日銀、次回会合で緩慢な物価情勢を点検 金融政策は維持

ロイター 2017年09月15日(金)10時36分配信

[東京 15日 ロイター] - 日銀<8301>は20、21日に開く金融政策決定会合で、好景気にもかかわらず、緩慢な動きにとどまっている物価動向を入念に点検する。もっとも、先行きの物価が2%の目標に向けて上昇率を高めていくモメンタム(勢い)は維持されているとの見方が大勢で、金融政策は短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度に誘導する現行の緩和策を据え置く見通しだ。

日銀<8301>は前回7月の会合で、実質国内総生産(GDP)の見通しを上方修正する一方、消費者物価(除く生鮮食品、コアCPI)の見通しを引き下げ、物価2%の到達時期を「19年度ごろ」に1年先送りした。

その後も国内景気は順調に推移。4─6月期の実質GDPは、公共投資や個人消費など内需を中心に前期比・年率で2.5%増の高成長となった。海外経済の回復を背景に輸出も増勢を続けており、日銀内では内外需のバランスのとれた成長との評価が多い。

会合では「緩やかに拡大している」との景気判断を維持する見通し。16年度第2次補正予算の執行が本格化する中、「増加に転じつつある」としている公共投資の判断引き上げについて、議論される可能性がある。

一方、物価は、7月の全国コアCPIが前年比0.5%上昇と着実に伸び率を高めているが、2%の実現はなお遠い。好景気と労働需給の引き締まりを背景に需給ギャップはプラス幅を拡大しているものの、インフレ期待の明確な高まりはうかがえない状況だ。

7月に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、好景気や人手不足にもかかわらず、物価上昇が鈍い一因に「(企業が)省力化投資の拡大やビジネス・プロセスの見直しにより、賃金コストの上昇を吸収しようとしている」ことを挙げた。

会合では、こうした企業の取り組みが今後の物価動向に与える影響について、さらに議論を深める見通しだ。

7月展望リポートでは、17年度のコアCPI見通しを同1.1%上昇に下方修正したが、足元の鈍さを反映し、10月の次回展望リポートでさらなる引き下げが議論になる可能性がある。

もっとも、景気はむしろ上振れ気味との声もあり、物価が先行き上昇圧力を強めていくとの見方に大きな変化はない。長期金利をゼロ%程度に抑制する金融緩和策を維持し、経済・物価の支援を続けていく方針だ。

次回会合には、7月に就任した鈴木人司氏、片岡剛士氏の両審議委員が初めて参加する。

(伊藤純夫 竹本能文 編集:田巻一彦)

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    最終更新: 2017年09月15日(金)10時36分

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