15年ぶりに13インチのMacを選んだ理由--2016年に購入した製品で振り返るApple(後編)

CNET Japan 2017年01月06日(金)11時00分配信

 筆者が2016年に購入した製品で振り返るAppleの後編だ。2016年は、約3年ぶりに買い換えたiPad Pro、4年半ぶりに買い換えたMacBook Proなど、長い買い換えサイクルの製品の購入が重なった年だった。

 前回ご紹介したiPhone 7 Plus、iPad Pro 12.9インチモデルに続いて、MacBook Pro 13インチモデル、Apple Watch Series 2 42mmスペースグレーアルミニウムケース、AirPodsについて触れていこう。

ダウンサイジングを決断したMacBook Pro

 筆者は2015年から、MacBook Proの買い換えを検討してきたが、いよいよ新型MacBook Proが登場するということで、購入に踏み切ることにした。

 15インチディスプレイのPowerBook G4を使い始めて以来、15インチのノート型Macをメインマシンにして、デスクトップを持たないという生活を大学時代から続けてきた。そのため、順当に考えれば、15インチの新型MacBook Proを購入することに決めていた。取材していた発表イベントの会場で、15インチモデルの予約を入れたほどだった。

 しかし結論から言えば、15インチの予約をキャンセルして、13インチMacBook Proをオーダーし直した。出荷まで3週間近くあり、考える時間が与えられたこともあったが、実に15年ぶりに、15インチというサイズから13インチに変えることを決断した。

 15インチモデルは高速なグラフィックスとコンパクト化、軽量化で、より持ち運びやすいマシンに進化していた。非常に微妙な差ではあるが、本体のサイズの違いから、キーボードのタッチも15インチの方が優れているように感じた。

 しかしそれ以上に、MacBook Pro 13インチモデルはコンパクトで軽いという価値が勝っていた。MacBook Airの進化を終え、その代替という位置づけにもなった13インチモデルは、憧れていたライトさを備えている。

 画面サイズの大きさは、メインマシンとして活用する上ではマイナスとなる。しかし前述の通り、iPad Proで過ごす時間が多くなってきた中で、Macでもアプリを全画面で使うようになっていた。そうなってくると、15インチディスプレイを持て余すことになってしまう。そこで、13インチモデルを選ぶに至った。

 Touch Barという新しいインターフェースが搭載されており、普段よく使うアプリ、エディタのUlyssesやAppleのKeynoteなどは既にTouch Barをサポートしている。ただ、特にUlyssesの場合、キーボードのショートカットやMarkdownの書式を覚えているため、Touch Barを直接操作するチャンスは訪れないでいる。

日本でキラーアプリを見出したApple Watch

 AppleはiPhone 7とともに、Apple Watch Series 2を投入した。

 50m防水で水泳の計測に対応し、GPSを内蔵して単体での正確な距離や場所を記録できるようになった。バッテリサイズも拡大されて、重要も重くなったが、その分、アプリを積極的に使わない場合、バッテリの持続時間も延びている。

 またwatchOS 3とデュアルコア化されたS2プロセッサのおかげで、アプリ起動も高速化され、より積極的にwatchOS向けアプリを活用しようという気になった。

 アクティビティトラッカー偏重で進化しているウェアラブル市場の中で、それ以外の可能性に開かれている製品はApple WatchやAndroid Wearを搭載するスマートウォッチ群となる。2017年は、新たなキラーアプリの登場に期待を寄せている。

 ただ、日本では、一足先に、Apple Watchのキラーアプリを発見できた。それはSuicaである。

 10月25日から、Apple Payが日本に導入され、日本向けに販売されているiPhone 7シリーズ、Apple Watch Series 2に内蔵されたFeliCaを利用して、Suica、iD、QUICPayを用いた店頭決済をサポートした。

 ちょうどその時期に日本に滞在していたが、既に経験していた米国でのApple Payがある生活とは全く異なる世界が広がっていたことに驚かされた。鉄道からコンビニ、スーパー、飲食店、タクシーと、どこででもApple Payを利用できる環境は、世界にまだない。

 米国では2014年10月からApple Payが利用できたが、2年たった現在も、利用できる店舗は増えている実感がない。身の回りで利用できる店舗は高級スーパーWhole Foods Market、こちらも人気のあるスーパーであるTrader Joe’s、そしてドラッグストアWalgreens程度。いずれも毎日買い物をする場所ではないのだ。

 そうした米国の現状からすれば、日本はApple Payが最も便利に利用できる国であることは間違いない。そして、Apple Payが利用できる場所が増えれば増えるほど、Apple WatchでのApple Pay利用のメリットが際立ってくるのだ。

 筆者は普段左手に腕時計を着けているが、日本の空港に降り立ったら、Apple Watchを右手に付け替える。その方が改札通過に便利だからだ。ポケットから財布やiPhoneを取り出さなくても、Suicaが利用できる快適さは、Apple Watchのキラーアプリを明確に発見したといえるだけのものだった。

AirPodsは理想的なヘッドホン

 最後に、AirPodsをご紹介する。ヘッドホンジャックを取り除いたiPhone 7と同時に発表された、Apple純正のワイヤレスヘッドホンだ。

 Bluetoothヘッドフォンでは数少ない、左右独立型を採用しており、しかも5時間のステレオ再生、ケースのバッテリを組み合わせると24時間再生が可能になる。にもかかわらず、イヤーピース1つあたり4gと、他の独立型の製品に比べて非常に軽い。

 ちなみに、左右片方だけを使って音楽再生や音声通話、音声認識といった活用ができるため、ケースごと1回充電すれば48時間分のバッテリライフを獲得できる。しかも、右だけを使ってバッテリがなくなったら、今度は左を装着すれば良い。その間、ケースで右のイヤーピースを充電しておけるのだ。

 ヘッドホンとしての評価以前に、iPhoneと組み合わせられる最強の通話用ヘッドセットともいえる。

 AirPodsにはW1という新しいプロセッサが備わっており、省電力でのワイヤレス音楽再生を実現する。形状は、若干軸が太いぐらいで、iPhoneに付属してくるEarPodsと同じデザイン。ここにセンサ類が備わっており、装着しているかどうか、あるいはタップしてSiriを起動するといった賢さを備える。

 AirPodsで最も便利に感じたのは、iPhoneでペアリングしておけば、同じiCloud IDでログインしている他のデバイスで設定が共有される点だ。

 今筆者はiPhoneで音楽を聴きながらiPadで原稿を書いているが、GoogleハングアウトでiPadからコールしようと思ったら、iPadのコントロールセンターにリストアップされているAirPodsを選択するだけで、瞬時にiPadとのペアリングに切り替わり、通話ができる。

 このペアリングが面倒で有線のイヤホンを使うことが多かったが、積極的にワイヤレスの音楽環境に移行できるようになった点は、AirPodsのブレイクスルーと言える。

 ただし、運良く2016年中に手に入れられた人はわずかだったはずだ。10月末発売予定から1カ月半伸び、かろうじてクリスマス前に間に合いはしたが、待たせた分すぐに在庫切れとなってしまった。

 魅力的な製品だけに、早く在庫状況が落ち着いてくることを願うばかりだ。

iPadとMacの関係性に今後も注目

 2016年に購入したApple製品5つを振り返ってきた。AirPodsは完全な新製品となったが、基本的には製品ラインを維持し、その充実を図るという活動だったことが分かる。

 ただ、iPadとMacの関係性は、今後も注目すべき面白いポイントだ。Appleは主力の2製品について、これまで価格面での線引きの不透明さがあった。例えば800ドル台で手に入るMacBook Air 11インチの存在や、1000ドルを超えるiPadの存在がそれだった。

 2016年の刷新で、併売中のMacBook Air 13インチモデルを除いては、MacBookシリーズは1299ドルからと、1000ドル以下のラインアップを新製品から排除している。1000ドル以下のコンピューティングはiPadが受け持つ、という明確な基準が生まれた。

 また、ウェアラブルデバイスについても、Appleは積極的に取り組んでいく様子がうかがえる。ウェアラブルと聞くと、Apple Watchだけを思い浮かべるかもしれないが、ワイヤレス化されたAirPodsも、ウェアラブルデバイスと位置づけられる

 W1プロセッサを用意して取り組んでいるあたりから、iPhoneやMacとの連携は前提にしながら、身につけるデバイスとしての賢さを提案している点は面白かった。

 2017年、引き続き、新しいウェアラブルデバイス(と呼べるもの)が登場することに期待したいし、Apple Watchの日本でのApple Payのような便利さが世界に拡がること、またキラーアプリの登場が楽しみだ。

 最後にiPhoneだ。2017年はiPhoneが10周年を迎える。順当に行けば、デザイン変更なしのiPhone 7sの登場となるが、Appleとしても、ユーザーとしても、それでは納得しないはずだ。

 2014年モデルのiPhone 6を購入した世界中のユーザーを再びiPhoneに振り向かせる、そんな新モデルの登場に期待していきたいところだ。

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    最終更新: 2017年01月06日(金)11時00分

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