富士通のスマホ戦略--オンキヨーは協業でハイレゾ対応のスマホ発売へ

CNET Japan 2016年10月27日(木)16時03分配信

 富士通<6702>コネクテッドテクノロジーズは10月25日、富士通<6702>ブランドの冬・春商戦に向けた新製品発表会を開催した。

 同社は2月に富士通<6702>より携帯電話事業を分離する形で設立した富士通<6702>の子会社だ。富士通<6702>コネクテッドテクノロジーズ 代表取締役社長の髙田克美氏は、同社が目指す方向性を改めて説明した。スマートフォンも成熟期を迎えたことから、ワイヤレスやセンシング、セキュリティなど、これまでの携帯電話開発で培った技術をコアにして、デバイスだけでなくさまざまなサービスやソリューションを展開するほか、従来とは異なる業種のユーザーに対しても課題解決を提案していくことを目指すと話した。

 特に力を入れていくとしているのがサービスで、代表例としてシニア向け端末「らくらくホン」シリーズ向けに提供しているSNS「らくらくコミュニティ」の強化を挙げた。同サービスは既に80万人の登録数を誇り、今年末には100万人の到達を目標にしている。今後より質の高いコンテンツを拡充し、さらにNTTドコモ<9437>のコンテンツやサービスと連携するなど、新サービスの導入を積極的に進めたい考えを示した。

 その同社が冬・春商戦に向けて提供を発表したのは、NTTドコモ<9437>向けの5機種だ。今回はそのうち、12月の発売が予定されている3機種について、執行役員の林田健氏が特徴などを説明した。

 中でも説明に多くの時間を割いたのは、新しいフラッグシップスマートフォン「arrows NX F-01J」だ。F-01Jは特に安心して使えること、特に堅牢・耐久にこだわって開発した端末で、同社が強くこだわったのは堅牢でありながら、スリムでプレーンなデザインを実現することだ。スマートフォンは日常での利用時間が長いことから、アウトドアの趣味を持つユーザーであってもスリムなデザインを好む傾向が強いことが、その背景にあるようだ。

 そのために導入したのが、曲げや歪み、傷などへの耐性を強化した「SOLID SHIELD構造」だと林田氏は話す。F-01Jはステンレスホルダの厚みをアップし、さらに内部の両側面にステンレスフレームを追加。それを落下衝撃シミュレーションによる検証によって最適に配置することにより、曲がりにくいボディを実現しているという。

 さらにF-01Jには、arrowsシリーズでは初めて、ボディ素材にハードアルマイト加工を施した7000シリーズのアルミ合金を採用。ディスプレイにも0.7mmと厚めのGorilla Glass3を採用し、傷や摩擦への耐性も実現している。これら一連の取り組みの結果、1.5mの高さからコンクリートに落とす試験という過酷な試験を26方向から実施し、画面割れが起きない堅牢なボディの実現が可能になったとのことだ。

 また富士通<6702>デザインのチーフデザイナーである岡本浩平氏は、F-01Jのデザインについて説明した。スマートフォンは大画面化が進む一方、手のひらには収まりにくくなるという矛盾を抱えるようになった。異なる2つの要素を同等に扱ってブレンドする、「50:50」をコンセプトとしたデザインに仕上げたとした。

 前面はアルミとガラス素材でディスプレイを保護する。背面は手のひらに沿う曲線を持たせつつ、程よい引っ掛かりを与えることによって手に持った時の食い込みを抑え、持ちやすさを実現したという。それら2つの面を二層に分けて配置することにより、ソリッドなデザインの端末よりもスリムで、重さを感じにくいデザインに仕上げたとのことだ。

 堅牢性に並ぶF-01Jの大きな特徴が、オーディオメーカーのオンキヨー<6628>との協業によるサウンド性能の強化である。発表会会場にはオンキヨー<6628>の代表取締役副社長COOである中野宏も登壇し、協業の狙いやF-01Jの取り組みを説明した。

 オンキヨー<6628>は長年音響機器やサービスなどを手掛けているが、中野氏によるとこの10年で、音楽の楽しみ方は大きく変化したとのこと。そうした変化に合わせて、同社はパイオニア<6773>のホームAV事業を統合し、ポータブルオーディオプレーヤーを提供するなどの新しい取り組みを進めている。

 だがポータブルオーディオ事業で、より存在感のある製品やサービスを生み出すには、他社の優れた技術を取り入れて新しい価値を提案する必要があるとオンキヨー<6628>は判断。富士通<6702>グループが持つ無線技術やセンシング技術などを活用し、新しいビジネス領域を拡大するため、スマートフォンを中心とした機器開発での協業を開始するに至ったと、中野氏は話している。

 その協業の第1弾となったのがF-01Jで、同機種のオーディオ出力をオンキヨー<6628>が監修。部品の選定や配置など、細かな部分をオンキヨー<6628>のエンジニアが参加してチューニングし、オンキヨー<6628>のポリシーに沿った、デジタルノイズの少ない高品位な音質を実現したとのことだ。今後も両社は協業を加速するとしており、オンキヨー<6628>は2017年にオリジナルのハイレゾ対応スマートフォンを、富士通<6702>グループとの協業によって開発し、提供したい考えを示している。

 なお今回の発表会では、他にも12月発売の新しい「らくらくホン F-02J」と、法人向けスマートフォン「arrows M357」に関する説明も行われた。らくらくホンシリーズは70代以上の利用が多く、リピート率が5割を超えるなど非常に高い。それゆえF-02Jは、新たにVoLTEに対応するほか、振り込め詐欺対策に向けた迷惑電話対策機能などを搭載するものの、ボタンの押し心地からメニューの操作体系、フォントに至るまで、従来機種から変えないよう配慮しているという。

 またarrows M357は、法人が利用する上での安心感を高めるため、国内で生産・保守・サポートが完結する体制を整えたほか、販売期間を2年と、長期間継続して供給する方針だ。さらにスマートフォンのアプリやセキュリティなどをカスタマイズ対応する「カスタムメイドプラスサービス」の提供や、スマートフォンだけでFeliCaカードによる決済ができる機能を搭載するなど、企業からのさまざまな要望に応じるための機能やサービスを豊富に用意する。

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    最終更新: 2016年10月27日(木)16時03分

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