新: 2017年09月15日(金)12時00分

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