少子高齢化による労働力不足で日本経済は黄金時代へ

投信1 2017年06月18日(日)06時45分配信

日本経済は、少子高齢化による労働力不足の時代を迎えます。「今は、たまたま景気が良いので労働力が不足しているだけだ」という面もありますが、10年後には、景気が悪くても労働力不足だという時代になっているかも知れません。そこで、「日本経済は成長できない」といって日本経済の将来性を憂いる人が大勢います。

一方で、働く人が減り、少ない現役が多くの高齢者を支えるようになるので、財政赤字が拡大を続けて財政が破綻する、年金が破綻する、と考える人も多いでしょう。

しかし筆者は、そうは思いません。むしろ、今後の日本経済は黄金時代を迎えると考えています。その理由をご説明しましょう。

バブル崩壊後の日本経済の諸問題が一気に消滅する

バブル崩壊後の日本経済の最大の問題は失業でした。しかし、高齢化によって失業問題は自動的に解消します。引退する高齢者が「永久失業者」となって現役世代の失業者の肩代わりをしてくれるからです。

労働力不足になると、非正規労働者の奪い合いから待遇が改善していきます。働いても貧しい非正規労働者である「ワーキング・プア」が、マトモな生活が営めるようになります。子供も産めるかも知れません。ブラック企業も、社員が「辞めても、他の企業が雇ってくれる」ので退職が相次ぎ、消滅するでしょう。

失業対策としての公共投資は不要になります。「増税すると景気が悪化して失業が増えてしまう」という懸念が解消するので、増税が「気楽に」行なえるようになり、財政収支はむしろ改善するかも知れません。

拙稿『バブル崩壊後の長期停滞は、日本人の勤勉と倹約が原因』で示した状況が、高齢者の引退で様変わりする、というわけです。

日本経済の生産性は、労働力不足を背景に劇的に改善へ

日本企業はこれまで、安価で豊富な労働力が利用できたため、省力化投資のインセンティブがありませんでした。そこで、少しだけ投資をすれば大幅な省力化ができる余地が至る所に残っています。しかも、企業収益は好調で、投資のための資金は潤沢にあります。そんな時に労働力不足の時代が来たら、一気に省力化投資が進むでしょう。

労働力不足で賃金が上昇していけば、高い賃金の払えない低生産性企業から高い賃金の払える高生産性企業へと労働者が移動するようになりますから、これも日本経済の生産性を高めるでしょう。

既に深夜営業をやめる外食チェーンが出てきましたが、労働力不足に耐え切れなくなった企業から順番に、過剰なサービス競争をやめていくとすれば、これもマクロ経済的には生産性の向上につながるでしょう。

このあたりのことは、拙稿『労働力不足で日本経済の生産性は劇的に向上へ』をご参照ください。

財政赤字は当分続くが、財政は破綻しない

日本政府の借金は円建てで、日本国民から借りています。外貨を外国から借りているわけではないので、過去に財政が破綻した国とは事情が異なります。

頭の体操としての極端なケースですが、少子化が進んで日本人が最後の1人になったとします。その子は1800兆円の個人金融資産を相続しますから、1000兆円(政府の借金の残高)の税金を課せられても何の問題もありません。

「財政赤字は後世への借金の先送りだから世代間不公平だ」と言われます。その限りでは正しいのですが、遺産相続まで含めると、世代間の不公平などないのです。あるのは遺産の相続できる子とできない子の「世代内不公平」だけです。

あとは、いつ誰にどれくらい増税するか、というだけの問題です。筆者は相続税を増税すれば財政赤字は容易に解消すると考えていますが、そのあたりのことについては、拙稿『財政赤字は巨額でも、日本の財政は破綻しない』をご参照ください。

マスコミの悲観バイアスを修正して見る習慣が重要

上記は、読者が日頃見聞きしている話と比べると極論に思えるでしょう。しかし、筆者としては、「識者の平均より少し楽観的」だという認識でいます。その違いが生じる一因は、読者の接している「識者の見解」が、本当の識者の見解よりも悲観的なものにバイアスがかかっているからです。

その最大の理由は、マスコミが悲観的な論調を好むからです。そして、マスコミ情報の受け手が悲観的な情報を好むからです。「大変なことが起きそうだ」と書く方が「何とかなるだろう」と書くより、新聞も雑誌も売れますから(笑)。

読者におかれましては、マスコミ情報にバイアスがかかっていることを認識し、それを「組み戻し」した上で、情報として利用することをお勧めします。そのあたりのこと情については、拙稿『マスコミの悲観バイアスに惑わされてはいけない』をご参照ください。

読者として、筆者を「非常識だ」と感じるのはご自由ですが、それだけでは建設的ではありません。そう思うのであれば、具体的に上記のどこがどのように誤っているのか、考えてみてください。きっと良い頭の体操になるはずです。

それだけでも筆者は読者のお役にたてて光栄ですが、結果として誤りが見つけられずに筆者に賛同してくださる読者が少しでもいれば、さらに幸いです(笑)。

投信1
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    最終更新: 2017年06月18日(日)06時45分

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