展示会で大行列「アスカネット」の空中に浮かぶディスプレイ--構造から課題まで

CNET Japan 10月14日(金)18時42分配信

 アスカネット<2438>は10月12日、空中ディスプレイ「AI(Aerial Imaging)」についてプレスカンファレンスを実施した。開発背景から構造、今後の展開について話した。

 アスカネット<2438>は、個人向けのフォトアルバム「マイブック」など写真を中心とした事業を展開している企業。空中ディスプレイは、約5年にわたり取り組んでいる新規事業で、2~3年前からは「CEATEC JAPAN」などの展示会にも出品している。

 従来、空中ディスプレイと呼ばれるものは、映像を板ガラスに反射させたり、水蒸気に投影させたりすることで、画像や映像の結像させていた。一部ハーフミラーを用いることで、反射材を使用せず空中に浮かび上がらせる方法もあるが、画素が粗く、一般的にはまだ使用しづらい状況。「反射物が必要で、真の空中映像は実用にならない画質だった」とアスカネット<2438>代表取締役社長兼CEOの福田幸雄氏は、以前を振り返る。

 アスカネット<2438>では、約5年前に反射物を必要とせず、空中に画像や映像を映し出す「AIプレート」を開発。高画質、高輝度の空中映像を実像として結像することに成功した。

 AIプレートは、壁面を鏡にした短冊状のガラス2枚を交差させ、1枚のプレートにしたもの。液晶ディスプレイに対し斜めにAIプレートを配置することで、空中に画像や動画を映し出す空中ディスプレイを実現する。

 課題は量産化だ。現在キューブ状に製造し、カットしていくことである程度の数を製造しているが、量産とは言い難い状態。アスカネット<2438>が一括して製造しているわけではなく、蒸着やガラス製造など、それぞれの専門業者に各工程を依頼しているため、時間とコストもかかる。

 「すでに半導体などいくつかの量産方法を検討しているが、画質などのクオリティは進んでおり、どこで量産化に入るのか見極めるのが難しい。ただし現在の製造コストは1m角で約200万円、40cm角で30~40万円程度と、大きくなるほど加速度的に高価になり、一般化は厳しい。量産化できれば、製造コストがもっと下げられるはず」と福田氏は説明する。

 今後については、「デジタルサイネージとタッチパネルの置き換えという2つの用途を想定している。特に医療現場では、手袋をしたままで入力ができ、衛生的。必要なときだけ表示できるなど、空中ディスプレイのニーズは高いはず」(福田氏)と予想する。

 各種展示会のほか、日本橋三越本店やJTB、H.I.S.<9603>などの店舗でも実験的に展示しており、フレーム型センサやカメラ型センサを組み合わせることでインタラクティブ化も可能。「ジェスチャー操作では手元と映像部が離れていたため、操作が難しい部分もあったが、空中ディスプレイではそうした問題を解決できる」と福田氏は空中ディスプレイの強みを説明した。

 AI空中ディスプレイは、10月26~31日、11月2~7日まで明治神宮外苑で開催される「TOKYO DESIGN WEEK 2016」にも出展する。

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    最終更新: 10月14日(金)18時42分

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