上場廃止から半年、アコーディア・ゴルフは今どうなっている?

投信1 2017年09月16日(土)06時30分配信

ゴルフシーズン到来

9月も半ばを過ぎ、これからは暑くも寒くもなくゴルフをするには最適なシーズンとなります。ちなみに、ゴルフ場のプレーフィーは、1年のうち5月・6月と10月・11月が最も高いと言われており、ゴルフ場の経営にとって非常に重要な時期でもあります。

そこで気になるのが、最近ゴルフ場の経営がどのようになっているかです。今回は、日本のゴルフ場運営の最大手であるアコーディア・ゴルフを所有するアコーディア・ゴルフ・トラスト(以下、AGT)の2018年3月期第1四半期決算を通して見ていきたいと思います。

アコーディア・ゴルフ・トラスト(AGT)とはどのような会社か

アコーディア・ゴルフは知っているがAGTは知らないという方が多いかもしれませんが、それは無理もないことです。というのは、AGTは日本では上場しておらず、2014年8月からシンガポール証券取引所だけで取引されているビジネストラストだからです。

ビジネストラストは、J-REITなどの不動産投資信託と類似した投資信託で、不動産の代わりにゴルフ場という事業に投資を行い、そこから得られるキャッシュフローを投資家に分配する仕組みです。

AGTが投資するゴルフ場は、2017年3月まで東証1部に上場していたアコーディア・ゴルフがアセットライト戦略の一環として2014年にAGTに売却した89のゴルフ場(注)です。これは当時のアコーディア・ゴルフが持っていたゴルフ場全体の7割弱に相当します。

注:このうち約70%は3大都市圏(首都圏、中京圏、関西圏)に位置しており、AGTのゴルフ場の鑑定価格の総額は2016年12月31日時点で1,509億円となっています。

つまり、皆さんが日本のアコーディア・ゴルフで使うプレーフィー、昼食代、練習場代、ゴルフ用品などの収益から得られるキャッシュフローが、シンガポールに上場しているAGTの投資家に分配金として支払われる仕組みになっているのです。

2006年から東証1部に上場していた日本のアコーディア・ゴルフは、2017年3月に独立系プライベート・エクイティ・ファンドであるMBKパートナーズによって株式公開買い付け(TOB)により買収され、上場廃止となっています。

このため、それまでアコーディア・ゴルフが四半期決算ごとに開示していた経営情報を現在は得ることはできません。ただし、AGTは上場企業として決算を開示していますので、アコーディア・ゴルフ全体の7割弱の状況を、そこから垣間見ることができます。

増収増益だったAGTの第1四半期決算

では、2017年8月14日に開示されたAGTの第1四半期(4-6月期)決算の内容を、同社のプレゼン資料から見てみましょう。

実績は営業収益が146億円(前年同期比+1%増)、営業利益は32億円(同+8%増)、税引き後利益は25億円(+10%増)と、増収増益を確保していました。

営業収益の内訳については、ゴルフ場収入が同+2.1%増、レストラン部門収入が+1.5%増であったのに対し、会員権収入は同▲5.9%減となっています。

また、第1四半期の入場者数については162万人と、前年同期比で+4%増、過去3年平均との比較では+3%増と堅調でした。

ゴルフ場の経営に関しては、若者のゴルフ離れ、プレーヤーの高齢化など、あまり明るい話題は聞かれません。しかし、こうして見ると、新たな会員権販売は不振ではあるものの、フローで見る限り足元の状況は堅調に推移していたことがうかがえます。

今後の見通し

AGTでは、今後の見通しについて以下のようなコメントを行っています。

引き続き見込まれる日本の堅調なゴルフプレー数

• シニアプレーヤーからの確かな需要による下支え
• 全体的な人口減少傾向にもかかわらず、1ゴルファー当りのプレー回数は増加

人気のレジャー・スポーツとしてあり続けるゴルフ

• 健康意識のより高いシニアにとって、ゴルフは健康的なレジャーであり続けている
• オリンピック競技としてゴルフが採用されたことで、若者層を含め日本でのゴルフ人気が増大すると期待される
• 訪日観光客の活況は、中長期的にゴルフ需要にプラスの影響を与えるものと見込まれる

このように、同社は比較的今後の見通しについて楽観的に捉えています。また、今後の堅調な成長を支えるために、最新GPSナビゲーションシステムをゴルフカートに導入することや、ポイントプログラムの拡充、女性向けのゴルフ情報配信の強化などに取り組むとしています。

まとめ

上場廃止以降、アコーディア・ゴルフに関する経営情報に触れる機会は少なくなってしまいましたが、AGTの決算を通して、堅実に推移していることがご理解いただけたのではないでしょうか。

とはいえ、日本のゴルフ業界全体では、団塊の世代に先立つ1945年(昭和20年)生まれの人たちが2020年に75歳(後期高齢者)となることでゴルフ離れが加速する「2020年問題」に直面しています。

このため、今後、同社がこうした課題に対して新たな取り組みをさらに加速させていくかについても注視していきたいと思います。

投信1
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    最終更新: 2017年09月16日(土)06時30分

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