旭化成、スマホに載るハイレゾDACやIoT音声操作技術。ノイズ抑制シート「PULSHUT」も

AV Watch 01月11日(水)13時10分配信

 旭化成<3407>エレクトロニクス(AKM)は、「CES 2017」でポータブルオーディオ向けハイエンドDACやヘッドフォンアンプ、IoT向けソリューションなどを紹介している。

AKMブースの試聴デモ

 昨年の「CES 2016」に合わせて発表されたAKMのフラッグシップDAC「AK4497」は、リンのネットワークプレーヤー「KLIMAX DS/3」や、エソテリックのSACDプレーヤー「Grandioso K1」など多くのハイエンドオーディオ機器に採用。

 今回のデモでは、英Cambridge Audioのネットワークプレーヤー「CXN」から入力されたデジタル信号<6741>を、AKMが試作したAK4497搭載のデモ用DACユニットでDA変換し、マランツのプリメインアンプ「PM-11S1」で増幅してDALIのスピーカー「HELICON 400 MK2」から音が出る構成となっていた。

ハイエンドDAC「AK4497」の概要
試聴デモ機材の構成

 こうしたハイエンド向け製品の基本性能を継承しつつ、ポータブルオーディオやスマートフォン向けに大幅な低消費電力化を実現したのが新しい「AK4492」。低消費電力化を実現できた要素として、主にアナログアンプ部分は、据え置き向けのAK4497は広く帯域を取っているのに対し、AK4492は音に影響を与えない範囲で帯域を抑えたほか、デジタル部分も、可能な範囲で低速化したという。

 同時発表のヘッドフォンアンプ「AK4205」、低飽和レギュレーター「AK1110」は、このDACのパフォーマンスを引き出す組み合わせとして用意。これらの組み合わせで「究極のポータブルHi-Fiソリューション」として提案する。

 今回のように、DACチップ単体ではなくアンプやLDO(低飽和レギュレーター)などを合わせたソリューションとして提供している形も、今回の新たな特徴。「オーディオにこだわったメーカーである旭化成<3407>」としての意思の表れでもあるという。

ポータブルオーディオソリューション
同社DACは、ファーウェイのタブレット「MediaPad M3」(AK4376)、ZTEスマートフォン「AXON 7」(AK4490)やVivo「X7/X7Plus」(AK4376)などに採用されている

 AK4492シリーズ「AK4492ECB」は、VELVET SOUNDテクノロジーと自社オーディオ専用プロセスにより、ポータブル用DACとしては業界最高水準という全高調波歪み率-115dBの低歪み特性と、低消費電力を両立。パッケージは96-pin WLCSP(5.64×5.64mm)で、従来の「AK4490EN」よりも小型化している。

 デジタル入力はハイレゾ音源に対応し、PCMは最大768kHz、DSDは11.2MHzをサポート。6種類のサウンドカラーが選べるフィルターにより音質を調整できる。

 ヘッドフォンアンプの「AK4205EN」は、アナログスイッチを内蔵し、超低ノイズ/低歪を特徴としている。パッケージは小型の36-pin QFN(5×5mm)で、ゲイン設定抵抗やローパスフィルタを内蔵し、実装面積を大幅に削減した。

 DACに最適なリファレンス電源を供給するというLDOの「AK1110」も低ノイズを特徴としている。同社のLDOは、もともと画像センサーなどで低ノイズが評価されており、それが音にも効果があるのでは、という発想でオーディオへの本格展開を決めたという。クロストークを避けるため、L/Rチャンネル用に分けて2基搭載している。

ヘッドフォンで試聴できるデモ

ノイズ抑制シート「パルシャット」をオーディオ向け本格展開へ

 旭化成<3407>は、繊維事業本部が展開するノイズ抑制シート「パルシャット(PULSHUT)」のオーディオへの本格展開も決定。これまで、OPPO Digital JapanのBlu-rayプレーヤー「BDP-105D JAPAN LIMITED」や、エイム電子のHDMI/USBケーブル、エミライの電磁波ノイズ吸収シート「munimentum(ミュニメンタム) 101」などに採用されてきたが、今後は旭化成<3407>から積極的にオーディオメーカーなどへ採用を働きかけていくという。

 音響向けとして展開する「パルシャットMU」は、AV機器などから発する放射ノイズや電源から流れ込む伝導ノイズを取り除き、音に混在する不要なノイズを減少。可聴周波数「20Hz~20kHz」の全範囲のノイズに効果があるという。磁性体を使っていないのも特徴。オーディオの電源ケーブルや信号<6741>ケーブルに巻き付けて、アナログデータ録音を行ない、音響分析した結果なども同社サイトで公開している

 今回の「AK4497」試聴デモにおいても、パルシャットをアンプやプレーヤーなどオーディオ機器の上に置くことで、ノイズを吸収し、高音質化が図れる点を紹介していた。パルシャットは不織布がベースで、凹凸面への貼り付けも可能。これを活かし、今回のようにオーディオ機器の天面を覆う形だけでなく、ノイズ抑制が必要な部分のみに適用することなども検討しているという。

オーディオ機器の上などにパルシャットをのせて電磁波ノイズを抑制

ボイスコマンドや、車内コミュニケーション向け技術も

 「ボイスコマンド・ソリューション」の展示としては、あらかじめ設定されたコマンドを検出できる独自の音声アルゴリズムをオーディオ/ボイスDSPに実装したことを紹介。音声での起動や入力、音声タグなどの機能をIoT機器などに追加可能としており、セキュリティ関連などへの採用を想定している。

 また、人の声や物音がする方向などを検知するボイストラッキングを実現する新たなアルゴリズムも開発。音がした方向へセキュリティカメラを向けるといった用途を想定している。

IoTボイスコマンド(右)と、ボイストラッキング(左)

 自動車関連の技術も紹介。カーインフォテインメント向けに提供する「双方向 In-Carコミュニケーション」は、車でオーディオなどを再生している時にも、運転席と後部座席の間などで大声を出さなくても、車内のマイクやスピーカーを使って会話できるというもので、AKMのエコーキャンセラーやノイズキャンセラー技術を応用している。

車室内の双方向コミュニケーション
ON/OFF時の効果を比較試聴
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    最終更新: 01月11日(水)13時10分

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