MAで顧客のニーズをつかめ--アクティブコアが解説する3つのシナリオ

CNET Japan 01月10日(火)09時00分配信

 朝日インタラクティブは12月7日、先進的なマーケティング戦略を実践している担当者とマーケティング戦略を経営に活かして実績をあげている企業を表彰し、またデジタルマーケティングの最新事例を紹介する「CNET Japan CMO Award & CNET Japan Conference 2016」を開催した。

 「顧客体験・価値向上のためのマーケティングの仕組み作りのポイントとは?」と題した講演では、統合型マーケティングプラットフォームを展開するアクティブコアの代表取締役社長である山田賢治氏が、マーケティングオートメーションを中核とした顧客体験の構築と価値向上のポイントについて、活用事例を交えて紹介した。

企業は、自分たちの顧客のことを本当に知っているか

 山田氏は講演の冒頭、今回のテーマの背景として「企業は顧客を本当に知っているか。さまざまな顧客のさまざまな行動に合わせてアクションをしても、実はその顧客はすべて同一人物だった、ということは少なくない。タッチポイントで生まれる顧客の行動を統合すれば、どのようなアプローチをすればいいのか見えてくる」と語った。

 顧客行動の一部を切り出すのではなく、顧客行動の連続性から顧客の理解を深め、ニーズを把握しようという考えだ。その上で、それを実現する仕組みとして、プライベートDMP<3652>とマーケティングオートメーションを活用した顧客体験と価値向上の基本的なスキームについて解説した。

 マーケティングオートメーションはまず、顧客のウェブ上における行動履歴、顧客の会員情報、売上データ、ユーザーサポートのログといった顧客行動が絡むあらゆるデータをプライベートDMP<3652>に統合することから始まる。そこから、マーケティングの対象となるターゲット顧客を抽出して「自分たちがアプローチすべき顧客はどんな人か」を可視化し、それぞれの属性の顧客にどのようなアクションを起こすかというシナリオを構築。それを実行しながら高速PDCAを回すという仕組みのが、基本的な考え方だ。シナリオの実行は自動的に行われ、機械学習を導入することで最適化も自動で行われる。

 山田氏は、マーケティングオートメーションの肝となるシナリオについて、3つのパターンを紹介。顧客への定期的な情報配信を自動的に行っていく「定期フォロー型」、あらかじめ指定したユーザーの行動を起点(トリガー)として特定のアクションに対して情報を提供してフォローしていく「イベント起点型」、そしてカスタマージャーニーそのものをシナリオに落とし込んで顧客行動合わせて自動的に最適化していく「シナリオ型」という累計を挙げ、顧客行動に寄り添うマーケティングが効果を生み出している代表的なモデルケースを例示した。

 「プライベートDMP<3652>に蓄積したデータを基に顧客接点をパーソナライズし、顧客に応じてアプローチの方法を変えていくという仕組みをオートメーション化するというのが、マーケティングオートメーションのポイントだ」と山田氏。アクティブコアのプライベートDMP<3652>を活用している顧客の中には、既にマーケティングオートメーションのモデルを確立しつつある企業もいるのだそうだ。

プライベートDMP<3652>の活用で見えてきた、顧客の本当の姿

 次に山田氏は、同社の顧客でマーケティングオートメーションを実践している企業の事例をいくつか紹介した。

 中古書籍販売大手のブックオフ<3313>は、会員データ、商品データ、ウェブ行動履歴、購買履歴、中古買取データなど膨大な量のデータを保持する。しかし、これらをすぐに活用できないといったデータ管理上の課題や、データ分析が各担当部門に委ねられており統合的な分析が一切できていないという組織上の課題を抱えていたのだという。そこでブックオフ<3313>は、プライベートDMP<3652>を導入してあらゆるデータをひとつの場所で統合管理し、すべての部門が同じデータを参照して分析を行うように改革を行った。

 その結果、会員属性、購買履歴、行動履歴などを統合分析したことで、顧客が年代別にどのような購買行動を行っているか。休眠会員になる割合と年齢、購買単価、購入した商品カテゴリの相関性はどうなっているか。リピート購入の多い優良顧客はどのような傾向で生まれるのか──といった多角的な顧客の可視化や、これまで実践してきたマーケティング顧客が本当に有効だったのかを検証することが可能になったという。

 また、「休眠顧客をどのようにリテンションすればいいか」というマーケティング課題に対して、「どのような属性の顧客に」「どのような方法でアプローチすればいいか」という道筋を探し出すことができたという。

 「企業と顧客とのコミュニケーションでは、いつ、だれに、どこで、何をするかを考えることが重要だ。プライベートDMP<3652>の活用によってコミュニケーションの最適化が実現し始めているブックオフ<3313>の事例では、それが顕著に表れたのではないか」(山田氏)。

目標を全ての部門で統一し、マーケティングのベクトル<6058>をひとつにする

 次に山田氏が挙げたのが、化粧品通販会社のマーケティングオートメーション事例だ。これまで、この通販会社は新規顧客の獲得に際してCPA(獲得コスト)を重視してコストパフォーマンスの良いマーケティング施策を中心に展開していたが、その結果、多くの顧客は獲得できるものの、それぞれの顧客のニーズを理解できず、本当に重要な顧客にリーチできなかったのだという。継続的な利用が少なく、解約も多かったのだそうだ。

 こうした課題に対して、この通販会社は顧客が生み出すトータルの利益を評価するLTV(Life Time Value)を新たなマーケティング指標として導入し、新規獲得、リテンション、継続、クロスセルといったマーケティングの様々なファンクションがLTVという統一の指標でアクションを考えるようになったのだという。

 「重要なことは、いかに顧客に満足してもらうか。そして、どれだけ長く関係を継続できるかということ。これまでの指標はそれぞれの部門で追う指標が異なっていたが、これを統一することであらゆるアクションがLTVを意識したものになり、部門間における数字のズレも生まれなくなる」と山田氏は解説。結果的に、どのような広告クリエイティブを選択するかという局面でもLTVの効果を拠り所にジャッジすることができるようになったのだそうだ。

 「こうしたマーケティングモデルは、LTV分析に必要な時間と労力が膨大で、高速PDCAを回せない。しかし、アクティブコアのマーケティングクラウドによってLTVや継続率をすぐに確認できる仕組みを構築してすべての部門で共有すると、顧客属性に合わせたメールやウェブのカスタマイズなどによる情報発信のパーソナライズ化を実現できた」(山田氏)。

 そして山田氏は、こうしたマーケティングオートメーションの裏側を支えるテクノロジとして、機械学習の仕組みにも言及した。具体的には、マーケティングオートメーションにおける機械学習は、プライベートDMP<3652>に蓄積された顧客の属性情報や行動履歴をもとに、行動パターンを解析。それを顧客に対する商品のレコメンドや情報配信の内容などに役立てるというものだ。

 「単純に商品を勧めるのではなく、『この商品を購入した人は次にこの商品を買うだろう』という予測に基づいて商品を勧めている」(山田氏)。こうしたレコメンドモデルは顧客に対するクロスセルに有効であり、商品購入時に顧客理解に基づいた特別なオファーを出す“ウェブ接客”を機械学習によって実現することで、さらに大きな効果を実現したとしている。

 山田氏は、今回の講演のまとめとして次のように語っている。「顧客体験・価値向上のためには、顧客を可視化(分析)して理解できる環境を用意すること、ライススタイルが多様化するなかで顧客ひとり一人の行動に対して適切なタイミングを意識すること、顧客の嗜好や思考に合わせることを徹底的に追求する、そしてマーケティングが生み出すデータを社内の経営層から現場部門まであらゆる担当者で共有することが重要だ」。

 そして、施策立案という担当者の叡智でしか実現できないことと顧客ひとり一人に最適化されたマーケティングを行うというテクノロジだからこそ実現できることを両輪としたマーケティングモデルの構築を提言した。

CNET Japan
もっと見る もっと見る

【あわせて読む】

    最終更新: 01月10日(火)09時00分

    【関連ニュース】

    【コメント】

    • ※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

    【あなたにおススメ】