スバル新型「XV」の1.6リッターと2.0リッター。何がどう違う?

Car Watch 2017年04月19日(水)10時52分配信
2017年5月24日 発売

213万8400円~273万2400円

プラットフォームにSGPを採用するSUV第1弾となった新型「XV」

 5月24日に発売となるスバル<9632>の新型SUV「XV」。スバル<9632>の次世代プラットフォーム「SGP(スバル<9632>・グローバル・プラットフォーム)」を採用し、採用第1弾車である新型「インプレッサ」とともに、NASVA(自動車事故対策機構)の自動車アセスメントで、過去最高得点となる199.7点を獲得。2016年度の「衝突安全性能評価大賞」を受賞するなど、新プラットフォームの優秀さがさまざまな形で評価されている。

 このSGPには、新型XVに搭載するエンジンである水平対向4気筒DOHC 1.6リッターのFB16型エンジン、水平対向4気筒DOHC 2.0リッター直噴のFB20型エンジンも含まれており、新型インプレッサ搭乗時に大幅にアップデートされている。そのエンジンをそのまま新型XVに搭載……ということをしないのがスバル<9632>らしいところ。FB16とFB20の違い、そして新型XVに搭載するにあたっての変更点などを第二技術本部 パワーユニット研究実験第一部 エンジン主査 主事 田中進哉氏に聞いてみた。

FB20型エンジンと、株式会社SUBARU<7270> 第二技術本部 パワーユニット研究実験第一部 エンジン主査 主事 田中進哉氏

 現在のスバル<9632>の主力エンジンとなっているFB型は、2010年に登場した新世代スバル<9632>を象徴するエンジン。スバル<9632>の水平対向エンジンは、1966年にEA型が登場。第2世代として1989年にEJ型が登場。FB型は第3世代エンジンと位置づけられている。

 2.0リッターで比べると、第2世代のEJ20型がφ92×75mm(ボア×ストローク)と典型的なショートストロークであったのに対し、中低速のトルク増加や燃費向上を目指してφ84×90mmへとロングストローク化。バルブ挟み角も狭角化してコンパクトな燃焼室を実現している。

 燃焼室がコンパクトになることで熱を無駄に逃がすことなく効率のよいエンジンとなり、そのほか吸気系・排気系に可変バルブタイミング機構のAVCSを採用。現代的なエンジンへと進化している。このFBエンジンデビュー時の詳細については関連記事「スバル、新世代水平対向エンジン『FB型』説明会」「スバルの新世代水平対向エンジン『FB型』の疑問点を確認」をご覧いただきたい。

新型XVに搭載されたFB20型エンジン
こちらはFB16型エンジン

余裕の2.0リッターと、元気な走りを強調した1.6リッター

 SGP搭載SUV第1弾となる新型XVのパワートレーンに関する特徴は、1.6リッターのFB16型が用意されたことと、2.0リッターは自然吸気の直噴エンジンであるFB20型になっていること。

 このFB20型エンジンは、直噴化のほかに各種部品の大幅な見直しを行ない各部を軽量化。外観的な特徴としては、エンジンヘッドカバーが樹脂製になっていることが挙げられる(って、水平対向のため簡単に見ることはできないが)。

FB20型エンジンを前から。ちなみにこれはカットモデル
トランスミッション側から見たFB20型エンジン
左バンクを横方向から。樹脂製ヘッドカバーを採用している
スバル<9632>の水平対向らしい薄いクランクウェブ。ピストンの位置から水平対向らしさを感じる人もいるだろう
直噴エンジンならではの複雑なピストンヘッド。自然吸気ながら、12.5という高い圧縮比を実現している
直噴のインジェクター
バルブ。上2つが吸気側、下2つが排気側
ローラーロッカーアームを採用する
AVCS機構

 新型インプレッサ搭載エンジンと新型XV搭載エンジンの違いについて田中氏に聞いてみたところ、基本的には違う部分がないとしながら、SUV向けに調整は行なわれているとのこと。FB20型エンジンの仕様は、最高出力113kW(154PS)/6000rpm、最大トルク196Nm(20.0kgm)/4000rpm、圧縮比12.5と変わりないものの、最大トルクに達するまでの特性を変更。よりSUVらしいトルクの強さを感じられるようになっているという。

 また、FB16型エンジンに関しては、最高出力85kW(115PS)/6200rpm、最大トルク148Nm(15.1kgm)/3600rpm、圧縮比11.0という絶対的な排気量の小ささからくるトルクの低下を補うようなチューニングを実施。こちらのエンジンもSGP世代になってマルチポイント・インジェクション採用などでアップデートが図られているものの、2.0リッター(1995cc)と1.6リッター(1599cc)というクラスの差は歴然と数値に表われている。

FB16型エンジン。こちらはカットモデル展示はなかった
トランスミッション側
左バンクのヘッドカバー。樹脂化されていない

 ちなみにCar Watch誌上では、“リッター”はクラスを表わす記号として表記しており、L(リットル=1000cc)とは異なる扱いを行なっている。

 この新型XVで気になる点として話題になっているのが、JC08モード燃費において最良の燃費値を2.0リッターモデルの2.0i-L EyeSightが記録していること。JC08モード燃費のよい順に、2.0i-L EyeSight(16.4km/L)、1.6i EyeSight・1.6i-L EyeSight(16.2km/L)、2.0i-S EyeSight(16.0km/L)と微妙な差で並んでいる。

 この主な原因はファイナル、つまり最終減速比にあり、1.6リッターモデルは4.111、2.0リッターモデルは3.900を採用。リニアトロニックCVTの変速比は3.600~0.512と同様なので、1.6リッターはファイナルを変更することで2.0リッターに劣らないトルクをタイヤに伝えるような設計になっていることが分かる。

トランスミッションとなるリニアトロニック。1.6リッターと2.0リッターではファイナルが異なる
チェーンとプーリーによる無段階の変速機構。デビュー当初は金属音が室内まで侵入してきていたが、世代を重ねて静かな変速機に進化
左側がエンジンとの結合部分にあるトルクコンバーター
中央の写真の下側に見える前輪軸のアップ。コンパクトなトランスミッションで4WD機構を実現している
前輪軸にエンジンとトランスミッションの荷重がしっかり乗っているため、ステアリングの効きが失われにくく、スバル<9632>車の運転の安心感へとつながっている

 そのため、同じ速度で走行しているときには1.6リッターモデルのほうが高いエンジン回転数となるため、やや燃費に厳しい状況になりがち。それがJC08モード燃費のパターンにおいて逆転現象が起きている理由になる。

 田中氏によると、モード燃費値はもちろん気にしているものの、重視したのはSUVらしい走りを1.6リッターでも実現すること。こちらのFB16型もインプレッサ搭載モデルと異なり、過渡特性でのトルクの出方をSUVらしくチューニングしてあるとのことだ。

 もちろん、走行シーンによっては排気量の小さい1.6リッターのほうが有利になっているシーンもあるはずだ。スバル<9632>の場合は無段変速を採用しているため、そちら側のプログラムによっても異なる部分があるだろう。ただ、田中氏によると、2.0リッターの絶対トルクの大きさはエンジンの余裕につながっており、より低めの回転数で走ることのできるシーンが多いとのこと。余裕のある2.0リッター、元気な1.6リッターというところだろうか。

 確実に言えるのは、1.6リッターモデルは乗り出し価格が2.0リッターより安価なこと。1.6i EyeSightの税別価格198万円は、どう見ても値段のインパクトありきで決められた価格。税込みだと213万8400円と消費税を実感してしまう数値になるが、EyeSightがついて、歩行者保護エアバッグがついて、4WD+トルクベクタリンがあって、オートエアコンでと、現代のクルマとして最先端の安全装備がある。SUV的にガンガン使うなら、ありのグレードだろう。トルク感については生活シーンによって異なる印象を持ちやすい部分なので、発売後ディーラーで試乗して、ぜひその違いを体感いただきたい。

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    最終更新: 2017年04月19日(水)10時52分

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