CA藤田社長、音楽聞き放題では「AWAが一番のクオリティ」--“無料プラン”打ち出す狙い

CNET Japan 2016年11月07日(月)11時42分配信

 「現状出ているサービスの中では、AWAが一番クオリティが高いと胸を張っていえる。当初は曲数が足りなかったが、いまでは3000万曲を超え、検索など細かい機能も充実させた。楽曲面でも機能面でも国内最高峰といえる」――サイバーエージェント<4751>代表取締役社長の藤田晋氏は、ローンチから約1年半が経過した音楽聞き放題サービス「AWA(アワ)」の手応えをこのように語る。11月7日から提供を開始した、新たな「Freeプラン」の狙いを聞いた。

 AWAは、エイベックス<7860>・デジタルとサイバーエージェント<4751>の合弁会社AWAが運営する定額制の音楽聞き放題サービス。楽曲を検索してオンデマンド再生できるほか、ユーザーが作成したプレイリストの音楽を、ポップ、ダンスなどのジャンルや、ハッピー、リラックスなどのシーン別に探して、ラジオのように流して楽しめることが特徴だ。個々のユーザーの音楽の嗜好性に合わせてプレイリストをリコメンドする機能も備えている。

 2015年5月末に提供を開始したAWAは、2016年8月に900万ダウンロードを突破し、間もなく1000万ダウンロードに達する見込みだという。「サブスクリプションモデルの視聴習慣がまだ世の中に定着していないため、当初から急激に流行るとは思っていなかったが、時間とともに着実に広がっている」(藤田氏)。

 また、有名アーティストや人気DJ、音楽プロデューサーなど著名人により作成されたプレイリストの数は600万を突破したという。楽曲数は当初は100万曲からスタートし、2016年末までに1000万曲を目標に掲げていたが、すでに3倍の3000万曲に達しているそうだ。エイベックス<7860>という大手レーベルの強みを生かして、都市型フェス「ULTRA JAPAN 2016」のオフィシャルスポンサーになったり、BOOWYの楽曲を先行配信したりするなどして、競合サービスとも差別化してきた。

 AWAではこれまで、プレイリスト視聴とラジオ視聴が可能な月額360円の「Liteプラン」と、オンデマンド視聴やプレイリストの作成/公開も可能な月額960円の「Standardプラン」の2プランを提供してきたが、現状は課金者のうち85%がStandardプランを選んでいるという。ラジオ型での視聴を押し出しているが、やはり好きな音楽を選べるオンデマンド再生には高いニーズがあるという。

 有料会員の数は明かさなかったが、男女比率は男性55%、女性45%。また年齢は、18~24歳が31% 25~34歳が44%、35~44歳が17%となっている。有料会員の平均利用時間は1日107分で、サービス全体での邦楽と洋楽の視聴比率は邦楽63%、洋楽が37%とのこと。また、長期利用するユーザーは、「Library」で自身の好きな楽曲を聴くだけでなく、「Discovery」カテゴリなどで、新たな音楽との“出会い”を楽しむ傾向にあるそうだ。

 「iTunesなどで好きな音楽は聴けるものの、自分で探すのは面倒くさいし、新たな広がりが出ない。私もAWAを聴き始めてから偏っていた趣味が雑食になった。あまり洋楽のヒップホップは聴いていなかったが、最近は(米国ヒップホップアーティストの)Nasを聴いている。その前は、ボブディラン特集に関連するプレイリストとして表示された、佐野元春ばかり聴いていた(笑)。そういう使い方がAWAっぽい」(藤田氏)。

ハイライト再生で楽しむ「Freeプラン」が登場

 そして今回、新たな「Freeプラン」の提供が開始された。従来のFreeプランは、月間に1時間しか音楽を再生できなかったため、日常的に使いたいユーザーは有料プランに移行する必要があった。新たなFreeプランでは、この時間が20時間まで延長されたため、たとえば通勤時間に30分だけ聴くといった使い方であれば、無料でほぼ毎日視聴できるようになる。また、これまでFreeプランでは非対応だったプレイリストの作成・公開も可能になった。

 ただし、Freeプランでは、Standardプランのように1曲丸ごとではなく、90秒間(1分半)まで聴くことができる「ハイライト再生」が適用される。多くの楽曲で1番のサビが流れるまでの秒数だ。「無料プランだから聴ける時間が制限されている」といえばその通りだが、短時間でさまざまな楽曲を楽しめるという利点もある。また、フェードインとフェードアウトを“ぶつ切り”にせず、自然なクロスフェードの形で次の楽曲へ移行するため、聴いていても違和感は少ないという。この機能はStandardプランでもオンオフを選べる。

 ちなみに、競合サービスである「Spotify」の無料プランと比較した場合、Spotifyはフル尺だがオンデマンド再生ができない。その一方でAWAはハイライト尺だがオンデマンド再生ができるという違いがある。また、Spotifyでは広告が表示されるが、AWAでは一切表示されない。

 実際に、テストユーザーに刷新したFreeプランを先行提供したところ、楽曲がFavorite(お気に入り)に登録される回数が増えるなど、よりアクティブに使われるようになったという。ここから、さらにフル尺での再生やオフライン再生、また再生時間を気にすることなく聴きたいという人には、Standardプランへのアップグレードを促したい考えだ。なお、新たなFreeプランの提供にともない「Liteプラン」の提供は11月6日をもって終了した。現在、同プランに加入しているユーザーは2017年1月6日までは利用できる。

 「ネットサービスは、一番クオリティが高いものが一番ユーザーを集めると僕は信じているが、どうしても有料サービスなので広がりが少し弱いところがある。アップルやグーグル、LINE<3938>など、強力なプラットフォームを持っているところに対して(集客力などで)弱いという課題を、今回のフリープランで補っていきたい」(藤田氏)。

 同社では、音楽聞き放題サービスのAWAに加えて、動画見放題のインターネットテレビ局「AbemaTV(アベマティーヴィー)」を運営している。これらの“使い放題”サービスが持つ可能性について、藤田氏は「全く新しいプラットフォームを普及させるには何年もかかるため、中長期勝負だと思っている。サブスクリプションを一度体験すると元には戻れないほど便利だが、世の中の人々はそう簡単には変わらない」と冷静に見ている。今後も、さまざまなアプローチで魅力を伝えることで、消費者に広くサービスを浸透させたいとしている。

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    最終更新: 2016年11月07日(月)11時42分

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