ネットでも炎上する韓国の「国政介入」問題--ゲームアプリまで登場

CNET Japan 2016年11月24日(木)14時25分配信

 パク・クネ大統領の長年の友人とされる女性が政権運営に介入していたとされる「国政介入問題」。このスキャンダルをめぐり韓国が揺れている。スキャンダル発覚以降、韓国各地でデモが拡大、報道も日を追うごとにヒートアップ。日本や中国でも主要ニュースとして扱われるなど関心の高さをうかがい知ることができる。

 報道においてクローズアップされている問題点は「職権乱用」や「国政介入」であり、それに対し国民の失望感や怒りも大きく、韓国各地でパク大統領の辞任や真相解明を求めるデモも拡大している。過熱する報道合戦や声を上げる国民たちの熱い姿に、日本では驚きや戸惑いの声も上がっている。

ネットでの異様な盛り上がり

 今回の黒幕とされているパク大統領の友人のチェ・スンシル容疑者。スキャンダル発覚後に欧州に身を隠していたものの、10月末に突如、韓国に帰国し事情聴取に応じた。

 彼女が検察へ出頭する様子が生中継されていたが、同時にネットでは検索キーワードランキングがすべてチェ容疑者に関連するワードで占められていた。事件に関連したものに加え、チェ容疑者の所持品にまで及んだ。たとえば、彼女が履いていた婦人靴のブランドはプラダ。その靴の価格は70万ウォン(日本円で約6万3000円)とすぐさまネットに公開され、ネットショップでは注目アイテムとしてあがったという。

 また、映画「プラダを着た悪魔」にひっかけて、チェ容疑者を「プラダを履いた悪魔」と呼んだり、出頭の混乱で転倒し、靴が脱げた様から「シンデレラ」ならぬ「スンデレラ」と言うネーミングがネットで拡散されるなど異様な盛り上がりを見せている。

スキャンダルをモチーフにしたゲームアプリまで登場

 そして、何とこのスキャンダルをモチーフにしたゲームアプリまで登場している。それも、1つや2つでなく複数存在するから驚きである。その中の1つ「カムバック!スンシル」というゲーム。馬に乗ったチェ容疑者とおぼしきキャラクターをタップし、いかに地上に落とすことなく星を獲得しスコアを上げられるかというものだ。

 ゲームオーバーとなった場合には、チェ容疑者とおぼしきキャラクターが牢獄に収監され「お姉さん、助けて!」と言っている画面が表示される。韓国では血縁関係がなくとも親しい間柄の年上の人物に対して「お兄さん」「お姉さん」と呼ぶ習慣がある。このため、ゲームの中のセリフ「お姉さん」とはパク大統領を指していることは一目瞭然である。

 また、キャラクターが馬に乗って登場するのは、チェ容疑者の娘が乗馬の選手であるからだと思われる。チェ容疑者の娘もやはり、大学の不正入学に関わった疑いや、SNSで国民に向けて暴言を吐き炎上するなど批判の矢面に立たされている。

 一見、ただスコアを稼ぐだけの単純なゲームに思われるが、キャラクターやセリフが事件をそのまま連想させたり、タップすることでストレスが解消できるという声もあり人気を得ている。

 また、もう1つの「チェ・スンシルゲーム(Choi's Gate)」というゲーム。こちらは単語のマッチングゲームでパク大統領が話す単語を時間内でどれだけタップして正解できるかを競うものだ。

 ゲーム内では実際のパク大統領とチェ容疑者の画像が使われているため、著作権の問題もありそうだが、両者の表情などリアルに再現されている。これまでに5万件ダウンロードされているという。

失望や怒りをを笑いに変えるしかない

 韓国ではこれまでにも任期末期になると大統領自身や身内の不正・不祥事が発覚し、後味の悪い幕切れを迎えてきた。そのたびに国民は失望や怒りの声を上げデモを繰り広げたきた。大統領のスキャンダルと国民の怒りはもはや「恒例行事」と化しているとも言える。

 そんな中で、今回のスキャンダルについては、高校生や大学生などの「政治に関心がない」とされてきた若い世代が率先して声を上げていることも特徴である。これは、「学歴社会でありながら大学が出ても就職難」であることや「格差社会」という韓国の現状に国民が強い閉塞感を抱えていることの表れでもある。

 権力者たちの度重なる傲慢な振る舞いやスキャンダルに怒りを通り越している国民も多い。ゆえにデモなどによって「怒り」をぶつけるだけでなく、ネット上で揶揄したり、笑いに変えることでストレスを解消させているようにも見える。

 とは言え、「国政介入」という本来の問題点が置き去りにされることがあってはならない上、1日も早い政権運営の正常化が望まれるところである。

(編集協力:岡徳之)

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    最終更新: 2016年11月24日(木)14時25分

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