好利回りのJ-REITを見直し--いつが買い時か?

ZDNet Japan 2017年12月05日(火)11時56分配信

今日のポイント

  • 不動産ブームでも上値の重い東証REIT<2066>指数
  • ブームでも売られる東証REIT<2066>指数
  • 実物不動産に今投資するのはリスクが高いがJ-REITは有望
  •  これら3点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

     2017年は日経平均株価<.N225>が上昇する中、東証REIT<2066>指数は下落した。最近すっかり人気がなくなったJ-REIT(ジェイリート、日本版リート、上場不動産投資信託)だが、平均分配金利回りは12月4日時点で4.1%に達している。

     中長期の利回り投資対象として、J-REITのインデックスファンド(東証REIT<2066>指数に連動するように運用する投資信託)は、今が買い場と判断している。

    不動産ブームでも上値の重い東証REIT<2066>指数

     アベノミクスが始まった2013年以降、景気回復と異次元金融緩和の効果で、不動産需給は改善。都市部は今、不動産ブームの様相を呈している。

    都心5区オフィスビルの賃料・空室率平均の推移:2013年1月~2017年10月

     三鬼商事の調査によると、2013年1月に8.56%だった都心5区の空室率は、2017年10月に3.02%まで低下。平均賃料は、2013年12月に1万6207円/坪で底をつけてから反発し、2017年10月には1万9033円/坪まで上昇した。

     市況高騰を受け、大手不動産会社では保有する賃貸不動産の含み益が拡大している。賃貸不動産の含み益上位4社を挙げたのが下の表だ。上位3社は大手不動産会社だが、4位はJR東日本<9020>(電鉄会社)。

    賃貸不動産の含み益上位4社の含み益:2013年3月~2017年3月

    ブームでも売られる東証REIT<2066>指数

     今は不動産ブームの最中だが、不動産市況に過熱感があり、ブームがピークアウトする懸念も一部で語られ始めている。そのため日経平均株価<.N225>は上昇しても、不動産株やJ-REITは上がらなくなってきている。

     過去に何度も不動産バブルとバブル崩壊を繰り返してきたため、投資家も学習したといえる。

    東証REIT<2066>指数と日経平均株価<.N225>の値動き比較:2004年1月~2017年12月(4日)

     2005~2007年にかけて不動産ミニバブルといわれるブームがあった。ブームのピークだった2007年には、東証REIT<2066>指数が日経平均株価<.N225>を上回る急騰を演じた。このころの投資家は、REITが利回り投資商品であることをよく理解していなかったといえる。成長株を買い上がる感覚でREITが買い上げられた。

     2008年に不動産ミニバブルが崩壊し、さらにリーマンショックが起こると、日経平均株価<.N225>東証REIT<2066>指数も暴落した。REITは利回り商品であるにもかかわらず、ブームで急騰した反動で日経平均株価<.N225>と同様に大きく下がったのである。

     日経平均株価<.N225>とJ-REITの連動はその後も続いた。ただし、近年は異なる値動きをするようになっている。特に2015年以降、日経平均株価<.N225>東証REIT<2066>指数は逆の動きをすることが多くなった。J-REITが利回り商品であることが理解されるようになったためと考えている。

     今後、不動産バブルが崩壊して日経平均株価<.N225>が急落しても、東証REIT<2066>指数はそんなに大きくは下がらないと予想している。先に値下がりし、利回りが高くなっているからだ。

    <参考>過去の不動産バブル

     日本の不動産は戦後3回バブルを経験した。

  • 最初のバブル:1970年代前半、田中角栄首相の「列島改造論」を受けて不動産価格が急騰したが、1973年に第一次石油ショックが起こり急落
  • 過去最大のバブル:1980年代後半の「バブル景気」で、不動産価格が急騰したが、1991年以降「失われた10年」に入り急落
  • ミニバブル:2005~2007年、都心再開発ブームを背景に不動産価格が急騰してミニバブルといわれた。2008年以降に金利上昇と世界景気悪化を受けて急落
  • 実物不動産に今投資するのはリスクが高いがJ-REITは有望

     実物不動産を今買うのはリスクが高いと考えている。不動産ブームで価格が高騰しているからだ。ブームが終われば価格が大きく下がるリスクもある。

     ただし、J-REITは今が買い場と考えている。先に不動産ブーム終了を織り込んで価格が低下し、利回りが高くなっているからだ。

     それでは東証に上場している不動産株はどうだろうか。不動産株は株主への利益還元方針が不明瞭である。配当利回りが低い銘柄が多く、長期投資する価値は低いと思う。REITは毎期の利益をほぼ全て投資家に分配する。分配方針の分かりやすさと、相対的に高い分配金利回りから、長期投資対象として魅力的と考えている。

     J-REITに投資するには個別銘柄を買ってもいいのだが、何を買っていいか迷う場合は東証REIT<2066>指数のインデックスファンドから投資を始めたらいいだろう。投資信託ならば1万円から投資することができるものもある。

     その際は以下の条件を満たすファンドから選んだ方がいい。

  • 分配金を年1回、あるいは2回しか出さないファンドから選ぶ。毎月分配型は投資効率が低いので避ける
  • 信託報酬(毎年ファンドから差し引かれる手数料)が低いファンド(できれば0.5%以下)を選ぶ
  • ノーロード(売買手数料がゼロ)のファンドから選ぶ
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      最終更新: 2017年12月05日(火)11時56分

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