「Windows 10」、ARM64上でのx86エミュレーション機能を「Redstone 3」で実現か

CNET Japan 11月24日(木)12時14分配信

 筆者の情報筋らによると、Microsoftは2017年秋までに「Windows 10」の大型アップデート「Redstone 3」をリリースするという。またWindows 10の同アップデートには、ARM64アーキテクチャを採用したプロセッサ上でx86アーキテクチャのアプリを実行するエミュレーション機能(開発コード名:「Cobalt」)も搭載されるという。

 MicrosoftがARMプロセッサ上でx86のエミュレーション機能を実現しようとしているといううわさは、1月以来(おそらくはもっと前から)ささやかれてきている。筆者の情報筋らによるとこの機能は、2017年秋に予定されているとされるWindows 10の大型アップデートであるRedstone 3に搭載されるという。

 Cobaltが大きな意味を持つのは、「Windows 10 Mobile」搭載デバイスと外部ディスプレイやキーボードを接続するための機能である「Continuum」が同社とパートナー企業、顧客にとって鍵となるためだ。しかし、Continuumの行く手には大きな壁が制約として立ちはだかっている。それは、ユーザーが使用できるのは現在のところ、本格的なx86アプリではなく、「Universal Windows Platform」(UWP)アプリのみだという点にある。

 しかし、「Windows on Windows」(WOW)エミュレータによって64ビットの「Windows」上で32ビットアプリが実行可能になったように、CobaltによってARM64ベースのデバイス上でx86アプリが実行可能になるとしたらどうだろうか?これにより、現時点ではARMアーキテクチャしかサポートしていないWindows 10 Mobileと、Continuumという組み合わせが、とても有用なものになるはずだ。特定のWin32アプリを業務で使用しなければならないユーザーにとって、これは特に朗報と言えるだろう。

 TwitterユーザーのWalkingCat(@h0x0d)は11月20日、同氏が「Windowsのハイブリッドx86-on-ARM64テクノロジ」と呼ぶものの手がかりを発見したとツイートした。同氏は、このテクノロジには「CHPE」という新たな名前が付けられているようだと記している。

 筆者の情報筋らは「CHPE」の「C」が、ARM上でのx86エミュレーションを実現するプロジェクトの開発コード名である「Cobalt」に由来すると語っている。ちなみに、Cobaltという名称はRedstoneと同様、Microsoftが買収したMojang(「Minecraft」の開発元)が使っていたものだ。

 「CHPE」の「HP」は、筆者の予想ではHewlett-Packard(HP)だ。HPはWindows 10搭載PCや、Windows 10 Mobileを搭載した「HP Elite x3」でMicrosoftとの関係をますます緊密化してきている。そうなると、「CHPE」の「E」は「Emulation(エミュレーション)のE」なのかもしれない。

 1カ月ほど前にHPから聞いた話では、Continuumを用いてx86アプリを実行したいと考えているElite x3の法人ユーザーの大多数が既に、何らかのかたちのリモートデスクトップ機能を用意して(Citrix製品が用いられる場合が多い)、x86ベースの業務アプリにアクセスできるようにしているという。HPは同社の仮想化サービスである「HP Workspace」に手を加え、x86アプリにアクセスしたいと考えているが、そういったものへのアクセスを可能にするリモートデスクトップを企業として用意できていない中小企業に照準を合わせている。

 OSに堅牢なエミュレーション機能を搭載すれば、完全な解決策とは言えないまでも、この種の仮想化サービスの必要性を少なくとも理論的には低減できるはずだ。

 筆者の情報筋らによると、ARM上でのx86エミュレーションを実現するこの「Cobalt」という機能は現在のところ、2017年秋に一般提供が開始されると複数の情報筋が述べている「Redstone 3」に搭載される機能の1つとして挙げられているという。2017年秋というのは、Windows 10が堅牢なエミュレータを実現するうえで必須となる仮想化機能を搭載する可能性のあるQualcommの「Snapdragon」プロセッサの新製品(「Snapdragon 830」プロセッサ、すなわち「MSM8998」という型番になるはずのもの)が市場に投入される時期と符合する。

 筆者が聞き及んだところによると、Cobaltテクノロジはサーバではなく、スマートフォンと、おそらくはタブレットやデスクトップPCを対象にしているという。このため、ARM64上のx86エミュレータを搭載したデバイスの対象顧客はまず、x86ベースの業務アプリを実行するニーズを抱えている法人ユーザーになると筆者は考えている。

 この考えが正しいとすれば、2017年遅くか2018年に「Surface Phone」が登場するという根強いうわさは単なる希望的観測以上のものだと言えるのだろうか?筆者はその答えを持ち合わせていないが、Microsoftが法人ユーザー向けのWindows 10 Mobileデバイスを完全にあきらめたわけではないという話はいまだに耳に入ってくる。そして、Windowsおよびデバイス部門の責任者も最近、筆者に対して「携帯電話接続とARMプロセッサの双方が、今後の技術展望を左右する重要な役割を演じる」と語っている。この言葉をどう解釈するのかは読み手次第だ。

 筆者は、CHPEとCobaltに関するコメントをMicrosoftとHPの双方に対して求めた。HPの広報担当者からは、HPとしてコメントすることはないという答えが返ってきた。一方、Microsoftの広報担当者からの返答は「共有する情報は何もない」というものだった。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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    最終更新: 11月24日(木)12時14分

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