ワークデイ「新しい戦略段階に入った」--アナリティクスを強化、PaaSにも拡大

ZDNet Japan 2018年01月13日(土)07時30分配信

 人事クラウド大手Workdayは自社イベント「Workday Rising 2017」で、PaaSの「Workday Cloud Platform」を発表、アナリティクス分野を強化した。これらの新サービスの導入はWorkdayの方向性にとって何を意味するのか? 

 プロダクトマーケティングを統括するプラットフォームテクノロジー担当シニアバイスプレジデント、Dan Beck氏に話を聞いた。

--新しいアナリティクス「PRISM Analytics」について教えてください。これまでのアナリティクスとの違い、想定しているユースケースなど。

Beck氏:PRISMでは、Workdayのデータに加えて、Workday以外のデータを組み合わせてデータを分析できる。

 土台となっているのは、2016年に買収したPlatforaの技術だ。Platforaはデータのアナリティクとディスカバリのための技術を持ち、ペタバイト級のデータを数秒で分析し、視覚的に表示できる。ビジネスインテリジェンス(BI)のための新しいパワフルな技術スタックであり、Workdayに組み込んだ形で提供するのですぐに利用できる。

 これまでのアナリティクスでは、ターゲットデータを定義して連携する設定が必要だったが、RRISMによりデータを集めたり、データのガバナンス、変換、管理が容易になったりした。

 ユースケースはWorkday Financial ManagementでもHuman Capital Management(HCM)でも考えられる。例えば、退職貯蓄制度を含む総合報酬プログラムを外部にもつ企業なら、Workdayのデータと組み合わせることで完全なタレントデータを構築できる。このほかにも、ヘルスケアなどWorkdayで管理していないデータを活用できる。

--アナリティクスでは「Workday Benchmark」を秋よりベータ展開しています。

Beck氏:Workday Benchmarkはデータ・アズ・ア・サービスで、顧客がオプトインで条件に合意して参加する。ビジネス人材データのサービスで、参加企業は給与水準、ダイバーシティ、離職率などを比較できる。

 データはあくまでも顧客のものであり、顧客はBenchmarkに貢献するデータを選択できる。参加企業が多いほどBenchmarkのデータ品質は高くなり、メリットを体感できる。すると参加企業も増える、というネットワーク効果が期待できるサービスだ。

 9月1日に限定的にローンチ、約1カ月で100社以上が参加を表明した。従業員数にして100万人を超えるデータとなる。Workdayの利用企業は1800社を上回り、管理する従業員数は2600万人だ。潜在的な価値は大きいと見ている。

--Workday Cloud PlatformによりPaaS分野に参入しました。

Beck氏:Workday Cloud Platformは顧客が拡張機能やアプリケーションを構築できるPaaSで、6社のデザインパートナーと協業して開発した。特徴は標準ベースと外部クラウド事業者のサービスのサポートだ。

 1つ目の標準ベースでは、Restful APIを利用しており、顧客はUI、データモデル、ワークフローなどを構築し、アプリケーションを作成できる。パートナーもWorkday Cloud Platformを利用して、自分たちの知識やスキルを生かしてWorkdayを拡張できる。2つ目では、Workdayだけではなく、Microsoft、Amazon Web Services、Googleといった外部クラウド事業者のサービスを利用できるよう、リファレンスアプリケーションを用意する。

 合わせて、開発者向けサイト「cloud.workday.com」も新たに用意した。開発者が拡張やアプリケーション構築にあたって必要な情報を得たり、構築したものを共有できる場となる。

 ローンチ段階で80以上のソフトウェア<3733>企業と提携し、8週間のトレーニングプログラムを提供している。2018年以降はパートナーから最初のサービスが登場すると予想している。顧客がCloud Platformを利用した拡張機能の運用を開始するのも2018年からだと見ている。

 Cloud Platformの設計では、Salesforce.comを参考にした。Force.com(SaleforceのPaaS)では日本のISVが多数参加しており、われわれも日本のソフトウェア<3733>開発企業と提携を探りたい。

--現在のサービス数は?

Beck氏:30程度あり、この中には、社内でポジションの空きを視覚化するタレントモビリティシステム、開発チーム向けのピアツーピアのフィードバックシステム、ページ作成やデータ表示などのプレゼンテーションサービスなどがある。また、業界固有の拡張機能、Workdayによる従業員とのエンゲージ強化のためのパーソナライズなどの開発も進んでいる。

 Workday社内でも、従業員とのエンゲージを強化する機能開発を行っている。

--これらの新サービスはWorkdayの戦略上何を意味するのですか?

Beck氏:ビジネスプランニング、実行、分析の全てをサポートするシステムはWorkdayだけだ。PaaSのCloud Platformでさらにそれを拡張できるようになった。Cloud Platformは単に新しい製品やサービスであるだけでなく、Workdayが新しい戦略レベルに移行するという位置付けになる。また、分析では他社のデータも利用できるようになり、ベンチマークできるデータ・アズ・ア・サービスも用意する。

 顧客に最高の体験を提供するという哲学があり、PaaSではコアアプリケーションのパワーを拡張できる。オープン性は重要な差別化要素になるだろう。

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    最終更新: 2018年01月13日(土)07時30分

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