DeNAとヤマト運輸、自動運転で荷物届ける「ロボネコヤマト」を始動

CNET Japan 2016年12月05日(月)19時15分配信

 ディー・エヌ・エー<2432>(DeNA)とヤマト<1967>運輸は7月20日、自動運転を活用した次世代物流サービスの開発を目指す「ロボネコヤマト」プロジェクトを始動したことを発表した。2017年3月から1年間、国家戦略特区で実証実験を実施する予定だ。

 ロボネコヤマトプロジェクトは、DeNAのIT技術を生かした自動運転に関するサービス設計ノウハウと、ヤマト<1967>運輸の物流ネットワークを組み合わせることで、新たな交通サービスの開発や、私有地向けの移動サービスの提供を目指すもの。両社以外の事業者の参画も視野に入れた、オープンなプロジェクトになるという。

 実証実験では、「オンデマンド配送サービス」と「買物代行サービス」の2種類を提供する予定。オンデマンド配送サービスは、ユーザーが希望する時間と場所で、荷物を受け取れるサービスだ。指定した場所にクルマが到着すると、依頼者が自らドアを開けて荷物を受け取るといった利用シーンを想定しているという。

 もう一つの買物代行サービスは、地域の複数店舗の商品をインターネットで購入し、オンデマンド配送サービスを通じて一括配送してもらえるサービスだ。単身世帯などよりは、小さな子どもがいてなかなか買い物に行けない家族や高齢者などの利用を想定しているという。

 実験では、市販車をベースに後部座席に荷物の保管ボックスを設置した専用の車両を使用。ユーザーのニーズに応えられているかを検証するとともに、実際に利用したユーザーからの要望を集めるとしている。また、期間中に一部で自動運転を導入したサービスも展開する予定だという。

多角的に自動運転領域を攻めるDeNA

 同日の記者発表会で登壇したDeNA代表取締役社長 兼 CEOの守安功氏は、「自動運転が普及すると、人の移動やモノの輸送の概念が劇的に変わる。今と比べて身近で手軽で便利になることで、いろいろな形態のサービスが生まれてくる」と説明。同社がこれまで培ってきたインターネット技術や、AIを活用することで、自動運転向けの最適なアルゴリズムなどを開発したいと話す。

 DeNAでは、自動運転の領域ごとに最適なパートナーと提携して事業展開する方針をとっている。まず「公道旅客」ではZMP<7316>とともにロボットタクシーの開発を進めている。また「私道旅客」では、フランスのイージーマイルと提携し、8月から無人運転バスを使用した交通システムを、イオンモール<8905>の顧客向けに試験提供する予定だ。そして今回のロボネコヤマトは「運送」領域での取り組みとなる。

 守安氏は今後、クラウドシステム(車輌、決済、車両管制)、ユーザーレイヤー(配車依頼、支払い)、オペレーターレイヤー(電話対応、予約管理、危機対応)、車両レイヤー(ルート設定、車両制御システム連携)など、自動運転に関するあらゆる分野の事業を総合的に展開する「モビリティサービスプロバイダ」として、ナンバーワンを目指したいと意気込んだ。

幅広い宅急便ニーズに応える--新たな雇用機会も

 続いて挨拶したヤマト<1967>運輸 代表取締役社長の長尾裕氏は、2016年は宅急便が生まれて40周年を迎える節目の年になると説明。2015年度の宅急便の配達数は17.3億個におよび、40年前の170万個の約1000倍にまで増えているという。ただし、それにともない多様化するユーザーニーズにも応えていかなければいけないと話す。

 そこで同社では、オープン型の宅配ロッカーや、アプリやLINE<3938>での配送依頼、コンビニ受け取りなど、幅広い方法で荷物の受け渡しの可能性を広げてきた。その上で今回のプロジェクトでは、自動運転によってユーザーが望むときに望む場所で荷物を受け取れる“ラストワンマイルのオンデマンド化”を実現したいという。

 ECサービスやフリマアプリの増加によって配達する荷物が増えている一方で、高齢化によって労働人口は減少している。物流業界では運転手が不足しているとも言われているが、長尾氏は自動運転技術が進むことで、女性や高齢者など、これまでトラックを運転することが難しかった層にも雇用の機会を提供できるのではないかと期待を寄せた。

CNET Japan
もっと見る もっと見る

【あわせて読む】

    最終更新: 2016年12月05日(月)19時15分

    【関連ニュース】

    【コメント】

    • ※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

    【あなたにおススメ】