常時接続&20時間使えるSnapdragon搭載Windows 10 PCがASUSやHPから登場

アスキー 2017年12月06日(水)16時00分配信
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Snapdragon Tech Summitの基調講演に登壇した、Cristiano Amon氏

 クアルコムは、米ハワイでメディア向けイベントの「Snapdragon Tech Summit」を開催した。初日にあたる12月5日(現地時間)の基調講演では、Snapdragonを採用したWindows 10搭載のPCを披露した。

Snapdragon登場から10年、「スマートフォン以外」への搭載も進む

 基調講演は、クアルコムのEVP、Cristiano Amon氏が、今年で10周年を迎えたSnapdragonの歴史を振り返るところから始まった。

 「スマートフォンは、全人口の約60%が使う中心的な存在になり、デジタル産業を大きく変えた。カメラ、ゲームデバイス、ミュージックプレイヤー、ビデオプレイヤー。これがスマートフォンだ」と語るAmon氏。一方で、「モバイルの技術がほかの産業に広がり、マーケットが拡大している」という。

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スマートフォンは、全人口の約60%が使うデバイスに成長した
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マーケットは、「非スマートフォン」へと広がり始めている

 実際、2019年から2020年に導入が見込まれる5Gは、「携帯電話だけでなく、あらゆるものがインターネットにつながる」よう設計されている。この5Gに向け、クアルコムは「Snapdragon X50 5G Modem」と呼ばれるモデムを開発。2017年10月には、5G NR(New Radio=新周波数帯)に対応したスマートフォンの試作機も公開した。

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高速、低遅延、多端末接続が特徴の5G。標準化も「オンスケジュール」(Amon氏)だ

各国のキャリアと強いパイプをもつASUSがSnapdragon搭載Windows PCを開発

 これまで培ってきたスマートフォンでの取り組みを生かしつつ、5G時代を見すえ、デバイスの幅を広げていく――その一環として発表されたのが、Snapdragonで動く、Windows 10搭載PCだ。

 モデムまで一体化したSoCのSnapdragonを利用する最大のメリットは、「創造性を発揮したり、ほかの人とコラボ―レーションしたりが、いつでも、どこでもできるようになる」というところにある。常時接続に、より対応しやすくなるというわけだ。

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クアルコムは、5G対応モデムをいち早く開発。スマートフォンサイズの試作機も公開している

 Amon氏によると「さらに重要なのがバッテリーライフ」だという。Snapdragonを搭載したPCは、「20時間以上の駆動時間となり、ユーザーの行動を変える可能性がある」。

 通知を受けたり、ネットワークを前提にしたアプリを利用できたりと、「スマートフォンに期待していることが、PCでもできるようになる」。基調講演では、こうした特徴を備えたSnapdragon搭載PCの商用モデルが、ついに発表された。

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「常時接続」や「長時間駆動」が特徴となるSnapdragon搭載PC

 トップバッターとなるのが、台湾のASUS。同社が発表したのは、「NovaGo」と名づけられた2in1 PC。ディスプレーを180度回転させ、キーボードと背中合わせにすることで、タブレットスタイルになるPCだ。Windows Inkにも対応しており、ペンを使って手書きもできる。

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ASUSのNovaGo。ディスプレーが回転して、タブレットスタイルになる
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 チップセットにはSnapdragon 835を採用。下り最大1Gbpsを実現する「X16 LTE Modem」も備える。4波のキャリアグリゲーションや、4×4 MIMOにも対応。eSIMに加え、nano SIMのSIMカードスロットも用意している。

 ストレージは最大256GB、メモリーは最大8GBと、スペックもスマートフォンに近く、22時間のビデオ再生や、30日間のスタンバイを実現した。

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X16 LTE Modemを搭載し、eSIMにも対応する

 NovaGoは、2018年に発売が予定されており、価格はSKUによって異なる。先に挙げたストレージが256GB、メモリーが8GBのモデルは799ドル(約8万9977円)。ストレージが64GB、メモリが4GBのモデルは599ドル(約6万7455円)となる。

 ASUSは、世界各国の通信事業者(キャリア)をパートナーに据える方針。同社のCEO、Jerry Shen氏は、現時点では、アメリカ、中国、イタリア、イギリス、フランス、ドイツの6ヵ国で、キャリアとのパートナーシップを構築していくことを明かした。

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価格は599ドル、799ドルを予定
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世界各国で、キャリアとのパートナーシップも構築

HPもSnapdragon 835搭載で、連続ビデオ再生時間は最大20時間

 Snapdragon搭載のPCを発表したもう1社が、HPだ。HPは、デタッチャブル式の「ENVY x2」を基調講演で披露。チップセットには、ASUSと同じく、Snapdragon 835が採用され、モデムはX16 LTE Modemとなる。

 ビデオ再生は最大20時間と、こちらもバッテリーのもちがいいのが特徴だ。メモリーは最大8GB、ストレージは最大256GBで、2018年の春に発売となる。ディスプレーは12.3型。どちらの機種も、OSにはWindows 10 Sを採用する。

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HPの「ENVY x2」は、キーボードが取り外せるデタッチャブル型のPC
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約20時間と、こちらも長時間駆動が特徴

 実機は未発表だったが、基調講演では、レノボが2018年1月に開催されるCESで、Snapdragon搭載PCを発表することが明かされた。このほか、通信部分を担うパートナーとして、ソフトバンク<9984>傘下のSprintが登壇。COO(チーフ・オペレーティング・オフィサー)のGunther Ottendorfer氏が、無制限のデータプランを提供する意向がある旨を語っている。

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レノボは、CESで新モデルを発表する予定だ

 初のSnapdragon搭載PCだが、実機は予想以上にスムーズに操作でき、Officeなどのアプリもきちんと動作していた。ASUSのNovaGoはSprintのLTEに接続していたが、通信速度も下り100Mbpsに迫り、サイトなどもすばやく表示された。

 ただし、OSがWindows 10 Sのため、Microsoft Store以外のアプリがインストールできず(Windows 10 Proへのアップグレードは可能)、いわゆるデスクトップアプリは利用できていない。こうしたアプリがどの程度、スムーズに動作するのかは未知数だが、発売までまだ時間はある。今後、徐々に出そろう情報に注目しておきたい。

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Officeなどの内蔵アプリはスムーズに動き、通信も高速だった

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    最終更新: 2017年12月06日(水)16時00分

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