スポーツ×インターネット「SPORTS BULL」が目指す全方位型スポーツメディア

CNET Japan 2016年12月09日(金)16時31分配信

 運動通信社が運営する「SPORTS BULL(スポーツブル)」は、4月にスタートしたスポーツ専門メディアだ。野球、サッカー、ゴルフなどの人気スポーツはもちろん、格闘技、モータースポーツ、卓球まで、網羅している競技数は約40。約20媒体と提携し、オリジナル記事とあわせ、1日に約500本のスポーツ関連記事を配信している。

 11月10日には、KDDI<9433>、朝日新聞社、ABCフロンティアホールディングスを引受先とする第三者割当増資を実施。KDDI<9433>との協業契約も結んだ。「スペシャルサイトを作っては大会終了とともに閉鎖し、ユーザーを集客しては解散することを繰り返してきた。そうではなく、スポーツファンが継続的に訪れられる場所を作りたかった」と、運動通信社の代表取締役社長である黒飛功二朗氏は、SPORTS BULL立ち上げのきっかけを話す。

 黒飛氏は、もともと多くの国際スポーツ大会などのスペシャルサイトや、オウンドメディアの立ち上げ、運営の業務を受託してきた経験を持つ。2013年には夏の高校野球のライブ配信を実施する「バーチャル高校野球」を、朝日新聞社、朝日放送<9405>らとともに立ち上げた。

 「バーチャル高校野球は、初年度から1000万UB、2年目で2000万UBを超えるユーザーアクセスを記録する、スポーツ×インターネット領域における成功事例。しかもユーザー層は、球児と同世代の10代から、その親、さらにその上の世代までと幅広い。単なる野球好きだけが見ているコンテンツではないことがわかった。スポーツビジネスは、得てしてコアなユーザーだけを対象にしてしまいがちだが、開かれた場所があれば、より多くの人を取り込めるはず」と確信したという。

 目指したのは、網羅性と専門性だ。「今のスポーツニュースは、多くが大会ベースで、情報量に波がありすぎる。年間を通して常に十分な情報を提供し、大会時などはより深掘りできるコンテンツを用意する。専門店が集まる“ショッピングセンター”のようなメディアになりたい」と黒飛氏は、理想形を話す。

 取り扱うスポーツ競技の幅の広さと情報量はすでに十分とも言える内容だ。黒飛氏は「量としては足りているが、今後は試合などのデータ、映像、専門家の解説、ユーザーコメントなど、多面的に深掘りする情報を追加していきたい。これらの情報がそろってくると幅広いユーザーにも楽しんでもらえるはず。こうしたホスピタリティが興味を持ってもらえるメディア作りにつながると思う」と方針を示した。

「一面」記事のピックアップはスマホで見やすいかどうかが基準

 SPORT BULLは「無料メディアの限界に挑戦したい」との思いから、企業からの広告出稿のみで成り立っている。バナー広告などを集める一方、「CRAZY ATHLETES」というオリジナルコンテンツを制作し、スポンサー企業のCMを流すなど、1社提供で運営している。

 「単なる広告枠の販売を超えて、スポンサー企業のアクティベーションの場として、活用できるようなメディアを目指したい。」(黒飛氏)と言う。

 現在、月間PVは250万で、UUは100万人。スタートから約半年、プロモーション費用はゼロだという。「2017年からはプロモーションを含めて、コンテンツを拡充していく予定。加えて、競技の枠を超えて閲覧してもらうことと、スポーツならではの感動的なコンテンツの提供を通じて、サイト内を回遊してもらえるかを考えていきたい」と、自らの課題を指摘する。

 コンテンツは、提携しているすべての媒体の記事を取り込み、さらに「一面」タブで、編集部側がピックアップした記事を掲載。無料登録によるログインをすれば、ユーザーの好きな競技の情報だけを集めた一面も作れる。

 「編集部サイドがピックアップして作る一面では、内容の質に加え、スマホで見やすいかどうかを基準にしている。サムネイルの写真は視認できるか、動画コンテンツのテロップは見えるか、スマホ画面での見やすさにこだわった」と編集方針は明確だ。

 さらに「見るだけではなくて、スポーツをすることにも積極的取り組んでいきたい。WatchだけではなくてDoの環境も整えていくことが使命だと思う」と続ける。

 SPORTS BULLのサイトには野球、サッカー、バスケットボールなど、スポーツごとのタブが並ぶが、ここに「トレーニングタブ」のようなものを用意して、エクササイズ需要にも応えていきたいという。

 2020年の東京オリンピック、パラリンピックに向け、スポーツビジネスの注目度はさらに高まることが予想される。「開催まで4年弱だが、1つのマイルストーンとして非常にいい期間だと思っている。この間にスポーツファンを作る、観戦してもらえる環境を整える、体を動かす機会を創出するなど、インターネット領域にとどまることなく、実際に人々がスポーツに触れ合う環境を作っていくことで、より大きなスポーツの発展に寄与していきたい」と黒飛氏は今後を見据えた。

 
CNET Japan
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    最終更新: 2016年12月09日(金)16時31分

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