欧米人は「ガチャには関心が薄かった」--Google Playアジア責任者インタビュー

CNET Japan 2017年08月17日(木)10時47分配信

 グーグルのデジタルコンテンツプラットフォーム「Google Play」が、2017年3月に5周年を迎えた。8月4日に発表された上半期のトレンドレポートでは、人気アプリのトップ5に「DELISH KITCHEN」「クラシル」「クックパッド<2193>」と料理アプリが3つランクインする結果に。また、ゲームカテゴリでは任天堂<7974>の「Super Mario Run」がトップトレンドのタイトルに選ばれた。

 8月初旬、Google Playのアジア地域責任者であるJames Sandars(ジェームス サンダース)氏に単独インタビューを実施。Google Playならではの優位性や、セキュリティへの取り組みなどを聞いた。

――5周年を迎えたGoogle Playですが、この5年間でコンテンツやユーザーの利用状況に変化はありましたか。

 まず、カタログ(コンテンツ)の規模が格段に大きくなりました。Google Playでは現在、数百万を超えるアプリや4000万以上の楽曲、500万以上の書籍を配信しています。5年前はまだまだ音楽はCDなどの物理メディアで購入することが当たり前で、オンラインには海賊版が横行していました。いまでは多くの方が「Google Playミュージック」などの音楽サービスを通じて楽曲を購入するようになり、定額料金を支払うサブスクリプション型で音楽を楽しむユーザーも増えました。

 また、190カ国以上の10億人以上に利用されており、コンテンツ開発者にとっても非常に魅力のあるプラットフォームになっていると思います。1カ月間のコンテンツインストール数が100万回を超えた開発者の数は、この1年で35%増加(昨対比)しています。モバイルが登場するまでは、学生が大学に通いながらゲームを開発するなんて夢のような話でしたが、いまではグーグルやサードパーティから開発ツールが提供されており、開発したアプリをアップロードするだけで世界中の人々に届けられるようになりました。これは大きな変化だと思います。

――日本ではアップルのiPhoneが高いシェアを占めています。その中で、Google Playならではの強みはどこにあると考えますか。他のプラットフォームでは提供していない独自機能やコンテンツがあれば教えてください。

 Google Playでは、ユニークなユーザー体験を提供するための開発にかなり投資をしています。たとえば、日本では1月からGoogle Play ブックス向けに「ふきだしズーム(Bubble Zoom)」という、マンガの吹き出しを拡大して表示できる機能を提供しています。グーグルの機械学習技術を活用したもので、よりよい読書体験を提供できると考えています。


 もう1つは、5月に一般公開した「Android Instant Apps」です。モバイルでコンテンツを利用するには、アプリかウェブサイトのどちらかを使うことになりますが、アプリを利用するには、Google Playへアクセスしてアプリをダウンロードし、デバイスにインストールするという手間がかかります。

 Instant Appsであれば、アプリをダウンロードしなくてもウェブサイトで一部の機能を即座に利用することが可能です。つまり、アプリケーションをモジュール化して、必要なモジュールだけをダウンロードしているわけです。そこで気に入れば、そのままアプリをダウンロードすることも可能です。

――コンテンツ開発者のサポート体制についても教えてください。

 開発者の支援にも力を入れており、ビジネス面からソフトウェア<3733>面まで、大きなサポートチームで対応しています。グーグルでは「go global」というコンセプトで、日本の開発者の海外進出を支援しています。たとえば、アプリの翻訳なども他言語で違和感のない質の高いものにしています。

 ゲームについては、国によってユーザーの嗜好が異なるため、どのようにコンテンツの内容を変えれば成功するかといったアドバイスをしています。たとえば、北東アジアではアニメを使ったゲームが人気ですが、逆にタイやインドネシア、インドなどの南アジアでは、あまりそういったものは人気がありません。

 また、日本では(小型販売機の)ガチャガチャに馴染みがあるので、スマートフォンゲームで何かしらのアイテムがもらえる“ガチャ”の仕組みを楽しめますが、欧米にはそれに匹敵するものがありません。欧米でもクジはありますが、当たりか外れかのどちらかの結果なので、ガチャのようなランダム要素はないのです。

 そのため、欧米では決まったアイテムを購入するのが一般的で、ガチャへの関心も薄かったのですが、最近はガチャモデルのゲームも以前よりは受け入れられるようになり、一部のゲームにはガチャシステムが搭載されるようになりました。そういった文化の違いなど、私たちが知り得たことは開発者に共有するようにしています。

(編集部注:当初はタイトルと本文中に「欧米人はガチャには関心がない」と記述していましたが、グーグル社より説明した内容に誤りがあったと連絡を受け、タイトル及び本文の一部を修正しました)

――7月からAndroidデバイス向けの新たなセキュリティサービス「Google Play プロテクト」を開始しました。また、「Google Play Store」のアルゴリズムを強化し、質の低いアプリの検索結果の表示を下げているそうですね。

 AndroidのOSはオープンソースですので、誰もがコードを見られるという特性があります。そのため、何か問題があった場合にはセキュリティの専門家から指摘を受け、非常に短期間に対応しています。また、開発者がGoogle Playにアプリをアップロードした際に、そのアプリをグーグル側でチェックし、安全だと確認できなければ配信されないようにしています。

 それでも、ユーザーによっては安全性やプライバシーに懸念が残るという人もいます。そこで、もう1つのレイア―としてGoogle Play プロテクトを作りました。毎日自動的にユーザーのデバイスをスキャンして、セキュリティ上の問題がないかを確認するものです。自動的なチェックに加えて、より頻繁に確認したい人は手動でチェックすることも可能です。

 アルゴリズムについては、以前はアプリは人気度でランキング表示していましたが、現在は人気度と品質で決めています。ユーザーのレーティング、クラッッシュレポート、ダウンロードの時の速度、データ要件などから順位が決まります。ベストなアプリを提供するには人気だけでなく品質も重要だと考えます。

――豊富なデバイスに搭載できることがAndroid OSの特徴でもありますが、どのようにしてデバイスやOSごとの品質を保っているのでしょう。

 毎年新たなバージョンのAndroid OSが出るわけですが、特定のバージョン以降でないと使えないアプリは、それ以前のバージョンのデバイスのストアにはそもそも表示されないため、ダウンロードできません。逆に言えば、ストアに表示されたアプリはそのデバイスで問題なく使えるということです。

 Androidの開発環境である「Android Studio」では、世界でどれくらいの人がどのバージョンのOSを使っているのかを開発者が確認することができます。そのデータをみて、どのターゲットに向けて、どのバージョンのアプリを作るのかを決めることができるのです。

 また、発展途上国では安価なデバイスしか買えない人が多い。そうした人々にもすばらしい体験を提供したいと考え、5月に軽量版のAndroid OS「Android Go」を発表しました。このOSがインストールされたデバイスは、箱から出した時点で端末スペックに最適化された状態でサクサクとした動作で使うことができます。

 アプリストアもAndroid Goを搭載したデバイス向けのランキングとなっており、非常にパーソナライズされた体験を提供できます。安価なデバイスが快適に使えればさらなるユーザーの拡大につながり、開発者も新たなユーザー層を獲得するチャンスが増えるのです。

――今後、Google Playにどのようなコンテンツを増やしていきたいですか。

 もちろん、すべてのコンテンツです。ただ、ゲームなどでもまったく新しいカテゴリのゲームを作ってもらえると嬉しいですね。2016年に登場した「Pokemon GO」は初のマスマーケット向けのARゲームになりました。非常に人気のあるタイトルと日本的なコンセプトで、世界中で受け入れられました。こうした今までに存在しなかったゲーム体験を提供するようなクリエイティビティに期待しています。

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    最終更新: 2017年08月17日(木)10時47分

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